攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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"真実"への鍵を持つS級

 空を滑走するかのように駆け出した八本足の軍馬、スレイプニル。

 北欧神話の最高神、オーディンの僕らしいのだけれど、つまりは元々の飼い主というか持ち主というかは織田ってことになる。

 

 うーむ、知り合いの馬が立派すぎる……大きいし足八本あるし空とか飛ぶし、ちょっとカッコよすぎないか?

 中二心が若干くすぐられるのを感じながらも軍馬の背に立つ俺ちゃん。そうしていると同じく立って乗っている愛知さんがこちらを見、申しわけなさそうに話しかけてきた。

 

「シャイニングさん、すまない。君一人のほうがおそらくは現場にたどり着くのは早いとは思うのだけど……協力者が欲しくて誘う形になった。アンドヴァリが相手方にいる場合、私一人だと手に負えないかもしれないから」

「S級ですからね、向こうも。こちらとしても頼らせてもらえるのは心強く思いますし、ありがたい申し出でした」

「そう言ってもらえると助かるよ」

 

 微笑む愛知さんの、懸念はつまるところアンドヴァリが強すぎるところに集約されていた。

 昨日の会議でWSOの探査者データベースにあったステータスを見させてもらったわけだけど、あまりにも強すぎた……あのベナウィさんともさしてレベルが違わない、正真正銘のS級探査者だったのだ。

 

 

 名前 アレクサンドラ・ハイネン レベル881 S級

 称号 聖女

 スキル

 名称 土魔導

 名称 風魔導

 名称 頑健

 名称 超再生

 名称 威圧

 名称 気配感知

 

 

 たしかこんなだったか。かくのごとく、レベルが900近いという異常事態が発生している。なんでこんなのがテロ屋やるんだ、結構本気でふざけるなと言いたい。

 紛れもなくトップクラスの探査者の一人だろう。四桁レベルまでは到達してなさそうなのがせめてもの気休めかな? 同じ元聖女ってカテゴリでも、エリスさんのほうが倍近くもレベルは上だし。

 

 で、こんな極まってる輩が相手になるわけだから愛知さんが一人での行動を不安に思うのも当然の話だ。

 この人のステータスやレベルは分からないけど、去年S級になったというならレベル的にも経験的にもアンドヴァリには及ばない可能性は高い。

 

 いくら召喚で相当高位のモノを喚び出せるとは言っても、本体たる愛知さん狙いで来られたら普通に押し負けかねないだろうしね。

 《土魔導》に《風魔導》と、範囲攻撃できちゃいそうなスキルも充実してるから周囲一帯まとめて一掃……なんてこともしかねないのが恐ろしいよ。

 

 そうした事情もありなるほどとうなずく俺に、愛知さんはご自身の探査者証明書を渡してきた。

 戸惑う俺に、構わず疾走するスレイプニルの上で仁王立ちしながら彼女は言う。

 

「共闘する以上は一応だが見せておくよ、私の探査者証明書だ。ああ、君のは見せてもらわなくて良い……話を聞くに名前からでは効果が判別できない名前のスキルが目白押しのようだから。レベルと、戦闘スタイルだけ教えてもらえれば対応する」

「ぐうの音も出ない……! あ、拝見いたしますー」

 

 怖ぁ……俺だけスキルがやたらポエミーなのバレてるって! 見てもなんの参考にもならないのバレてるし!

 なんなら称号欄ですら今現在は非記載申請済みのためお見せしてないからね。正真正銘、名前とレベルと級の記載がメインの怪文書カードみたいな代物になっているのは自分自身でさえも認めるしかないところだ。

 

 正論オブ正論な愛知さんに恐縮しつつ、俺は証明書を覗き込んだ。

 どれどれ?

 

 

 名前 愛知九葉 レベル769 S級

 称号 召喚士

 スキル

 名称 召喚

 名称 気配感知

 名称 連鎖顕現

 名称 アストラルセンス

 

 称号 召喚士

 効果 召喚条件の一つを無視できる

 

 スキル

 名称 連鎖顕現

 効果 召喚した存在に縁ある存在を追加で呼び出す

 

 名称 アストラルセンス

 効果 最大召喚可能条件数が一つ増える

 

 

「怖ぁ……」

 

 まず、何よりも目についたのがスキル《アストラルセンス》だ。まさかこんなのまで持っているなんて、正直思ってもいなかった。

 なんでこのスキルに注目したかって言うと、このスキルには保持者たる愛知さんさえ知らないだろう、とある隠し効果があるからなんだよね。

 

 現状では隠し効果のほうは絶対機能しないからぶっちゃけるけど、このスキルは実のところ《特定条件下で使用することでワールドプロセッサに正規ルートで謁見できる》効果を持つ能力でもあるのだ。

 以前、少しだけ触れた気もするけど現世には救済措置というかイースターエッグ的に何通りかのパターン、システム領域へ向かうための正規ルートがあったりするんだけど……《アストラルセンス》はその一つなんだね。

 

 たしか、他にはスキルじゃなくアイテムとして"マテリアルゲートキー"とか"スピリチュアルメモリー"なんてのもあったか。

 そのへんは失われて久しいけれど、スキルとして誰しもに与えられる可能性がある分、《アストラルセンス》は現存する唯一と言って良い正規ルートかもしれなかった。

 

 ちなみにこのスキルの表側の効果、最大召喚可能条件数を一つ増やすほうも地味に結構ヤバい。

 何がヤバいって極まった召喚士が併用することで、下手すると精霊知能まで喚び出せる可能性があったりするのだ。

 

 たしか普通の召喚スキルでの最大召喚可能条件数が8つだったと思うんだけど、《アストラルセンス》の上記効果で一枠増加で事実上、召喚条件を9個満たせばそこまでいけるんだったかな?

 まあその条件ってのがそれなりにデタラメだったはずだから愛知さんでも喚び出せないだろうけど、とにかくそういうヤバいスキルを彼女はすでに手にしているってことだった。




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