攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
空調のよく効いた全探組の談話室から、秋の夕暮れ時を迎えてもまだまだ気温の高い山奥へ。一瞬にして空間転移してきた俺は、すぐさまオペレータと概念存在、そしてモンスター複数の気配を感じ取った。
今すぐ接敵するほどの距離ではない。だが山道をまっすぐに進めば確実に見えてくるだろう……件の隠し拠点ってのもそのあたりにあるのかな?
俺に先んじてこの地にやって来て周囲を警戒するアンジェさんチームへ、すぐさま呼びかける。
「この道の先に敵の気配を感じます! 能力者が数名、悪魔が数体! おそらくはスレイブモンスターも、大体30体ほど!」
「まあまあな規模ね……! となれば行くわよ! 切り込み役が出遅れたんじゃ笑われるわ! 誰より先に突っ込んで、誰より多く仕留める!」
『スキル《聖剣》発動! 一時権限譲渡対象、神奈川千尋!!』
「よしっ、行くかっ! 悪魔の相手も聖剣ならできる、任せろ!」
元より先陣を切るのが役目の彼女らの戦意は当然高く、即座に道を駆け抜けて突っ走っていく。聖剣を手にした神奈川さんも一緒だね。
悪魔がいる以上、概念存在特効兵器たるあの剣を持つ彼の役割は当然、大きい……俺も、どちらかといえば悪魔どもの相手をすることになりそうだ。
何体か悪魔っぽいのがいる以上、神奈川さんだけにお任せするのも荷が重いだろうしな。下手に昼間、時間停止なんて真似をしてきたやつがいたもんだから余計にそう思うところはあった。
次いで俺に続き、香苗さんにヴァールに愛知さん、シャルロットさんがワームホールを潜ってこの地にやってきた。
彼女らにも敵らしきモノ達の存在とざっくりした数を告げつつ走り出す。並走するヴァールが、一つうなずき告げてきた。
「認定式の時と同じく犯罪能力者、悪魔あるいは悪魔憑き、そしてスレイブモンスターの構成か……! 戦闘が行われている形跡はあるか!? モンスターの気配はワタシも感知しているが、他は分からん!」
「特にない! 神谷さんに先んじたか、あるいはすでに遅かったかの二択だけど……」
「いずれにせよ現地に着けば分かることか! 隠し拠点はこの道を抜ければすぐ見えてくる──そら、いたぞ!」
最優先事項である神谷さんについてだが、現時点では判別しかねる。もうすでに来ているのか、それともまだなのか。
どちらにしてももうこっちも辿り着くし、着いたらそのまま戦闘だ。先行するアンジェさんチームもそろそろ接敵するし、俺達の視界にも見えてきた……研究所めいた、山奥の人工物!
あれか、隠し拠点は!
門前には数多のスレイブモンスター、そしてオペレータでないものの悪魔の権能を持つ人間の男女が5人ほど。悪魔憑きがいて、アンジェさん達とついに戦闘を開始していた!
「来やがったか、体制の犬ども!! まとめて始末してやる!」
「フランソワにシェン、そして神奈川ァッ!! てめえらも今日ここで終わりだ、覚悟しやがれ!!」
「行きなさいモンスター達! あなた達を苦しめる悪い探査者達を、今こそ懲らしめるのよ!!」
「ヴォオアアアアアアアアァァァァァァッ!!」
いかにも反体制的なセリフを吐いたり、アンジェさん達への因縁を口にしたりスレイブモンスターをけしかけたり。
まあ相変わらず好き勝手なことを言う連中だ。アレはおそらくサークルの構成員だな、ダンジョン聖教過激派だけじゃないか、やっぱり!
対するアンジェさん、ランレイさん、神奈川さんもすぐさま臨戦態勢に入り、それぞれ刀、蹴り、聖剣を構えて技の体勢を整えた。
アンドヴァリらしきオペレータは門の向こう、施設の中にいるようで中にも複数の気配を感じる。眼の前の連中は文字通り門番ってことなら、まずはこいつらを片付けなきゃいけないか……!
「舐めんじゃないわよ雑魚どもがッ!! このアンジェリーナ様を遮るってんなら、膾ンなる覚悟くらいできてんでしょうねえッ!!」
「星界拳ッ、魔をも悪をも切り裂き断つ! 征くぞォッ!!」
「過激派の犬やってんのはてめぇらじゃねえか、サークルよう! 覚悟するのはそっちだ、かかってきな!!」
『千尋、悪魔憑きを優先的に! モンスターはアンジェとランレイに任せれば良いから!』
そしてその役目を担ってくれる、切り込み役の四人。
この場は彼女達に任せて、俺達は先を急ぐべきか!
さっそく技を放ちモンスター数体を消し飛ばすアンジェさんに、悪魔憑き相手に容赦なく斬鉄脚を浴びせにかかるランレイさん。そして聖剣をもって悪魔の権能を切り裂く神奈川さん。
数的不利などものともしない実力者達が門前の戦力を抑えてくれている間に、俺と香苗さん、ヴァール、愛知さんシャルロットさんは締め切られた門を飛び越え敷地内に入る。
────さて、俺はここで一旦ストップかな。
建物に入る直前の、前庭。俺は不意に立ち止まり、他四人に語りかけた。
「みなさん、先に行ってください。俺はここで"やつら"の相手をします」
「公平くん!? 一体何を」
『──転移さえ予知するか。本当に意味が分からんな、シャイニング山形』
入口前で唐突に止まった俺に、慌てて振り向く香苗さん達。だがすぐにその顔は、さらなる驚愕に彩られることとなる。
どこからともなく、なんの前触れもなく移動してきた概念存在達が……
俺の周囲を囲み、権能による威圧を全力で発動させていたのだ。
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