攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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やけにヘリコプターが多く行き交う空を見上げて(フラグ)

 S級探査者の最上和之介さんと里見悟さん、香苗さんのパーティメンバー横山さんに御陵さんに鈴木さんが挨拶しに来るなど、予定外のイベントはあったものの。

 それ以降は特に何もないままに16時を迎えた。そろそろヴァールとマリーさんは式典会場に移動して、17時からはじまる探査者認定式に備える頃合いだ。

 

 ここから先、二人は式典に参加して俺はその間、ひたすら控室にこもって待機と監視を行うこととなる。

 何かあればヴァールが、式典中であってもメッセージのやり取りをできるようスマートフォンを握ってくれているみたいだ。軽く確認メッセージを送り合いながら、最後の確認を行う。

 

「さて、それでは向かうとするが……山形公平、あなたは引き続き不審な存在が近くに現れたりしていないかの監視を頼む。何かあればワタシのスマートフォンにメッセージをくれ、いつでも対応できる」

「分かった。その上でお前からの指示を仰ぐよ」

「くれぐれも一人でどうにかしようなんて考えちゃ駄目だよ公平ちゃん。近くにゃ山ほど仲間がいること、忘れないようにね」

「はい。分かりました、マリーさん」

 

 部屋から出る二人を見送る間際、そんな軽いやり取りをする。

 ヴァールはともかくマリーさん、俺がなんでも一人でやろうとしてるように見えてるのかな。親元に帰った際、偽りの神の器を相手になんでも抱え込もうとしかけたのをバッチリ覚えられてるみたいだ。

 

 もちろん今回はそんなことはしない。仲間がいるし、各所に配置されている警護の方々を信じているからね。

 そもそも今回はマジで助っ人さん的立ち位置として自らを定めている。俺の相手はあくまでもミュトスの権能、サークルやダンジョン聖教過激派の相手はできうる限り現世側に任せたいとは思っているのだ。

 

 二人がいなくなった後、手持ち無沙汰のままに窓から外を見る。巨大な庭園を臨む景色はまだまだ明るく、そしてSPの探査者があちこち警戒しているね。

 警戒してもし足りない相手。このまま何ごとも無ければいいとは思うけど、なかなかそうもいかないだろう。

 

 必ず仕掛けてくる。敵の動きを少しでも早く察知するために、俺も感知を怠らないようにしないとな。

 オペレータ、モンスター、概念存在。三者の気配を半径1km以内で具に確認しながらも、俺は真っ青な空を見上げた。

 

「…………やたらヘリ多いけど、やっぱり式典を映してるのかなあ」

 

 雲一つない空。だからこそ、いくらか飛び交うヘリコプターの様子が微妙に目に付く。あと音もね。

 マスコミが空から、この施設を見下ろす形でカメラに撮っているのだろう。全国中継かな? もしかしたら今も生放送で映してるかも。

 

 たしか今回の式典は、マスコミも入ってるんだけど数は少なかったはずだ。

 サークルにダンジョン聖教過激派と、あからさまに襲撃を仕掛けてきそうな連中がいるわけだからね。完全規制は無理にしろ、大幅な人員制限は行ったとかヴァールも言っていた。

 

 とはいえ今回、この式典はさっきも言ったけど日本にとって大きな意義と価値のあるものらしいからね。マスコミもそう言われてもハイ分かりましたとはしたくないのだろう。

 だから、せめて空からでも撮影したいって感じかもしれない。ヘリなら何かあってもすぐに離脱できるしね。

 

「と言っても、あんまり飛び回られるのもちょっと気が散るところはあるかもなあ」

『空を飛ぶ機械……文明が発達したこの世界ならではなんだけど、どうにもうるさいよね。ていうかこんな式典を撮影して何が楽しいんだ? どうせなら美味しいグルメでも映しておけば良いんだよ、そしたらそれを見た僕が公平に食べに行かせられるからさ。そっちのがよっぽど有意義だよ』

「えぇ……?」

 

 ふとこぼした言葉に乗っかって、我が脳内のアルマさんがしれっとぶっちゃける。

 相変わらず食うことしか考えていない様子なんだけど、こいつテレビを見て気に入った料理とかがあったら俺に食いにいけと喚くんだよね、たまに……

 

 もちろんリクエストに応えられなくはないし、近場とかなら言われるがままにお店に行ってみてもいいんだけども。

 こいつの場合、あまり甘やかしていると調子に乗って要求がエスカレートしそうなんだよなあ。

 

 お金あるし移動も空間転移ですぐだし良いだろ、的な論法でハワイとかにでも行って本場のグルメを食べに行けとか言いかねない。普通に密入国でお縄である。

 そうでなくとも神魔終焉結界を使ってまで応えるべきとは思えないので、あまり乗り気になれない俺ちゃんだ。

 

『チッ、ケチんぼめ……』

「お前の要求に一々全部応えてやるわけには行かないって話だよ。大体、いつも毎日三食おいしいご飯をいただいてるだろ? 嫌か? 母ちゃんの作る料理」

『嫌じゃないけどそれはそれ、これはこれだろ。ご家庭の味も良いけどね、僕は高級でボリューミーで味わい深い料理も好みなんだ。その点言えば昨日の昼のステーキは素晴らしかった。あれはまた食べろよ滞在中に。食べなかったら深夜中騒がしいからな』

「怖ぁ……」

 

 贅沢なやつだよまったく。まあ昨日のステーキについては同感だけど。

 あれは本当に美味かった、マジで感動した。なのでホテルに戻ったらもう一回食べたいな〜とは俺も思うよ。




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