攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
さてミーティングも終わり、各自解散して言われた通りの役割を果たすべく持ち場に向かうことになった。
なったのだけど……俺や俺の仲間達は先に、ヴァールの下に集うこととなった。なんか知らんけど呼ばれたのだ。
俺、リーベ、シャーリヒッタ、ミュトスのシステム領域組をはじめとして香苗さん、セーデルグレンさんもいる。
加えてサウダーデさん、ベナウィさん、マリーさんのS級探査者師弟にリンちゃんも当然いて、さらにはそこにアンジェさんチームにエリスさん、葵さんも追加しての大所帯だ。
先んじて持ち場へ向かう人々のなんだなんだという視線もそこそこ浴びる中、ヴァールはそして、俺達を前にしてアナウンスした。
「すまんな呼び止めて。おそらくはメインでサークルや過激派と交戦する実働部隊となるだろうお前達には、改めてそれぞれの役割について確認しておきたいと思ってな」
「あ……やっぱりそうなるんですね統括理事。私らが最前線と」
「無論だ。他のスタッフや探査者達が頼りにならないわけでは決してないが、こればかりはどうしてもな」
サークル、および過激派の拠点へ踏み入る捜査……それをメインにして行う能力者犯罪捜査官チームのアンジェさん達やエリスさん達。
そしてそこに協力する形になるシステム領域組とサウダーデさん、ベナウィさん、リンちゃん。なんなら香苗さんやセーデルグレンさんも場合によってはどちらかに加わるかもしれない。
いずれにせよ対倶楽部からの付き合いがある俺達は、ヴァールから見ても頼り甲斐があるってことなんだろう。
ごく自然に最前線に投入することをアンジェさんに問われて肩を竦める彼女は、さらに続けて言った。
「山形公平、および後釜にシャーリヒッタ、ミュトスはアンジェリーナやランレイ、神奈川にステラとともにサークル捜査へ取り組む。前もって伝えてはいたが今一度確認するぞ、いいな?」
「もちろん。みなさんの足を引っ張らないよう微力を尽くすよ」
「公平やリーベ達が仲間になってくれるなんて百人力よ! あれからパワーアップした私やランレイの力もバッチリ、見せたげるわ!」
「よ、よよよよろしくお願いしますぅぅぅ! あ、アンジェちゃんともども、こちらこそ頑張りましゅしゅしゅ」
朝イチに聞かされていたように、やはり俺達システム領域サイドはアンジェさんチームとの共闘だ。呼びかけに応じてチーム分けするかのごとく移動し、彼女らの下につく。
アンジェさん、ランレイさんはいつも通りの様子ながらやる気満々って感じだ。あれから、ってのは夏休み前半にあった合同探査のことだろう。お二人がそれぞれ自らの殻を破り、新たなスキルを身に着けたダンジョン探査である。
それらを駆使してさらなる成長を遂げたってことを、俺達には見せてくださるみたいだ。
元より文句なしの実力者であるお二人の、さらに飛躍した姿……楽しみだなあ。きっとものすごいんだろうなってワクワクしちゃうよ。
都合、力の矛先となるだろうサークルの構成員には気の毒かもだけどね。そこはまあ、死なない程度に収まるだろうから勘弁願いたいところかも。
「サウダーデ、ベナウィ、フェイリン。君達についてはエリス、葵とともにダンジョン聖教過激派をメインにした捜査にあたってほしい。S級、またはそれに近しい実力派揃いの構成だが、その意味するところは分かるな?」
「ハッハッハー、もちろんですともヴァールさん。アンドヴァリ……アレクサンドラ・ハイネンとの戦闘を視野に入れてるんでしょう? S級ですしねー」
「その上で実際、昨日も公平殿や愛知殿、アンジェリーナ殿達からさえも逃げ切った実績がある。極めて厄介な相手でしょうからね……」
「その通りだ。8月いっぱいの限定ではあるが、その間にもやつとの再遭遇や再戦闘がないとも限らない。そうなった時用の配置だと理解してくれ」
一方でエリスさんチームは、これまた豪華メンバーだ。
S級師弟に誰もが認めるS級クラスの星界拳士。ぶっちゃけ戦力比的にはぶっちぎりな気がしなくもないよこれ!
……もっともだからこそ、あのアンドヴァリをターゲットに入れた動きをもその役割に含められているんだから重要度、大変さも桁違いなんだけど。
昨日の一件についてはすでにおおよその流れは情報共有できているわけなんだけど、とりわけアンドヴァリの逃走については誰もが息を呑み、危機感を抱いていた。
自分の部下、信徒を平然と盾にして囮にして使い潰し、自分一人だけ逃げ延びる悪辣さ。その周到さに改めて敵の強大さを感じ取るに至ったのだ。
恐ろしい敵だ、掛け値なく。だからこそヴァールも、最大戦力達を迷うことなく集中させて対応に臨むんだろう。
そこはさすがS級のみなさん。誰もが異論なくうなずき、ひとかたまりのグループとなって移動して集まってみせた。
これで残るは二人、香苗さんとセーデルグレンさんの配置なんだけど……
「御堂香苗、およびセーデルグレンについてはすまんがワタシとともに行動してもらいたい。こちらもそれなりに面倒な案件だ……シャルロット・モリガナおよび彼女を追っている愛知九葉と合流し、ダンジョン聖教五代目聖女である神谷美穂を探す」
「シャルロットさんと愛知さん……はまあ、分からなくもないですが神谷司教? そう言えば、この場にいませんね。そもそもミーティングにもいませんし」
「愛知ともども、シャルロット捕捉のために独自で動き出したようだ。まったく猪め……一昨日の時点で暴発寸前なのは目に見えていたが、何も言わずじまいとは思わなかった。よほど思い詰めているようだな、アレは」
「えぇ……?」
なんてこった、ヴァールが深々とため息を吐いて本気の嘆きを見せている。
そう言えば、言われてみるとこの場には終ぞ現れなかったけど。神谷さん、ついに一人で動き出しちゃったのか。
シャルロットさんやアンドヴァリのこと、相当思い詰めちゃったのかな。
一昨日、すでに顔真っ赤にして激怒してらしたものなあ。昨日もどうやら市街戦で大暴れしてたみたいだし、もう我慢の限界って感じなんだろうか。
いずれにせよ心配な話だよ。
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