攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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遅れました!すみません!


どんどん御堂が誤解されていく!

 日本出身のS級探査者、最上さんと里見さんが俺を見ている。

 何やら俺の異質性を感じ取って高く評価してくださっているんだけれど、ソフィアさんや香苗さんが俺を囲っているみたいに仰るものだから、どうにも反応に困る話だ。

 

 たしかに諸々の都合や関係から、本来であれば雲の上の人であろう偉人達からずいぶん特別扱いされてるのは事実だ。

 だからそういうふうに言われても仕方ないところではあるものの……さりとて囲われるとまではいかない気もするんだよね。

 

 少なくとも俺自身の認識としてはめちゃくちゃ自由にやらせてもらっているし、普段の生活からして誰かに制限された覚えもない。

 ソフィアさんっていうかヴァールもそこについては思うところは一緒のようで、微笑みのまま、いかにも不服そうに最上さん達へと話しかけてくれる。

 

「山形様には、様々な点でご助力いただいたことは事実です。そういう意味では巷で言うところの、秘蔵っ子扱いというのもしているところはあるのでしょうが……囲っている、というのはいささか語弊がありますね。彼はあくまで協力者です」

「デビューから半年でここまで大成した若手なんて前代未聞なんだ、訝しみたくなる気持ちも分かるけどね。つってもまあ、WSOにとっては今ソフィアさんが言った以上の関係性でもないよ。香苗ちゃんについては説明が面倒だし、それこそ本人に聞きなよ」

「それは我々にその、噂に聞く伝道とやらを受けろと……?」

「ファファファ〜」

 

 えぇ……ヴァールはともかくマリーさん、盛大にそっぽ向いて笑うじゃん。WSO特別理事としてソフィアさんの立ち位置と俺との関係性を説明してくれたまでは良いものの、香苗さんについては事実上ノータッチである。

 まあ説明するのも難しいもんな。あの伝道師ぶりを過不足なく言って聞かせるなんてのは割と至難の業だよ、それこそ本人にしかできないほどに。

 

 しかしてその本人に説明してもらうとなると、ほぼ確実に伝道がセットでついてくるときた。

 伝道師としての香苗さんの噂は最上さんもご存知なのだろう、顔を幾分ひきつらせているな。

 

 里見さんはもっと大きな反応を示しており、いかにも嫌ですと言わんばかりに首を大きく左右に振って、自分の弟子である横山さんを見た。

 えっ俺!? ってなってる彼の肩に手を置き、おずおずと尋ねる。

 

「横山よ。御堂の伝道とやら、動画でいくつか確認したけど実際のところどうなんだ? あの映像の通り、とんでもねー代物なのか!?」

「し、師匠……ま、まあそうですね。おそらくご想像のとおりです」

「なんならアレよりスゴいですよ、リアルで見るカナちゃんって。私らも同じパーティですから頻繁に伝道を食らってますからよーく分かりますもん。ねっ、鈴木!」

 

 どうやら弟子とその友人、ひいては噂の伝道師ともパーティメンバーである若者達から、伝道師の伝道がどこまで本気かってのを聞いておきたいみたいだ。

 知ると知らないのとでは大違いだからね、気持ちはよーく分かるよ。

 

 とまあそんなふうにして、どう答えても質問を投げた側も受けた側もダメージを負うという瀬戸際に立たされた横山さん、御陵さん鈴木さん。

 さすがというべきかこちらのほうは、まるでいつも通りで非常にフレンドリーかつ軽妙なやり取りを披露してくれていた。戸惑いながらも答える横山さんに、あっけらかんと答えた御陵さんと。

 

 そしてもう一人。腕組みをしながらうんうんとうなずき、ほか二人に賛同した鈴木さんだ。

 特に彼は軽い口調で、S級二人に香苗さんの伝道についてコメントしていく。

 

「そりゃなあ。あれはヤバいっすよ最上さん、里見さん。聞いていて俺等まで変な信仰に目覚めかけたほどなんですから」

「おいおい……」

「不思議と熱が伝わってくる語り口なんすよね、早口でめちゃくちゃ長いんすけど。でも明朗に語るから言葉の意味は分かっちゃう、的な? とにかくすげー呑まれちまうんすよね、ある種のカリスマに」

「分かる。御堂がどれだけ山形くんのことを本気で信じているかが、知りたくもないのに全力で伝わって来る感じだよな」

「それほどの影響力、カリスマ性を持つのか、新たなるS級は……」

 

 感嘆とも恐れともつかない唸り声をあげる最上さん。里見さんもゴクリと息を呑んでいて、その二人の姿に俺とヴァールは微妙な表情をして顔を見合わせた。

 誤解のようで誤解でない、いやでもやっぱ誤解じゃないかなこれ!? みたいな香苗さんのイメージがこの人達の中で固まりつつある気がしてならない。

 

 新進気鋭のS級探査者にして新興宗教の教祖として、口先一つで人々を魅了し従わせる話術とカリスマ性を持つ妖艶なる魔女──みたいな。

 そんないかにも敵役みたいな印象を、最上さん達は抱いているのではないかと思ってしまうのだ。

 

 もちろん本当の香苗さんはそんな感じでは全然ないんだけれども、パーティメンバーのはずの横山さんや鈴木さんまでもそんな印象持ってそうだし。

 たぶんアレだな、"氷姫"とかいってクールすぎた期間が長かったんで、素の香苗さんが表出してもこれまでとのギャップでいまいち把握できてないんだろう。

 

 そう思うとつくづく考えるんだけど、誰にとっても突然だったんだなあ、俺と香苗さんの出会いって。

 なんだかしみじみと、半年前の過去に想いを馳せてしまうよ。




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