攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
隣駅に降りて、改札抜けてバスに乗って高校へと向かう。夏休み中にはスカスカだったバスだけど、さすがに今は満員だ。
とはいえ俺と梨沙さんはその中でも身を寄せ合っていろいろ話しながらも、割合楽しんで登校できた。やっぱり話し相手がいると違うね、一人ぼっちだと音楽聞いてスマホ弄るしかないから。
あっ、後でソシャゲログインしなきゃ。月も変わったし今月こそガチャ運が良いと信じよう。
「ふー、とうちゃーく! やっぱり初日は混むねー。しばらくしたらみんな、ちょっとずつ時間をずらすだろうからマシにはなるだろうけど」
「だねー。ああ、なんか懐かしいな東クォーツ高校も。いや10日前にはここの前通ったけども」
そんなこんなで無事到着ってことで、大量の学生服の男女に混じってバスを降りる。ずいぶん懐かしい気がする我が学び舎、県立東クォーツ高等学校である。
夏休み中は締め切られていた門も開放されており、なんなら門前には生徒指導の先生方が何人かいて生徒達に目を凝らしている。
怖ぁ……これアレじゃん、夏に浮かれて規則違反してる学生さん達をコラッ! ってするやつじゃん。
まあうちの高校、一応進学校だもんでそこまで無茶する子もいないけど。服装の乱れは相応に厳しいけど、髪色とかは結構自由というか懐深いからね。
梨沙さんのJKファッションも特に問題なく、門を抜ける際には普通に挨拶して通りすがる。
体育教師の中山先生、熱血漢のジャージ姿が相変わらず暑苦しいけど、それにも増していい笑顔で生徒達を迎えてくれる。
──と、そんな彼が俺を見るなり目を丸くした。
えっ!? と肩をビクンとさせると先生はずんずん俺のほうに近づいてきて、なんか満面の笑みを浮かべる。
何!? なんなの!?
「山形! シャイニング山形!! 見たぞ聞いたぞ夏休み中、大活躍だったじゃないか!!」
「えっあっ、はい……お、おはようございます、中山先生」
「おう、おはよう! いやー先生はなんだか嬉しいやら誇らしいやらでな! 職員室でももちきりだぞ、正義のヒーローシャイニング山形! ってな!!」
「そ、そそ、そうなんですね。はは、は」
怖ぁ……体格が良いから圧が強い!
さすがにサウダーデさんやベナウィさんほどでないにしろガッシリした体格に、身長も俺より一回りはある。そして何より先生という立場もあって、俺ちゃんってばタジタジである。
なんならそんな俺達を見て、またしても横切る学生さん達がチラ見してはひそひそ話してるからね。
同級生もいれば上級生の方々もいらっしゃる。みなさんもやはり、件の認定式の件はご存知みたいだった。
「見ろよ、シャイニングだ……すげーよな、探査者になって半年で過去にない大活躍の天才だって。地味だけど」
「テレビ見たけどマジでなんか光ってたしビームも撃ってたな……あとなんかデカいモンスター相手にも普通に戦ってたし。あれはすげーわ、地味だけど」
「なんか8月中も度々話題になってたろ? 隣県でS級探査者と組んだとか、S級モンスター討伐に参加したとか、近くのスーパーで関口くんとダンジョン探査したとか。かーっ、俺も探査者だったら負けてないのになー! 今でもルックスだと負けてないけど」
「いやお前、モンスターどころか子犬も駄目だろ。探査者って大変だと思うぞ、化物相手に命懸けなんだし。あの山形ってのはすげーよ実際。地味だけど」
「シェン・フェイリンちゃんとの動画見た? カッコよかったけど、女の子相手に片足掴んでビターンビターンはちょっと怖いよねー」
「ねー。でもシェンさんも大概だったね、なんか蒼く燃えちゃってさ。山形くんに何回も、なんだろうソニックウェーブ? が出るような蹴り入れてたりして」
「でも二人とも平気そうなのはやっぱり模擬? だからなんだろうけど、すごいよね探査者って! ……でもぉ、わたしはやっぱりぃ、関口くんのほうが良いなーって思うってゆうかぁ」
「それな」
「分かる」
「救世主様だ……救世主が、今日も元気に学校にお出でくださっている! ああ、これで今日も一日幸せに過ごせそうだ」
「えっ……お、お前、まさか救世の光の」
「ああ、信者だ!! 我らが救世主山形公平様は良いぞ、お前も入信するんだ。世界が輝いて見えるぞ」
「やだよ!? 知ってるぞ、ショタコン探査者のマシンガントーク聞いたら頭がおかしくなって入信するんだろ! 騙されないからな!」
うーむあちらこちらで無茶苦茶な話が聞こえてくる。とりあえず言いたいけど地味で悪かったな! どうせ俺は関口くんに比べりゃ月とスッポンだよ!!
認定式の件はともかく意外とリンちゃんとの模擬戦動画を見ている人もいてビビる。なんなら学生の中にさえ救世の光信者がいてもっとビビる。そりゃ信教は自由だけどマジかお前……ってなっちゃうよ。
そして隣の梨沙さんが若干、ドヤって顔をしているのがかわいい。
友人が褒められている……褒められている? のを聞いて自慢けになるとか、普段大人顔負けにしっかりしてるこの子が見せるちょっとした子供っぽさのギャップが良いかも。
「お前と関口は東クォーツ高校のヒーローだ、ヒーロー! はっはっは、でも勉学にもちゃんと励むんだぞ? つまらないかもしれなくても、きっと価値があることだからな!」
「は、はい!」
中山先生は俺の肩をガシッと掴んで、これまた男臭い笑みで爽やかに指導してくる。
勉学はもちろん大切だ。そこは当然分かっているから、俺も強くうなずいてその場を後にし、教室へと向かうのだった。
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