攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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この半年で何回起きてるんだ、シャイニング山形フィーバー……

 さておきカレーも食べたし、帰ってきてそこそこに時間も経った。ぼちぼち風呂入って落ち着いた段になったらヴァールに電話したいなーって思う頃合いだ。

 香苗さんもいい加減帰りたいだろうし、と言いたいところなんだけどなんかすっかり家族みんながお泊りモードに移行していて、ミュトス同様リーベの部屋にて今日は過ごすみたいな話になっちゃってたのがすごいや。

 いつの間に!?

 

「えっへへー、ミッチーも混ぜて女子会です女子会ー! ミュトスちゃんも含めて四人、珍しいメンバーですねー」

「香苗とは父様の話でいつまでも盛り上がれるからサイコーに楽しいぜ! なんならしちまうか、救世の光の配信!!」

「良いですね! ライブ配信の形でかわいいかわいいリーベちゃんとその妹シャーリヒッタ、そして期待の超新星使徒ミュトスと私伝道師御堂香苗のカルテットコラボレーション! 最新の救世主神話伝説の布教も併せれば同接100万は固いですよ!!」

「えぇ……?」

 

 恐ろしい企画を即興で打ち立てないでいただきたい。何が同接──同時接続数。要はライブ配信視聴者の数のこと──100万人だ、新興カルト宗教の配信にそんな人数が集まってたまるか、などと俺は思うんだけど。

 どうも世間様にも本気で例の組織とチャンネル、人気出ちゃってるみたいでさ。軽々しくありえませんけどー! とかさっきの女の子悪魔みたいなこと言えないのだ。

 

 きっかけはいくつかあるんだけどやはり直近で言えば香苗さんのS級探査者認定式あたりの騒動か。

 その直前にはリーベのアイドルデビュー+まさかのソフィアさん、マリーさんとのコラボ配信なんてのもあったからそのへんの複合のようにも思える。

 

 元々登録者数150万人超の、この時点でもいや待て多すぎるだろって数字を誇っていた救世の光チャンネル。

 それが上記の事件を経たことによりさらなる注目を浴び、なんと大バズリしちゃったのだ。具体的には登録者数が実に四倍の、600万人にまで伸びたのである。なんならまだ毎日数万人規模で登録者数が伸びている始末だ。

 

 伝道師たる香苗さんの美貌とネタっぷりとネームバリューと話題性。

 右腕とも言える宥さんの美貌とネタっぷりとネームバリュー。

 かわいいかわいいリーベちゃんが本当にかわいいかわいい上にアイドルとしても高いクオリティであること。

 そしてトドメとばかりになぜか……マジでなぜかだろうね客観的に見て。ソフィアさんとマリーさんという世界的VIPともコラボするほど懇意なこと。

 

 それらの要素に加えて例のフライングシャイニング山形騒動での何回目かの全国地上波悪目立ち。

 これらが見事なまでに呼び水となっちゃったのだ……噂が噂を呼び、これまでにも何度かバズっていたわけなんだがそれらを凌ぐほどの特大バズりを果たしたわけである。

 

 なんなら探査者界隈的な視点からも、俺に向けられた視線は相当なものだ。

 前から俺の活動についてや強さ弱さについてをレビューする配信者系探査者さんなんかはチラホラいたんだけどこれがドカンと増えた。認定式の日の諸々の映像から読み取れる俺やら香苗さんの持つスキルについての考察動画の数がもう山ほど増えちゃったりして。

 

 なんかもう、ネット全土に救世の光フィーバーが巻き起こっちゃってる感じなのですよ怖ぁ……

 だからだろうね彼女らのこの勢いというかテンションの高さは。俺はアイを抱きしめて全力で可愛がりつつも、遠い目をしてそのやり取りを眺めていた。

 

「どこに行くんだ救世の光……」

「きゅー! きゅきゅう! きゅっきゅっ! きゅーっ!」

「アンタもいよいよ有名人ねえ。半年前までに比べてずいぶん雰囲気も変わったし、高校デビュー大成功ね」

「高校デビュー!?」

 

 俺の両手にくすぐられて、楽しげに鳴き声をあげるアイを尻目に母ちゃんが話しかけてくる。どこかしみじみと、いろいろあって変わった俺を眺めつつの言葉だ。

 まあ、雰囲気はそりゃね……厳密に言うと半年前までの山形公平ではもう、ないから。肉体的にも精神的にも魂的にも、俺はオペレータでありアドミニストレータであり、その根源たる部分はやはりコマンドプロンプトなのだ。

 

 なんだけどそういうアレコレのシリアスをバッサリと高校デビュー大成功で済まされるのも、気楽でありがたいんだけどそれはそれでさすがにどうかな!?

 まあたしかにそりゃそうなんですけどもね!? 客観的に見る必要すらなく主観的にも高校デビュー大成功ですけども! あんまりあけっぴろげに思うのもどうかなと思う次第なんですけどねお母様!?

 

「…………と、とにかく風呂入ってからヴァールに連絡とるかあ。関係者のみなさんも、後で俺の部屋に集合でよろしくー」

「分かりました救世主様! ゆっくりと心身の疲れを癒やしてきてくださいませ!!」

「リーベちゃん達はもうお風呂いただいてますから、後は公平さんとミッチーだけですねー。お先、お部屋行ってまーす」

「おーう」

 

 ものの見事に高校デビューを果たした形になる我が身を否定できず、それがなんていうか、中学の頃の自分を顧みて急に居たたまれなくなったからそそくさと風呂に入ることにする。

 後は俺と香苗さんだけだし、俺はもうちゃぽっと入ってサクッと上がるかあ。明日も学校だし、早めに寝たいしね。

 そんなわけで風呂場に向かったのである。




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