攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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剣拳コンビの恩返し!

 というわけでミーティング終わり、退室しつつも集まって動く俺達システム領域サイドのメンバーとアンジェさんチームの面々。

 俺、リーベ、シャーリヒッタ、ミュトス。アンジェさん、ランレイさん、神奈川さんにステラ。総勢八人なんだけどこのうちステラは受肉していない精神体なため、傍目からは七人に見える構図だ。

 

「待ちに待ってた! ……ってーわけじゃないけど。やっと公平やリーベに見せつけてやれるわね、ランレイ!」

「うん! あ、あれからパワーアップした私達の力、実力! 新スキルに慣れた新しい戦いぶり、二人に見せたかったもん、ね!」

「そ、そうなんですね」

 

 意気軒昂に話し合う美女二人。アンジェさんにしろランレイさんにしろ気合十分で何よりなんだけど、その動機が俺とリーベに自分達の実力を見せつけたいってのがあるようでどうも反応に困る。

 だって俺達、別にお二人の実力を疑ったことなんて過去、一秒一瞬たりとてないもの。

 

 そもそも付き合いが短いってのもあるけど、それ以前に前行ったダンジョン探査にてその力についてはばっちり知っていて、何一つ文句なしの実力派だって知っている。

 

 マリーさん譲りの刀を駆使して、彼女をリスペクトした剣術を使い、最近では《重力制御》という破格のスキルさえ習得してさらなる高みに至ったアンジェさん。

 蹴りによる斬撃を主体とする星界拳の一派を振るい、あの香苗さんをして"次のA級トップランカー"とまで言わしめる腕前であり……スキル《闇魔導》を用いた新たな星界拳の境地さえ拓いてみせたランレイさん。

 

 いずれも世界屈指の実力者と言えるだろう。ゆくゆくはS級入り間違いなしなんじゃないかなと、知り合いとしての贔屓目抜きにして本気でそう思える俺ちゃんだ。

 そんなお二人の実力を一体どうして疑えるだろうか? 同じ思いのリーベと二人、首を傾げて見ていると神奈川さんが苦笑いして説明してくれた。

 知っているんですね、神奈川さん!

 

「この二人、こっちに来る前に山形さんやリーベさんの世話になったんだって? みっともないところを見せていた気がするから、次会った時は頼れるA級ぶりを見せてやりたいって前から息巻いてるよ」

『コマンドプロンプト様やリーベさん、あとヴァールさんにも今の自分を見せたくて仕方なかったみたいです。恩返し的なものなんでしょうかね』

「えぇ……? 別にみっともないところなんて見たことないのに、なあ?」

「ですねー。恩返しとか言われましても、リーベちゃん達何もしてませんしねー」

 

 どうやら神奈川さんと出会った時にはもうなんか、俺とリーベに目にもの見せてやるモードだったみたいだ。怖ぁ……何もしてないよ俺達。

 ただその、恨みとか怒り的なネガティブさ由来の感情でもなさそうではあるんだけどね。お二人の間に漂う空気はどことなく、そうしたものよりはやっと出番が来た! みたいな晴れ舞台への意気込みさえ感じるし。

 

 ……もっとも、内心を暴露されるとさすがに慌てるようで。

 話す神奈川さんに気づいて、アンジェさんとランレイさんは慌てて彼に抗議した。

 

「あっ!? こら千尋、アンタ何口走っちゃってんのよデリカシーないわね!」

「すすす、ステラちゃんまでぇ……!? や、止めてよぉ二人とも、恥ずかしいよぉ……っ」

「変なところでデリカシーを振りかざすな照れ屋になるな、戦闘民族ども。世話になった人達に自分達の強くなった姿を見せたいんだろ? 立派なもんじゃないかよ」

「勝手に人をバトルコミックの登場人物みたいに言わない! 恥ずかしいんだからそういう解説をすんなっての!」

 

 うがーっ! と端正な顔を赤くして叫ぶアンジェさん。ランレイさんも頬を染めてもじもじと、人差し指をツンツンさせて俯いている。

 大会議室を出てすぐ、人通りもそこそこなフロントの片隅での話だ。周囲の人達も魅力的な美女二人の対照的な姿に目を奪われているね。め、目立つなあ。

 

 ともあれ、まあお二人の動機というか想いはなんとなし伝わってきた。新スキルを獲得するにあたり、きっかけとなった探査に同行していた俺達への恩返し的なものなんだろう。

 別に気にしなくても良いんだけどなあって感じだけど、その律儀さは率直に素敵だと思える。アンジェさんもランレイさんも、能力者犯罪捜査官として正義を成すだけあってとても真面目で誠実な人達だよ。

 そんな彼女達はいくらか咳払いしてから、改めてこちらに向けて話しかけてきた。

 

「とっ、とにかく! ……よろしく頼むわね公平、リーベ。それと、ええとシャーリヒッタに、ミュトス? シャーリヒッタはたしか、こないだヴァールさんに呼ばれた時に見かけたけど。あんたもリーベやステラと同じなのよね」

「おう、よろしくなアンジェリーナ! それにランレイも!」

「お世話になります! 不肖ミュトス、頑張りんぼーだーんすっ!」

「ぴ、ぴぴぴぴぴぃぃ!? ……ぐ、グイグイ来るタイプ! 陽、陽の人ぉ……!!」

「えぇ……?」

 

 この間、俺の親元近くの空き地で偽りの神の器を相手する際に来てもらったからかシャーリヒッタのことも一応、知ってるみたいだ。

 ミュトスについても知らないながら、それでも気さくに挨拶してくださるアンジェさん。

 

 それに応じてシャーリヒッタもミュトスもいつも通り、にこやかさで挨拶するんだけど明るい雰囲気がたぶん眩かったんだろう。ランレイさんがうわーっ! って感じで鳴き声をあげた。

 怖ぁ……俺も陰キャの自覚はあるけどさすがに挨拶されただけでそうはならないかもしれない。

 上には上がいるもんだ、と思い知らされる心地である。




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