攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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ほんとかー?ほんとに猪聖女なのは直近三代だけかー?

 織田とは結局、近いうちにまた会って正式に今後について話し合おうってことになった。

 彼としても時間停止級の権能を持つ悪魔さえ絡んできているとは思ってなかったみたいで、そのへんについても議論したいみたいだ。

 

 あとイヴさんが謝罪したいと言っているみたいだけど、そんなことは気にしないでほしい、見回り助かりますってだけ言っておいた。

 何をどう気をつけたって無理なものは無理ってものごとも世の中あるんだし、今回の件は割とそれにあたると俺は認識している。そもそも厚意から網を張ってくれている方々に文句をつけるほど俺の面の皮は厚くないのだ。

 

 ともあれそんなわけで一旦お家に帰宅した俺ちゃん。

 ここから軽くシャワーなんて浴びてから私服に着替えて、意気揚々と町に繰り出しカラオケ行くわけなんだけど。

 その前にワールドプロセッサから事前説明を受けていた現世の精霊知能達と自室にて、ことの一部始終を情報共有することとなったのでした。

 

「かくかくしかじかおーそれみーお。ってなわけでとっ捕まえた悪魔くんはセーレ同様にデータ領域にしまってるぞ、ヴァール」

「うむ、さすがの措置だなコマンドプロンプト。分かってはいたが慌てて空間転移でやって来るまでもなかったようで何よりだ」

「こういう時、やっぱ便利だよなー《空間転移》。ステータス持ちの精霊知能には割と標準装備なのもうなずけるぜ」

 

 報せを受けてわざわざ首都圏からこっちまで、文字通り空間を超えてすっ飛んできたヴァール含めてリーベ、シャーリヒッタ、ミュトスの四人に説明する。

 権能による時間停止ってのはさすがに四人をして緊迫感を抱かせるインパクトはあったものの、俺の対応──それさえ上回る世界停止によるカウンターとデータ領域への一時保存──まで聞くと、すっかり安堵しきりに吐息を漏らしていた。

 

 かくのごとく、時間停止ってのはシステム領域にとっても割と笑えないほうの事象だったりするんだよね。まあモロに因果弄ってるわけだから当たり前なんだけど。

 もちろん精霊知能には効かない類の能力ながら、そもそも濫りにそういう権能を使わないでくれ的な意味でね。ある意味、超一級のド迷惑行為なのだ。

 ミュトスが腕を組んで、呆れと感嘆の入り混じった声を発した。

 

「ひえぇ〜……悪魔側の時間停止もそうですけど、コマンドプロンプト様の世界停止も無茶苦茶ですよ〜。私の中の三界機構さん達も、そこまでできるんだ、的なドン引きの気配出してますし」

「ドン引き!? いや、ワールドプロセッサやコマンドプロンプトならできる類だろこのくらい。やるかやらないかは別の話としてだけど……」

「対象の周辺因果そのものを一時的に切り取って固定する因果改変……精霊知能の権能でもそこまでのことはできませんー。ある意味ゼータクな目に遭いましたね、それ食らった悪魔はー」

「時間とか空間とか関係ない、その存在にまつわるすべての因果の強制停止。うーんすげえぜ父様ァ……! ぶっちゃけそれ、オレら精霊知能やワールドプロセッサ相手にも有効なやつですよね!」

「しないよ!? たしかにシステム領域にも通じる技法だけど絶対にしないぞそんなこと!?」

 

 リーベやシャーリヒッタも続けて冷静だったり興奮しきりだったりしながらも見解を述べてくる。

 いやまあ、たしかに世界停止は因果操作の中でも相当な超高度技術だと言っても良い。俺自身に技とかそういう感覚はないけど普通の探査者さんでいう、いわゆる奥義にあたる技法の一つだとは思うよ。

 

 なんせ時間や空間、領域関係なくすべてを切り離して停止させるからね。こればかりはさすがにワールドプロセッサかコマンドプロンプトにしかできない次元だろう。

 だからこそ滅多なことでは使用しないんだけどね。負担も相当だし。それこそ今回みたく、相手が時間停止でも使ってこない限りはこんな真似したりしないよー。

 などと言いつつ俺は、ヴァールに尋ねる。

 

「ってなもんでな、ヴァール。どうしよっか、例の悪魔」

「できればこの場で話を聞きたいが、実のところこのあと用事があってな。あなたも何やら用があるのだろうし、事情聴取はせめて明日にしたいところだ。それまで、というか基本的に身柄はそちらにお任せしたい」

「分かった。そっちのほうが俺的にも助かるかな」

 

 なんせ関西にいる俺のところに悪魔の襲撃が! なんて誰も予想してなかったからなあ。元々の予定は誰にでもあるものだし、それを急に変えて対応するのもちょっといきなりすぎて具合が悪い。

 特に統括理事として忙しいヴァールはね。俺のリスケはいつでもできるけど、彼女の場合はそうはいくまい。

 

 実際、疲れたようにため息を吐いた彼女は呻くようにつぶやいた。

 

「ありがとう……エリスと葵、それと神奈川にステラを借り受けてな。神谷捜索のためにダンジョン聖教の日本支部を訪ねなければならん」

「まだ見つからないのか? さすがに心配になるな……」

「一応、メール等では生存確認はできている。ただ居場所を吐かないのだ、アンドヴァリはこの手で誅すると言って聞かずにな。だからもう、直接合流して捕まえるしかないと判断した」

「えぇ……?」

 

 怖ぁ……思いっきり突っ走ってますやん、先々代の聖女様。

 同じく暴走している当代聖女のシャルロットさんや、諸悪の根源たる先代聖女アンドヴァリことアレクサンドラのことを鑑みるに、直近三代の聖女さん達ってなんかこう、猪突猛進感あるなーって想いを禁じ得ないよ。




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