攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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これまでの輪廻の旅は……彼にとって生の映画を見ているようなモンだよ……

 見事、三体目のウーロゴスをも撃破しその力を取り戻した我らが新鋭精霊知能ミュトス。

 魔天形態を解きつつもこちらに戻ってきた彼女は、一部始終を見ていた人々からも万雷の拍手とともに迎え入れられ、まさかの反応に驚くこととなった。

 

「うわあーっ! 女神様ーっ!」

「こっち向いてくださーい! ぜひともコメントとポーズをー! こちら全国中継生放送でーす!!」

「ひ、ひえぇーっ!? な、な、なんぞよく分かりませんが人気者!? ど、ど、どうしたらいいでせうかコマもとーい! 山形様!?」

「とりあえず俺はカメラに映らないように離れてますね……」

「シャイニングもといシャイ!? 山形様ー!?」

 

 そもそもの見目麗しさに鮮やかな手際、謎ながらとてつもない力。そのすべてが彼女の魅力に直結した形になるのだろう、一躍人気者のようで俺もなんだか鼻が高いよ。

 なのでそそくさと俺は彼女から離れてヴァールとマリーさんの後ろに隠れた。さっき上空でのやり取りですでに全国中継食らってるっぽいんですよね俺。さすがに二度目は勘弁っていうかァ……陰キャにはコレ以上はマジムリっていうかァ……

 

 哀れ一人ぽつねんと取り残されたミュトスだけれど、彼女の場合元からして根が明るくて陽気だからね。

 すぐに気持ちを切り替えたのか、ニッコリ笑顔でピースサインなんかしちゃってテレビの向こうのお茶の間に愛想を振りまき始めた。

 

 ああ、これは人気出ますね。なんならガチ恋勢だって相当生まれますよこれ。怖ぁ……一発でアイドルじゃん。

 まさかのアイドル配信探査者にもなれちゃいそうな可能性の塊ことミュトスを遠くから生暖かく見守っていると、何やらスーツ姿のお偉いさんも彼女を評価しているのが耳に入った。

 なんぞや?

 

「素晴らしい!! なんという強さ、美しさ! 彼女の名はたしかミュトスといったな、ぜひとも政府としても表彰したいものだ!」

「しかし首相。彼女は見る限りチェーホワ統括理事やフランソワ特別理事と懇意な様子。というより厳密にはシャイニング山形や御堂香苗を通じてという感じはしますが……例のカルトとこれ以上関係を持つのはまずいかと」

「何を言うかね大臣くん! 国家的イベントをテロリストから護った女神が如き彼女の姿は、当然ながらテレビ中継だってされているだろう? だったら大丈夫! 先程マスコミを護ったシャイニングくんや本日の主役たる御堂氏も併せ、国民的英雄として幅広い層に受け入れられるだろうともさ!」

「そ、そうですかねえ……?」

「えぇ……?」

 

 これには俺ちゃんもビックリだ、よく見たらそのスーツ姿のおじさん達、テレビニュースでちょくちょく見かける内閣総理大臣さんとナントカ大臣さんなんだもの。

 言うまでもなく超VIPだよ、そんな方々がミュトスに魅了されて早口で興奮しちゃったりそれに困惑したりしている。どんだけ?

 

 さすがはかつて異世界の女神だけあって、魅力がすさまじいとかそういうアレか? 権能とかなのかな、見たものすべてを魅了する的な。

 というか総理、総理! お願いですから俺を巻き込まないでいただきたい、総理! 泣く子も惚れる美女二人はともかく光って空飛ぶ不審探査者シャイニング山形が国民的英雄とかなんの冗談ですか、総理!?

 

「怖ぁ……」

「諦めろ山形公平。いよいよあなたの名が世界に轟く時が来たということだ。はっきり言って遅かれ早かれの話でしかない」

「今でさえS級専用のコミュニティじゃ公平ちゃんに目をつけてるやつも多いからねえ。アラン・エルミードだのアイオーン……ロナルド・エミールだのビアンカ・ヌー・ハーデルトだの。他にも枚挙に暇がないよ、ファファファ! 人気者だねえ」

「怖ぁ……」

 

 ずいぶん気軽に言われちゃってるけど、つまりはS級探査者界隈にも変に名前が一人歩きしてるってことじゃないのかなあそれは。

 別に名前なんて轟かなくて良いんだって。もう余生モードというか、あとはモンスターの浄化に一生を費やしつつ適度にプライベートを恙無く過ごせればいいだけの人生なはずなのに、どうしてこうと悪目立ちしてしまうのか。

 

 でも人生っていうか命の歩みって割とこういうモノだよね……などと、これまで転生してきたいろんな生物としての記録を思い返して遠い目になる俺ちゃん。

 人間だけじゃなかったからな……食物連鎖の上から下まで割と網羅したよ。もちろん実感はないから、映画を見るみたいな感覚でしかないけれどもさ。

 

「どんな命も、望む方向に進みはしても望んだ地点に辿り着けるかは別の話なんだなあ……」

「急にどうしたんだ、シャイニングくんは……」

「さあ……彼も彼なりにいろいろあるんだとは思いますが」

 

 しみじみと想いに耽るとセーデルグレンさんや愛知さんがヒソヒソ話をし始めてしまった。いけないいけない、今はこんなことしてる場合じゃないのだ。

 ともあれウーロゴスは倒したし、少なくとも四体目以降が来てもミュトスなり俺なりで対処はできるだろう。水上のほうも依然、ベナウィさんの《極限極光魔法》が時折炸裂しているようだしまあ問題はない。

 

 となると今度気になるのは地上戦を展開している都市部だな。

 余裕があるなら今度はそちらを見てみるか……




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