攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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同年代の少女に父様と呼ばせて侍らせている15歳少年がいるのはこちらですか?

 ひとしきり互いにやり取りしてから、俺達は本格的に今日の活動をスタートさせた。サークルの拠点捜査、その始まりだ。

 特に用意するようなものはなく、精々スマホに財布と身の回りの貴重品くらいだ。アンジェさん達についていく形になるわけだから、必要な用意はすでに彼女達が済ませてくれているんだね。

 

 ホテルの外はお陽様がまだまだギラつく真夏の朝。

 とりあえず繁華街方面に向かって歩き出しながらも、俺達は今回のパーティの実質的なリーダー役、アンジェさんの言葉に耳を傾ける。

 

「よーっし天気も快晴、ちょっと暑すぎなくらい! じゃあさっそく最寄りの拠点らしき場所を襲撃しましょうかあ!」

「し、襲撃……」

「そう、襲撃! 昨日あそこまで舐めた真似してくれたんだもの、今日はこっちのターンよ! 二倍どころじゃないわ、億倍返しよ!」

「ぅわーお。めっちゃくちゃ物騒ですねえ、アンジェリーナの姐さんってば。ランレイさんに神奈川さんも気合入ってそうですし。かつての世界でもよく見ましたよ、こういう殺気立った感じの冒険者さん達」

 

 怖ぁ……躊躇なく襲撃というワードをチョイスしたアンジェさん、獰猛に笑う姿はどう見ても楽しげなものだ。

 昨日の大規模襲撃を受けてすっかり報復する気満々って感じだ。隣で歩くランレイさんも神奈川さんも至って反応なくうなずいてるから、少なくともこのチームにとってこういう表現は日常的なものなのだろう。すっごいバトルジャンキー!

 

 そんな三人にミュトスが目を丸くして俺やリーベ、シャーリヒッタに小さく話しかけてくる。

 こっちはそこまで怖がったり驚いてたりもしないあたり、さすが精霊知能としてのみならず異世界の神だっただけのことはあるなと思う。しれっと前いた世界のことを口走ったけど、冒険者とかいたんだなー。

 マジでガチファンタジーの世界過ぎてすごい気になるかも。

 

 そのうちミュトスの思い出話なんかも聞かせてもらえたらなーと思いつつ、今はお仕事お仕事だ。

 先行するアンジェさんチームについていくシステム領域のモノ達。歩きがてら、アンジェさんが今から向かう地点についてと今後の行動について話してくれる。

 

「これまでに掴んでいる情報では少なくとも17箇所。首都圏内のビルや一軒家、マンションなんかにそれらしいところが点在してるみたいなのよ」

「じ、17箇所……多いですね、意外と」

「ダミーも含んでるもの。でもそれ以上の数に上る可能性もあるから、こればかりはなんとも言えないわね。まあとにかく、さしあたって今月いっぱい使ってそのへんを攻め込むってわけよ」

「い、いい、一日に三つか四つくらい拠点を回れれば、終わるよ! つ、追加で発覚するかもな拠点については、9月以降になるけど……」

 

 予想外に数あるらしいサークルの拠点にビックリだ。まさかの二桁ですか。当然ながらダミーの拠点も含むというか、大半がその手のものなんだろうけど……ヴァールからも聞いていた通り多いなあ、やっぱし。

 なんならそれらすべてダミーで本拠地は別にあったりする可能性さえあるんだろうし、だから虱潰しに探し出すんだな。

 

 8月いっぱいはひとまず今現在判明している17箇所を、それ以降は都度判明するだろう拠点を捜索するって流れになるみたいだった。

 ランレイさんによる補足説明なんかも交えつつの話を飲み込んで、俺は逆に彼女らへと話しかける。ことが今月中に終わらなさそうなのは最初から織り込み済みではいたから、予め話しておかねばならないこともあるのだ。

 そう、もうじき始まる新学期についてだね。

 

「ええと、8月はともかく9月に入りますと俺達、実家のほうに戻って学校なりなんなり新生活のほうも過ごさなきゃなんですよ」

「あーそうね、学生だもんね公平は。もちろんそっちを優先してほしいけど、ちなみにリーベやシャーリヒッタ、ミュトスも学校通うの?」

「へ? ……あー。いえ、リーベちゃん達はー」

「今んところその予定はねえなあ。父様と一緒の学校ってのは楽しそうなんだが、オレ達にもオレ達のやることがあるしなー」

「あっしはそもそも見かけが学生じゃないですもんで、うぇっへっへー」

 

 さすがに俺としては、ワークライフバランスを考える上で探査業と同じく学業だって同等に考えていきたい。それゆえの申告なんだが、アンジェさんはあっさりと俺の都合を優先してくれて良いと仰ってくれた。

 ありがたいね……ついでとばかりに精霊知能達に質問しているけど、この子達は別に人間として生きていくわけではないというか、立場的には狭間に立つ俺よりなおシステム領域寄りだからね。

 

 学校とか通いたいって話にはいつかなるかもしれんけど、システム領域の精霊知能として背負った任務や使命がある限りはもちろんそっちが優先なのだ。

 なんならミュトスに至っては学生って見た目してないし。新人教師さんとかのほうがしっくり来る程度には大人びた姿だからね。

 

 各々答える中でアンジェさんはふむふむとそれを聞き、なるほどとうなずきつつも。

 その中で何かに引っかかったのかうん? と首を傾げた。なんだ?

 

「あー、ステラやヴァールさんと同じようなモノなんだもんね、アンタ達……って、え?」

「アンジェさん?」

「…………父様? え、シャーリヒッタのパパがなんで急に? でもアンタ精霊知能ってやつでしょ、それがパパと一緒の学校って。え、今の流れからすると、えっ?」

「あっ……」

 

 しまった、父様呼び! シャーリヒッタもありゃ? みたいな顔してるけど、あちゃー!

 立ち止まり困惑しきりに見つめてくるアンジェさん。ランレイさんもピンと来たのか、口元をあわわはわわと震わせながらこっちを見てくる。

 

 神奈川さんとステラの二人はすでにいろいろ知ってるから何もリアクションはないけど、微妙にゆっくり俺達から距離を置いている。ちょっと待って、判断が早いよ!?

 リーベやミュトスも苦笑いして三歩くらい距離を取ってるし。俺もそっち行って良いですか。さり気なくシャーリヒッタに裾掴まれてるけどそっち行きたいんですけど!

 

「…………こ、こここ公平さん、まままマニアックなご趣味をお持ちで!? そ、そ、創作でしかないと思ってたアブノーマルワールド!?」

「違います! 誤解です話を聞いて下さい!」

「やっぱアンタのことぉ!? うわーマジ? やるぅ! さすがはハーレム救世主ね、朝からニュースでも話題沸騰なだけあるわー!」

「嘘ぉっ!? 話題沸騰!?」

「さすがだぜ父様!」

 

 案の定騒ぎ出したランレイさん。やっぱり盛大な誤解をしてるっていうか、解釈が若干すごい方向行ってませんかそれ。

 アンジェさんはアンジェさんでめちゃくちゃ気になること言うし、俺が朝から話題沸騰? ニュースで?

 怖ぁ……




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