攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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三姉妹+親戚のお姉さん、みたいな精霊知能達

 部屋のリビングに招く、早朝から訪れてきた精霊知能三姉妹とミュトス。

 ソファに座ってもらって俺は、備え付けの巨大冷蔵庫に入ってあったオレンジジュースを人数分、コップに用意して机に置いた。対面になるよう向かいのソファに座り、軽く喉を潤す。

 

 濃厚な果汁味わい……これまたお高いやつでしょって思わず内心にてつぶやく。

 どうも何もかもがブルジョアすぎて怖いよこのホテル。思えば昨日のディナーもフルコースかな? ってくらい洒落てて美味しいものが次々出てきたし。

 

 

『ディナーは素晴らしかったねえ……特にメインディッシュのロブスターとかステーキが最高だった。肉厚で甘みのある身の部分は齧り付くことそのものに背徳的な魅力があったし、分厚いステーキにナイフやフォークを差し込んで切り分ける時のワクワク感と来たら! それでいて肉質も最高で噛む前に舌の上で解れていく感覚もそんじょそこらじゃ味わえない極上体験だ。最高だよこのホテル。なあ公平、週に一回、土日はここで過ごそうよお金的にはまったく困らないだろ? なあ』

 

 

 たしかにめちゃくちゃ美味かったけど週一ペースでなんて来れるか、いくら金持ってたってそんな使い方したくないわバーカ!

 脳内アルマさんが感動を抑えようともせずペラペラ語る。よっぽど美味しかったからかリピーターになる気満々である。

 

 そりゃ俺だって、毎日とは言わないけど時折あんな食事にありつけたらすごく素敵だろうなあ、と思わなくもない。ないんだけど同時に、こういう機会は滅多にないからこその感動でもあるんじゃないかなーとは思うのだ。

 早い話、慣れるとなんでもなくなっちゃいそうでそれはそれで善し悪しだよねって。一般ピープル山形くんの庶民派センス的には、そうだなあ数年に一回くらいの頻度でありつけたら僥倖、くらいの感覚だと俺の今の生活スタイルに合ってるのかもなーってして感じはするよ。

 

 さて、そんな話はさておいて。

 同じくオレンジジュースを呑んでいた彼女らに、俺は切り出した。

 

「……それで、何かあったの? こんな早朝から訪ねてくるなんて、普通のことじゃなさそうだけど」

「ああ、うむ。昨日も言ったが今日は朝から全体会議を行い、認定式防衛戦の顛末を報告する場を設けることとなる。その前にあなたとだけは、事前に打ち合わせておく必要があると精霊知能としての立場から判断してな」

「打ち合わせ? リーベにシャーリヒッタ、それにミュトスも交えてか」

「いや、本来は他三人まで……来る必要はなかったのだが」

 

 当たり前だけど何やらお仕事方面で大切な話があったからここへ来た模様。なんだけどそれはあくまでヴァールだけみたいで、他の精霊知能三人については特に同行する必要もなかったみたいだ。

 嘆息混じりにつぶやくヴァール。そんな彼女を、左右を固めるリーベとシャーリヒッタがニヤニヤ笑いながら続けて言った。

 

「リーベちゃんとシャーリヒッタは付き添いでーす! 昨日はなんやかやこの四人で寝てたんですけどー、なんかヴァールだけすっごい早起きしたものですからー」

「なんだなんだァ? って聞いたらコマンドプロンプトにちょっと話があるってんで、だったらオレ達も行くぜ! ってなりました! 昨日はお互い疲れてましたし夜も更けてましたけど、本当は父様ともっとご一緒したかったですし!」

「そ、そうなんだ。ていうか四人一緒に過ごしたんだなあ」

「一緒に寝ようと言ってきて、有無を言わさぬ勢いで押し切られてな。部屋に引きずられていくワタシを、エリスやマリアベールが生温い目と笑顔で見送っていたのが腹立たしい。まったくお調子者どもめ、面白がるとすぐにからかいに来て」

 

 ぶつくさと、ここにいない古くからの戦友への文句さえ口にしつつも肩をすくめるヴァール。

 精霊知能三人とミュトス、四人で寝たかあ。こないだもヴァールが我が家に泊まっていった時には川の字になって寝たみたいだし、いよいよ文字通り姉妹チックになってきたな。

 

 ミュトスは差し詰め年の離れた姉か、あるいは親戚のお姉さんってところか? 肉体の年齢的には20代だし、異世界の神としての来歴を考えると三人より長生きでもおかしくないからね。

 そんなミュトスにも目を向けると、彼女もニコニコしながらうなずいた。

 

「いやーへっへっへ、不肖ミュトスもご一緒させていただきまして、もう眼福やら恐縮やらで一睡も眠れる気がしませんでした! いえまあ、ぐっすり快眠だったんですけども!」

「ベッドに入って次の瞬間にゃ寝てたろォ、ミュトスはよう」

「絵に描いたような快眠ぶりでしたねー」

「反面お前達二人は相変わらず寝付きが悪かったな。いつまで喋るつもりかと正直なところ、閉口したぞ」

「みんなで寝る時の醍醐味ですよー? 夜バナ、夜バナ!」

 

 即刻寝たらしいミュトスはともかく、三姉妹のほうは主に長女と次女がぺちゃくちゃ喋り倒した結果、三女もつきあわされる形で寝るのが若干遅れたみたいだ。

 まあ体力的には問題なし、それでも今はピンピンしてるから良いんだけども……てへぺろ! と笑うリーベに、ヴァールは軽く溜息を吐いた。

 うーんおちゃらけ長女と生真面目三女って感じ。なんかほっこりするなあ。




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