攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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※かつての日本最大クラン頭領の孫が、実はこの会場にいます!

『──以上。要約すると個人協力の探査者には主に、首都圏内におけるダンジョン探査と警察やWSOスタッフの捜査協力を行ってもらうことになる。言うまでもなく重要な役割となるのだ、各人にはよろしく頼みたい』

 

 個人協力者の活動についてを概ね、説明し終えてからの要約。ヴァールの説明に誰もが耳を傾けていた。

 基本的にはいつもの探査とそれにプラスしての捜査協力って形になるわけだけど……だからこそ探査者としての腕の見せどころでもある。

 

 俺の周囲の仲間達だけでなく、関西からやって来たご同郷の探査者の人達も話を受けて闘志を漲らせている。

 あるいは昨日の余韻だってまだ残ってるのかもしれないね。なんせ普通に探査者活動してたって、市街戦なんてめったにやるもんじゃないからさ。

 

 それを思うと俺ちゃんこそ、すでに市街戦を何度か経験してるのが我ながらちょっとおかしくないかな? って感じはする。

 紐解けば春先の商店街でしょ、あとGWでのアイ戦。加えて夏休みの時、青樹さんに襲撃されたりしたのもカウントできるだろうし。

 

 そんでもって昨日と、数えれば四回は町中で戦闘やそれに近い行為をしちゃってるわけだ。血生臭すぎないか俺、怖ぁ……

 思い至ってしまった事実に震えていると、ヴァールが次いで今後の動きについてコメントしてくる。

 

『特にダンジョン探査については付近の治安維持や市民生活の保護にもダイレクトに繋がるため、心して取り組んでいただきたい。また首都圏内の探査者達とも当然ながら連携する形になるので、いわゆる縄張り意識などでトラブルは起こさないように。起きた場合はすぐに全探組のスタッフに連絡するよう願う』

「縄張り意識……あんのか? 関西じゃそんなに意識ねーけど」

「どうなんだろ? ああでも中部の早瀬会とかは身内意識すごかったって聞くね」

「あー、日本最大クランだった、あの。地方全域牛耳るような大クラン、首都圏にもあんのかねえ?」

 

 どうしても想定しないわけにもいかない、現地探査者達とのトラブルについて。

 ちょっと離れたところに座る探査者さん達のお話がたまたま耳に入ってきて、俺もなんかふえーって聞き入っちゃった。

 

 早瀬会。昔に中部地方にそういう名前のクランがあったのは俺も聞いたことがあるな。

 地域中のほとんどの探査者パーティが寄り集まってできた、いわゆるクランの中でも国内最大規模だったと聞く。でも今では内部分裂して事実上解散状態だってのは、新規探査者教育の際にもチラリと教えられたことだ。

 

 やっぱりそのくらい規模の大きなところともなると、縄張り意識とかもあるんだなーと感心する。

 関西にもそういう大手クランはあるみたいだけど、他の地域よろしく群雄割拠状態みたいで……なんなら俺もよく知るGWの探査者ツアーで結成されたツアークランなんかは、新進気鋭ながらかなりの躍進を遂げているクランだとも聞くよ。

 

 今のところそういう、縄張り的な揉めごとには巻き込まれてないみたいだけれど……そのうちそういう話がツアークランでも聞かれるようになるのかもね。

 そんな未来に想いを馳せつつもヴァールの話に耳を傾ける。粗方のことを話し終えたあたりで、最後に補足的な話をするみたいだった。

 

『最後になるが、昨日新たに判明した情報を一点補足する。連中が投入してきたS級モンスターについてだ……サークル、およびダンジョン聖教過激派の幹部との交戦から読み取れた情報によると、アレは元々一体のモンスターだったのをどうやってか複数に分割、逐次投入をしたらしい』

「……モンスターを、分割!?」

「できるのかそんなこと、聞いたこともないぞ!?」

「道理で瓜二つのS級モンスターが何体も何体も、続けざまに出てくるもんだとは思いましたが……!」

 

 まあ、そういう話といえばアレしかないよな。異世界の神、その権能がこの世界の概念存在によって分割されて利用されているモノ、すなわちウーロゴスについてだ。

 このへんも真相はうまいことぼかして説明してくれてるんだけど、当たり前だけどざわめきが起きるよね。S級モンスターを複数に割って運用してますーなんて、普通に考えてありえない話だもの。

 

 実際、権能を分割しましたって話の時点で意味不明なことは間違いないし。どこのどいつがやらかしたかは知らないけどマジでどうやったんだ? 

 少なくとも概念存在でも相当特異な権能を持つやつしかできない気もするんだけどなあ。あるいはこれも、ウラノスコーポみたいな現世技術が絡んでたりするのかもしれない。

 知的生命体は時に、システム領域の思惑なんて軽々超えていくからなー。

 

『サークル、過激派においてはアレを"ウーロゴス"と呼称しているようだ。こちらもそれに倣いウーロゴスと呼ぶが……ソレが今後も現れる可能性は十分に高い。その場合にはS級探査者やワタシ直属のスタッフを中心に対処するのですぐに連絡するように』

「ウーロゴス……S級モンスター、ウーロゴスか。相手にとって不足はないが、しかし」

「基本的にはミスター・公平やレディ・ミュトスの領分でしょうねえ。話を聞く限り、我々S級でも後手に回るしかできなさそうですし」

「だねえ。ま、その場合でも時間稼ぎくらいはできるに越したことはないさね」

 

 サウダーデさん、ベナウィさん、マリーさんが俺のすぐ目の前で話す。

 実力的にはもちろん申し分ないんだけれど、ウーロゴスは因果がないため倒してもまたすぐに復活しちゃうのがネックだからな……基本的にはミュトスに任せる形になるのは当初からの予定通りだ。

 

 それでも時間稼ぎをと言ってくださるマリーさんや、それに頷いてくださるお二人には感謝の言葉もないよ。

 本当に得難い協力者だね。




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