攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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ここまで来て御堂に会わないとかないから(断言)

 思わぬダンジョン聖教の暴走はともかく、俺とリーベ、あとヴァールにマリーさんの四人はここ式典館にて待機となる。

 基本的にはすでに配置されている人達の邪魔になるのもよろしくないもんで、別途用意された控室に移動するのだ。

 

 まあ、モンスターからオペレータから果ては概念存在に至るまで、半径1km以内の存在は全部お見通しの千里眼山形くんだからね。控室にいても警備の真似事くらいはできる。

 ただヴァールとマリーさんは立場上、認定式にも出席しないといけないらしくてその準備もあるそうで。リーベもリーベで医療班の方々と連携する都合上、救護ブースにいとかなきゃいけないみたいだ。

 

 これって要するにボッチ山形くん爆誕なんですよね怖ぁ……

 他の人達が盛大にお忙しそうにされている中を一人、控室で呑気している俺ちゃん。気まずすぎてキツイわ、泣くぞ?

 何ができることはないかと焦ってヴァールに尋ねてみたところ、なんか呆れたふうに返されてしまった。

 

「あなたは我々にとって切札中の切札なのだから、どんと構えて待っていれば良いのだ。というか称号効果による広範囲の三重探知の時点で大助かりだ、通常の《気配感知》ではまるで届かない範囲の異常にも察知できる」

「いやでも、さすがに一人で控室に詰めっぱなしなのも気まずいと言いますか、他の人からして面白くないんじゃないかなーって……」

「ワタシが待機を命じている形になるのだから問題ない。そもそも個人協力の探査者はすべてワタシの管轄下だ、余人に口を挟まれる筋合いもないからな」

「個人探査者で文句つけてくるやつがもしいたらそれこそ、ソフィアさんなり私なりの名前を出しゃいいのさ公平ちゃん。ファファファ……ま、WSO統括理事の秘蔵っ子たるシャイニング山形に面と向かって喧嘩売るやつもなかなかいないだろうけどねえ」

「えぇ……?」

 

 いつの間に俺はソフィアさんの秘蔵っ子になっていたんだ? いやまあ、救世の光の動画に彼女とマリーさんが出演した時点でそういう噂が立つのも仕方ないと言えば仕方ないんだけれども。

 要するにあらゆる批判は権威で黙らす、天下無双の威を借る狐になれと仰ってくるお二人さん。たしかに問答無用の説得力なんだけど、それをやればやるほど俺個人の評判が下がっていくような気がしてならない。

 

 でもその度に伝道師やら使徒はじめ、信者の皆さんが場外乱闘始めるんだろうなあ……

 もはやその情景がありありと思い浮かぶ俺に、リーベはにこやかな笑顔で抱きついて言う。

 

「なんでしたらヴァールやマリーおばあちゃんについて行って、認定式の準備を見とけば良いんですよー! ミッチーにも会えますしお得、お得!」

「お得ってお前、いくらなんでもそれは通らないだろ。俺みたいなペーペーがなんの用でそんなところに紛れ込むんだよ」

 

 まさかの提案。認定式の準備って、それ普通にパンピー探査者俺ごときが入っちゃいけないやつじゃない?

 向こうにしてもお偉い方々やVIPさん達を想定しての超大真面目な準備だろうし。そんなところに、たとえ息を潜めての見学とはいえ基本的に無関係なやつが出向いたって迷惑かかるだけなんじゃないかなあ。

 

 そう思ったんだけど、ヴァールやマリーさん的にはそうでもないらしかった。

 何やら気づいたように軽く目を見開き、リーベの提案に応じている。

 

「む……その手があるな。後釜、良いアイデアだ」

「私とヴァールさんの護衛ってことにすりゃあ、そういう手もアリですねえ。香苗ちゃんの晴れ姿も拝めるし、なるほど一石二鳥たぁこのことかえ」

「でしょでしょー!? いやーかわいいかわいいリーベちゃんたらナイスアイディアー!!」

「良いのか!? まずくないですかねいろいろ!?」

 

 なんか乗り気なんだが!

 国連組織の統括理事と特別理事が揃って、秘蔵っ子とまで揶揄されてるような新米を連れて行くことに前向きでいる。リーベが褒められて舞い上がっている中、俺は思わず即ツッコミを入れてしまった。

 

 明らか場違いなところに突っ込まれるくらいなら俺は一人ぼっちの控室を選ぶよ。だって居た堪れないもの。

 そして静かに窓から外とか眺めながら、なんか変なやつ来たりしてないかなーとか思いつつ探査者やモンスター、概念存在の気配を探り続けるのだ。瞑想でもしつつ。

 

「というわけで僕のことはお構いなく……」

「いや、最初はそれで良いとワタシも思ったが後釜の提案を受けて気が変わった。ぜひとも一緒に来てくれ、あなたの今後のキャリアのためになる出会いもあるだろうしな」

「政治屋なんぞはどうでもいいが、S級やA級とかいろいろ来とるみたいだしね。公平ちゃんにライバル意識を抱いてる若いのもいるだろうから、ファファファ! こりゃ良い刺激になるさね。さあさ行こう行こう、しょーもない打ち合わせもこうなると楽しみになってきたよ!」

「ひえぇ……!」

 

 ついにはしゃぎだしたマリーさんに手を引かれる。ヴァールも何やら頼んでもない俺の探査者キャリアとか気にし始めるし、これはもはや断るに断れない流れですね本当にありがとうございます。

 ニコニコして俺の腕に組み付くリーベが可愛くも憎らしい。さりとてどうしようもなく、俺は感知だけ怠らないようにしつつも認定式の準備とやらを見させてもらうこととなった。




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