攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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七代目聖女、シャルロット・モリガナ登場!

 一通りの配置とか振り分けなんかを経て、さっそく俺達はそれぞれの持ち場につくこととなった。

 つまりはここからは仲間達とも離れ離れで、お互いにできることをしていく形になるね。

 

 解散して動き出す周囲。俺とリーベはこの式典館に詰める形になるからそんなに移動する必要はなく、ヴァールと三人で仲間達を見送っていた。

 サウダーデさんとエリスさん、リンちゃんと葵さんがまずは俺達のところへやってきた。

 

「それではヴァールさん、公平殿リーベ殿。我々も持ち場へ向かいます、お互い武運を祈りましょう」

「ハッハッハー。まあ任せといてください、よっぽどおかしなのが来ない限りはモンスターどもをここまでなんてやって来させませんから!」

「うむ。頼りにしているぞサウダーデ、そしてエリス。フェイリン、葵もな」

 

 どこまでも自然体なのが頼もしい。S級探査者とA級探査者、珍しい気もする四人組パーティだ。

 

 近接戦闘をサウダーデさんとリンちゃんが。中距離から遠距離戦をエリスさんと葵さんが受け持つことになるだろうこのメンツはバランスも良い。

 個々の戦闘力が高いことも合わせれば、今回割り振られた各地区の中でももっとも強く、安定感もあるだろう面々だった。

 

 次いでやって来たのはベナウィさんとシャーリヒッタ。さっきの振り分けの時に海側班の人達と軽く挨拶とかしてたけど、それも終わってこっちに来たみたい。

 シャーリヒッタにとっては現世に受肉した状態で初めてとなる戦闘的活動。あまりよく知らない人達とチームで、しかも海の上という特殊な環境での行動でもある。

 不安は拭えないにしろ、それでも彼女は不敵に笑って言った。

 

「じゃあ、行ってくるぜ公平サン、リーベ! なんかあったらすぐ報せるからよろしくお願いします!」

「気をつけてくださいねー!」

「ああ、気をつけていっておいで……ベナウィさん、この子を頼みます。頼りになる戦力なのは間違いないと思いますが、たぶんこういったところでの場数は足りてないはずなので」

「もちろん。ミスター・公平のむす……げふん、あ~ご家族ですから、危険な目には遭わせませんし頼らせていただきますとも」

 

 今娘って言おうとした? 言おうとしたよねベナウィさん? 怖ぁ……咄嗟にそう言いかねないくらいもうこの子ってば俺の娘で定着してるの、事情を知ってる人の中では。

 そこはかとなく怖いものを感じるものの、それはともかく手を振って海側班とともに部屋を出る二人を見送る。

 

 この時点でもう班分けされた人達は全員出払った、あといるのは俺達と島根さんとヴァールと、それともう1チームのみ。

 アンジェさんやランレイさん、神奈川さん。そしてステラの独立遊撃チームだけだった。

 

「よーっし! じゃあ私らも行きますねヴァールさん! 公平にリーベ、ここのことは任せたわよ!」

「ああ、気をつけてな。敵方に動きが見られればすぐさま報告を、だ」

「行ってらっしゃい、みなさん!」

「怪我したら治しますからねー!」

「は、はいぃっ! ががが頑張りましゅー!!」

 

 アンジェさんとランレイさんが、それぞれ挨拶してくれるのを受け俺達もその背中を押す。すっかりコンビ然としたお二人が、ともに並んで歩きだす。

 そこに神奈川さんもついていく。その間際に小さく俺のほうを向いて会釈した……ステラもだ。余人には決して観えない、精神体のみの姿でこちらに手を振っていた。

 

 聖剣の管理者と、それに見込まれた担い手。

 ある意味アドミニストレータ以上にも希少な存在、ミュトスとは異なる形で異世界の力をそのまま引き継いだ存在であるお二人に、俺は小声でエールを送った。

 

「頑張って、ステラ。神奈川さんも気をつけて」

『……はい。私の千尋とともに、果たすべき責務を果たします』

 

 ステラもまた、囁き程度の声でそれに応えて。

 そうして四人が部屋を出ようとした──ところ、逆に部屋に入ってくる一団があった。

 なんだ?

 

「いつまで油を売っているのですか。アンジェリーナ、ランレイ、千尋。あなた方には直接関係のない作戦のはずでしょう、ディフェンスに関しては」

 

 見ればそこには一人の女の子が、後ろに10人ほどの探査者を引き連れてゾロゾロとやってきていた。

 銀髪の、俺と同じくらいの年の女の子だ。装飾過多の白い帽子とローブにマントを身に纏い、錫杖を手にしたいかにも宗教家って感じの出で立ちだ。

 

 その表情は冷たく凍りつく無表情。ヴァールにも似ているが、それ以上に何か虚のようなものを感じさせる青い目が暗く煌めく。

 アンジェさんやランレイさん、神奈川さんと知り合いなんだろう。開口一番彼女達に話しかけたその女の子に、アンジェさんが唖然としてつぶやいた。

 

「シャルロット……あんた、私らを探してたの? いつもはさっさと行っちゃうくせに」

「シャルちゃん、とうとう私達と歩調を……!?」

「合わせません、誤解なきよう。ここに来たのはまた別用のためです」

 

 にべもなくランレイさんにも返す、その声音は涼やかを通り越して冷たい。

 シャルロット。その名は時折聞いていたものだ、まさかと思っていたけどこのタイミングでとは、噂をすれば影がさすってことかな?

 

 少女はそのままこちらへ向かってくる。正確には俺の隣、ヴァールめがけてだ。

 後ろの取り巻きさん方までもが無表情という異様な集団が、近づいてくるのはなんとも威圧感があるな。

 

 そして目の前で止まり、向き合う両頭。

 無表情の二人が視線を交わし、やがてヴァールがその名を告げた。

 

「シャルロット……シャルロット・モリガナ。ダンジョン聖教七代目、聖女のお出ましか」

「WSO統括理事ソフィア・チェーホワ様におかれましてはご機嫌麗しゅう。仰せの通り、当代聖女シャルロット・モリガナにてございます」

 

 ──ダンジョン聖教七代目聖女シャルロット・モリガナ。

 度々名前も上がっていた、おそらくはダンジョン聖教過激派との戦いにおいても重要な立ち位置にいるだろうその人こそが、目の前にいるこの少女であった。




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