攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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楽しい楽しい捜査の時間だ!!

 主に警察のWSOの実働部隊、各班ごとに割り振られた役割が説明されていくのを聞きつつ資料を見る。

 といってもぶっちゃけ、このへんは俺達個人協力の探査者にはあまり関係のない部分だ。組織立って動く両組織と比べてこっちはあくまで個人での協力。ソフィア・チェーホワ指揮の下というのもあり多少まとまってはいるものの基本的には独立した動きをするからね。

 

「とはいえ俺達みたく能力者犯罪捜査官と協力するパターンもあるしな。割と気心知れた、身内人事めいたアレではあるけど」

「ヴァールのやつも気を利かせてくれたんでしょうねきっと。完全に見知らぬやつらと組むことになってたら、それはそれできっちり仕事はしますけどやり辛さはあると思いますし」

「そうだなあ」

 

 左隣のシャーリヒッタとコソコソ話。軽く身を寄せ合えば、この子ってばやけに嬉しそうにはにかんで俺に耳打ちしてくる。

 明け方にすでにヴァールから聞かされていることなんだけど、俺達システム側の存在は今後、少なくとも今月いっぱいはアンジェさんチームと行動をともにする。

 主にサークルの拠点を虱潰しに探して回る作業に協力するわけだね。

 

 同様に8月中は日本に滞在予定のサウダーデさんやベナウィさん、リンちゃん達もエリスさん葵さんコンビと行動をともにすることとなる。

 こっちはサークルもだけど、ダンジョン聖教過激派の拠点とターゲットに入ってるね。

 いずれにせよ共通項はみんな揃って知り合い、エリスさんチームに至っては事実上、対倶楽部チームの面々がそのままスライドしてきた形だ。

 

 このへんは完全にヴァールの差配によるものなんだけど、あからさまに身内人事感が漂っていてありがたいけど大丈夫? って気にもなる。

 いや本当にありがたいんだ、特に俺達は。システム領域って特殊な事情が絡む以上、チーム内にステラという精霊知能がいるアンジェさんチームにまとめて放り込んでもらえるのは助かるとしか言いようがないからね。

 

 ただ、あんまり彼女に気を遣わせていやしないかと心配になるところもたしかにあって。

 本当、様々な面であの子には助けてもらいっぱなしだなーって思っちゃうんだよねえ。

 

「なんかこう、良い感じにお礼とかしたいよなあ日頃の。あの子だけじゃなくてシャーリヒッタやリーベ、うちの家族達にも同じだけどさ」

「とうさ……公平サン。公平サンがそう仰ってくださるだけで、オレ達にとっては悠久の労苦が報われますよ」

「いやいや……」

 

 いろいろと俺に対して前のめりなシャーリヒッタに言わせればそうなんだろうけど、やっぱ日頃の感謝ってのは大切だと俺ちゃん思うわけ。

 なんかこう、やってあげたいなーってことを島根さんのお話を聞きつつ考える。集中しろと言われるかもしれないけどマジで俺達には関係ない話してるからね。しょうがないね。

 

 

『日頃の感謝? そんなの美味しい料理一択でしょ常識的に考えて。とにかく美味いものを食べれば元気も出るし幸福感も生まれるんだから公平、この下らない茶番が終わったらこの近辺を散策でもして美味しい料理を探しに行くんだ。いいね?』

 

 

 なんでだよ。ヴァールや家族への日頃の感謝とお前に言われてのグルメ観光がどうしてイコールで結ばれるんだ。

 脳内のアルマさんにツッコんで返す。こいつの場合はとにかく美味いもん食ってりゃそれで十分なんだけど、他の人の場合にも適応できるとは限らないからね。

 

 そもそも日頃の感謝って話題で、諸々すべての元凶たるこいつが口出ししてくるの面の皮厚いってレベルじゃないぞマジで。

 あまりにも厚かましい脳内に怖ぁ……と戦慄すら抱いていると、島根室長の説明も粗方終わったようだった。

 

『……以上、人員配置の説明を終わります。個人協力者の配置についてはチェーホワ統括理事からのアナウンスとなります。よろしくお願いします』

 

 警察とWSOの各班の配置と役割についての話の後は、いよいよヴァールが出てきて俺達についての説明だ。

 立ち上がり、前に進んで室長と交代する統括理事。威風堂々たる姿はさすがの貫禄だろう。

 

 いつもながら黒いゴシック風ドレスなのが本来、場の雰囲気と合わないはずなのにそれさえ威厳あるように見えてくるのだからすごい迫力だね、いろいろ。

 そんな彼女がマイクを用い、みんなに話しかけてくる。

 

『……説明を島根室長から代わってワタシ、ソフィア・チェーホワが行う。主に個人協力者の今後の動きについてといくつか、昨日の一件で判明した事実の確認と補足だ。今しばらく時間をいただくこと、平にご容赦願う。それでは始める』

 

 無機質、無表情、無感情。極めて平坦ながらよく通る機械的ですらあるアナウンスが大会議室中に響き渡る。

 そうして読み上げられる各人員の配置。主に全探組からの出向スタッフや探査者についてだが、これまた多岐に渡り配置されるみたいだ。

 

 捜査の補助役から逃亡者の追跡支援。はたまた事務作業のお手伝いから、意外なところでは首都圏内のダンジョン探査なども含まれる。

 これについてはサークルや過激派の構成員にいた能力者が、手つかずのダンジョンに潜伏しているかもしれないという可能性を考慮してのものらしかった。

 

 そういうのもあるのか……たしかに能力者しか入れないダンジョンともなれば、格好の潜伏先と言えるんだろうけど。

 敵もあの手この手を使ってくるもんだなあ。変に感心しそうになるよ。




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