攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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たぶん世界で一番厳重な警備網だぞ、山形家!

「はー、なるほど大変だったんですねー……ちなみにリーベちゃん達のほうは平和も良いところでしたよー、ミュトスちゃんなんてすごく張り切ってたんですけどー」

 

 居間にて。

 香苗さんと並んでカレーを美味しくいただきつつ、家族のみんなやミュトスにことの顛末をかるーく教える。

 さすがに未成年ですし、晩飯ブッチした以上はそのへんの理由とかも説明しなきゃいけないしね。

 

 とはいえ本当に言えないこと──アンドヴァリとか神谷さんとか隠し拠点の存在とか、あとシャルロットさんの傷とか──については触れるわけにもいかない。

 結局"敵がなんか関西来てたから追いかけてきた仲間達と様子を見に行った。モンスターに襲われたけど返り討ちにした。カレー美味しいですまる"的な、まあそう言えなくもないけど突き詰めてはないよねって感じの説明に終始したのである。

 

 それでも家族にはまあまあ伝わったみたいで、なるほどーと父ちゃん母ちゃん優子ちゃんも、リーベもシャーリヒッタもミュトスもうなずいてくれた。

 リーベの発言を受けて、ミュトスがふんすと鼻息を荒くする。

 

「そりゃあもう、留守を預かる身なれば全力でございますとも! 三界機構を宿す身として、精霊知能の端くれとして寄ってくるやつらを千切っては投げ千切っては投げ、獅子奮迅のミュトス無双をご披露仕って候! ……っていうのを思ってたんですけどね、たははー。まあ平和が一番でした」

「良かったよ……ありがとうなミュトス、みんなを護ろうとしてくれて。結果的に何もなかったから良かったけど君やリーベやシャーリヒッタがいてくれたし、ここの近辺は心配してなかったよ」

 

 気合十分! って感じの彼女はじめこの家付近を護ろうと見張っていてくれた精霊知能達に改めて感謝を示す。

 実際、この三人が家にいてくれてなかったら留守の間に何かしら襲撃めいたことがされてやいなかったかと心配で不安だったと思う。この子達がいたからこそ、俺は心置きなくアンドヴァリを追えたんだね。

 

 カレーを頬張る。うちのカレーは優子ちゃんの好みに合わせて甘めで個人的にはもうちょい辛くても良いかもって思うけどそれでもすごく美味しい。もうおかわりしちゃって二杯目だよ。

 悪魔達を相手に多少なりとも立ち回ったからお腹ペコペコだから余計にだ。もう何杯でもいけちゃうよねへっへっへ!

 

 

『言ったな? じゃああと10杯は行けよ公平、僕もここのカレーは好きなんだ。遠野真知子みたいになるべく胃袋を拡張していけ、くだらない悪魔だの聖女だの馬鹿どものアレコレよりずっと大事で値打ちがあることだぞ』

 

 

 いかん口が滑った! 言葉の綾だよ実際には食えて三杯が限度だよと脳内のアルマさんに答える。

 コイツやべーな、マジで俺を遠野さんクラスの健啖家に仕立てようと画策してないか? 人間の肉体には各人ごとに物理的な限界ってのがあるんだ、たとえ他の人が10杯食えようが俺には3杯が限度なんだ。無理をさせないでいただきたい。

 

 何をコマンドプロンプトが弱気なことを! と根性論みたいなことを言い出しかねないアルマさんの御小言は意図的にシャットアウトして。

 さておき俺はカレーを食べつつ、話の続きをする。少し離れたところ、専用椅子の上にちょこんと座って機嫌良さそうに身体を左右に揺らすアイに、視覚的癒やしを得ながらもだ。

 

「えーとそれで、と……そう。明日また、放課後に全探組行って今日のことについて話し合ってくるよ。晩御飯には間に合わせるからそのつもりでよろしくね」

「二学期早々アンタも忙しいわねー。分かったわ、ちゃんと用意しとくから気張ってらっしゃい」

「リーベにシャーリヒッタ、ミュトスもついてきてほしい。その間、近辺の護衛はあてがあるからそっちに任せるし」

 

 明日については今日の話、特にアンドヴァリ周りで何が合った末にシャルロットさんの大怪我が引き起こされたのかについてヴァール達から話を聞きに行く。

 都合、精霊知能達もいたほうが良いだろう……あのヴァールをして誰にも想定できていなかった事態などと言わせる何かなんだ、システム領域絡みなのは間違いないからね。

 

 そしてその間、手薄になるこの近辺についても心配はしていない。まあ元よりWSOのエージェントさん達が今も見てくれているというのもあるけど、別口で俺にはあてがあるからね。

 二杯目のカレーを食べ終えてごちそうさまして、スマホを開き手短に文章を打つ。お相手は……

 

 

『かくかくしかじかいすたんぶーる。というわけで明日、昼過ぎから夜あたりにかけてこちらの拠点近辺の見回りをしてもらいたいのですが大丈夫でしょうか?』

『もちろん構いません、我が下僕レギンレイヴも汚名返上の機を得たと喜んでいますよ。まんまとあなたの下に悪魔を素通しさせたこと、ずいぶん気にしていますのでこうした話は大歓迎です。お任せください』

 

 

 そう、織田こと北欧神話の大神オーディンだ。彼はすぐさま反応してくれて、しかも護衛依頼も快諾してくれた。

 今日の昼、悪魔アガレスが俺のところにまでやってきたことを彼の部下たるヴァルキリー、レギンレイヴさんは相当気に病んでしまっているみたいだ。名誉挽回の機会を得たとハッスルしているみたいだね。

 

 あんな、時間停止なんて馬鹿げた権能なんだから仕方ないとは昼間も言ったんだけどマジメさんだなあ。

 まあそんな彼女の気が少しでも晴れるなら、こちらとしても提案した甲斐があるってなもんなんだけどね。




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