攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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人だけは殺さない山形くんビームかよ!?

「公平さん! 来てくれたの!?」

「ハッハッハー。ヤッホー公平さん、なんかすごいことになってるねー」

 

 一瞬でこの場にいたサークルおよびダンジョン聖教過激派の構成員達を一網打尽にして、仲間達が俺のところに駆け寄ってきた。

 リンちゃんにサウダーデさん、エリスさんに葵さん。倶楽部との戦いからこっち、いやリンちゃんに至っては邪悪なる思念との戦いからずっとお世話になっている、心強い友人達だ。

 

 倒れた敵を、おまわりさん達が速やかに捕縛すべく駆けるのを尻目に俺もまたうなずき、彼ら彼女らに答えた。

 

「お見事です、みなさん。まさか初手から切札を切ってくるとは思いませんでした。ミュトスの権能、やつらはウーロゴスなどと呼称しているようですが」

「ウーロゴス、か……想像をはるかに超えるスケールだ。それもまさか二体もいるなど」

「一体目が身動き取れてないのはたぶん公平くんの力なんでしょうけど、二体目についてはアレ、今戦ってるのがもしかして?」

「ええ、ミュトスです。ウーロゴスの本来の持ち主で、正真正銘異界からの来訪者ですよ」

 

 やはりウーロゴスの威容とサイズの大きさには、歴戦のこの人達も面食らわざるを得ないみたいだ。

 すぐ近くに立ち尽くす、俺によって封印拘束された一体目を見上げてつぶやいている。

 

 一方でミュトスが相手しているニ体目はというと、こちらは健在ゆえにいくらか腕を振り回して目の前の彼女に攻撃を仕掛けているみたいだけれど、身軽に飛び跳ねる軽快な動きの前に翻弄されっぱなしだ。

 戦闘用の精霊知能として作り変えられただけあって、戦いに際してのセンスは抜群だな。例のスキル《イミタティオ・トリニタス・コスモス》を未だ使ってないのは、アレが基本的に一撃こっきりの技で、打てばしばらく再使用までに時間がかかるってリスクを懸念してのことなんだろう。

 

 すなわち今は敵の観察に徹しているわけだな。

 彼女のサポートはそれこそ俺にしかできまい。俺はミュトスのすぐそばにワームホールを開き、腕を突っ込んで呼びかけた。

 

「──ミュトス!」

「! コマ、コマ〜じゃないや山形公平様!?」

「すぐに助太刀するけど、その前に脇に抱えているローブ姿をこっちに! 地上の警察に引き渡すから!」

「合点承知の助! ヘイパース!」

 

 まずは何をおいても、ウーロゴスを召喚したオペレータ二名の引き渡しだ。間違いなく何かしら重要な情報を担っているし、何よりいつまでもこんなの抱えて戦線にいられないからね。

 というわけで催促したらミュトスちゃん、まるでラグビーボールのように両腕でローブ姿の男だか女だかを横抱きにして投げつけてきた。危なっ、怖ぁ……問題なく拾うけどさ。

 

 そのまま地上へと引きずり下ろして、さてこれで召喚士二人とも確保と。

 近くで見ると、揃って25歳くらいのお兄さんお姉さんと意外に若い。気を失いつつも顔をしかめて何やら呻いているけど、悪夢でも見ているのかな。

 訝しみつつエリスさんに引き渡す。

 

「どういう経緯でダンジョン聖教過激派に与したんだかなあ……エリスさん、この二人の確保と警察への引き渡しをお願いしていいですか?」

「もちろん! 他の連中も一斉検挙できたし、ここから私達は外側に向かってドンドン反撃していくけど……公平さんは?」

「もちろん、ミュトスの支援に。二体もウーロゴスがいるんで、彼女一人だとさすがに手が足りないかもですし」

「悔しいけど、私達空飛べないからあのデカブツ、相手にしきれない。あっちはよろしくお願いします、公平さん」

「まかせて。みなさんも、ご武運を祈ります!!」

 

 エリスさんやリンちゃんの言葉に応じつつ、俺は上空を見上げた。未だ二体目のウーロゴスは腕を乱雑に振り回すばかりだが、よく見ると顔? めいた部分に少しずつエネルギーが収束していってるのが遠くからだとよく分かる。

 なんか嫌な予感だ、割って入らないとヤバそう。というわけで挨拶もそこそこに俺は再度ワームホールを開き、はるか上空のミュトスへと合流を図った。

 

「くっ! こんのぉっ!! ……どひー! デカくて適当だから読みづらいー! せめて懐に潜れたら、たはーっ!!」

「────ミュトス! 助太刀する!!」

 

 敵のあまりの大きさと、本能のままに攻撃してくるがゆえの読みづらさ。それらに翻弄されて倒れないまでも攻めあぐねているミュトスへ、俺はすかさず前に出てウーロゴスの攻撃を受け止めた。

 ズン、と鈍い音が響き渡る。かなりの衝撃だ、さすがに神の権能なだけはあるな。

 

 だがしかし、この程度で俺を退けられると思われても困る!

 俺は巨大な敵の腕、質量こそあるものの実体のないという、重量のある煙とでも言うべき不思議な感覚のそれを握り掴む。そして大きく振りかぶる、右腕。

 

「元よりお前にこの世界との因果はない。ゆえに俺ではお前を倒しきれない」

『────』

「だが、削るところまでならできる……! ずいぶんとおかしなことになっているその体内、何を隠しているか拝ませてもらおうっ!!」

 

 召喚士が無力化されてなお独立している召喚体。その時点でいろいろおかしいのだ。

 何かまだギミックがある。ならばそれは間違いなくやつの体内に仕込まれているはずだ! まずは確認してから、ミュトスという切札を切るタイミングを測るとするか!

 

 《誰もが安らげる世界のために》、極限倍率……はミュトスがいるから出せないので1万倍。からの《あまねく命の明日のために》。

 体内に何が仕込まれていても良いように生命体に影響のないビームを、右拳に一点集中!

 

「見せてもらうぞ、ダンジョン聖教過激派! お前達が一体、何をしでかしたのかをなっ!」

 

 叫びとともに拳を振り抜く。空中でただ、拳を突き出す動作──

 けれどそこから放たれた白熱の閃光は、迸る光とともにウーロゴスを直撃した!




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