攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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SAINT in the BIRDCAGE

 ついに見つけたアンドヴァリらしき女、シャルロットさん、そしてアンジェさんチームのみなさん! なんで前線からここまで離れたところなのかは分からないけど、修羅場一歩手前で間に合ったのは良かった!

 

「ワイバーン一体だと荷が重いな! スレイプニル、真っ直ぐ駆けてくれ! この際両者の間に割り込む形でいい!」

『────────!!』

「戦闘が始まっていたらまだしも、今このタイミングならこうするしかないか……愛知さん!」

「しっかり捕まって振り落とされないようにな、シャイニングさん! ──行けえっ!!」

 

 S級探査者とA級トップランカーチームの睨み合いに、おそらくはA級相当だろうワイバーンが単体で横槍をいれるのはさすがに無理がある。

 なので愛知さんはすぐさまスレイプニルにも一直線に駆け抜けるよう指示を出した。どのみち戦闘も始まってない今、ひとまずはアンジェさんチームに合流するほうが乱戦を防げて良いだろうしね。

 

 瞬間的にトップスピードだろう、これまでよりも数段ギアを上げて加速する軍馬が、嘶いて自然公園へと殴り込む。

 激しい雷さえも巻き上げてのまさしく乱入だ……これには敵も味方も関係なしに、揃って驚愕の声をあげていた!

 

「な、何よいきなりっ!? これ、モンスター!?」

「奇襲だと!? それも馬に、ドラゴン!?」

「アンドヴァリ様! お下がりを、何者かの闖入です!!」

「サークルのモンスターか!?」

「違う! そっちの、過激派のモンスターじゃないのか!!」

 

 怖ぁ……阿鼻叫喚。

 アンジェさんチームもダンジョン聖教過激派もサークルらしい連中も、いきなり空から現れたスレイプニルとワイバーンに面食らい、互いに相手の増援かと訝しんで慌てふためいている。

 

 特に過激派とサークル、両者がお互いに疑って言い合っているのはちょっと気になるところだ。こいつら、あまり信頼しあえてないのか?

 ちゃんと連携できているならまずお互いに察し合い、最低限闖入者が味方ではないという見解で一致してもおかしくないだろうに。それをこうまで揉めるのは単純にあまり仲良くなさそうな気配を感じさせるところだよ、貴重な情報だ。

 

 ────そして。

 この阿鼻叫喚の中でも躊躇なく動いた二人、いや三人にも俺は感心というか感嘆の思いを向けた。

 

「今だ……っ! ステラ、やるぞ!」

『分かった、千尋! スキル発動、《聖剣》!! 一時権限譲渡対象、神奈川千尋!!』

 

 異世界の概念存在殺しとも言うべき武装、聖剣をスキルの形で保持している精霊知能ステラとその相方、神奈川千尋さん。

 彼と彼女はこの混乱にも一切動じずすぐさま動いた。神奈川さんが駆け出すとともにステラが己のスキル《聖剣》を発動。顕現させた物体を彼に渡し、同時に己のオペレータとしてのステータスをも一時的に譲渡したのだ。

 

 瞬間、神奈川さんの手に収まる聖剣──初めて見るな、アレか異世界の武装は!

 真っ白な刀身はまさしく純白、薄暗くなってきた空も気にせず眩いばかりの光を放つある種の美しさがある。それでいて鋭い切っ先は切れ味の良さを伺わせるものだ。

 

 その長さは概ね1mほどか、ロングソードとしては長めだな。柄の部分の装飾が結構ごっちゃりしていて、持ち手を守るナックルガードめいてさえいる凝った見た目をしていた。

 一言で言えば実用性重視の芸術品って印象だな。

 

 これが聖剣。

 今現在、現世では神奈川千尋さんにのみ扱うことができる対概念存在用の切り札か。

 彼はそのまま敵に突っ込んだ。狙いはサークルの者らしき、私服の男だ!

 

「瀬川ァッ!! テメェはここで引っ捕らえるっ!!」

「っ、神奈川!! あなたはまだ、性懲りもなくっ!!」

「百回やられても最後に勝ちゃ俺の勝ちだからな! 性懲りなんぞするわけねぇんだよっ!!」

『やっちゃえ千尋! ズルするヤツなんてぶっ飛ばしちゃってー!!』

「半透明の女も、相変わらず厄介なっ……!!」

 

 その男、話に聞く瀬川聡太らしき者に斬りかかる。敵もすぐさま刀を振るい斬撃を受け止め、そのまま鍔迫り合いが始まった。

 半透明のステラが神奈川さんにエールを送りながら戦う、精神的には二人vs一人の構図だ。

 

 たしか相手は悪魔憑きの、アンジェさん達でも貫通できない謎バリアを持つんだったか。

 俺としてもギミックが気になるから観察しておきたいところだけれど、まずはスレイプニルから降りてアンジェさん達と合流しないとな。

 

 ……眼下、もう一人。

 一切迷いも惑いも淀みさえなく動いているもう一人、シャルロット・モリガナさんの行動を見届けてからだけどね。

 

「《光魔導》────」

「っ、シャイニングさん、一旦スレイプニル上で待機だ。来るぞ、範囲攻撃だな」

「ええ。まさしく一網打尽にするつもりですね」

 

 愛知さんも危険を予感して、俺に警告してきてくれた。

 そう。ダンジョン聖教七代目聖女その人は、驚くべき平常心でもって突然のスレイプニルやワイバーンの乱入にも何一つ動揺なく、己のスキルを発動し始めていたんだ。

 

 奇しくもそれは香苗さんと同じスキル《光魔導》。

 しかしてその心を反映して発現する現象はまるで異なる──虹でない、あれは、鳥籠?

 ダンジョン聖教過激派の一団を、サークルなど眼中にないとばかりにピンポイントに囲むように形成した巨大なソレとともに、シャルロットさんは厳かに宣言した。

 

「──バードケージ・プリズンサジタリウス。神敵滅ぶべし。この世に汝ら不要なり」

 

 次の瞬間、彼女の技が炸裂した。

 鳥籠、バードケージの中。どこからともなく光の矢が敵に向かって、爆撃同然に放たれたのだ!




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