攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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ソフィア、ヴァール、エリスに共通するもの。なーんだ?

 アンドヴァリと神谷さんの一騎打ちに割って入ってすぐ、一糸乱れぬチームプレーで神谷さんを保護に走った四人。

 見事なコンビネーションに対して、一方のアンドヴァリは一気に不利に追い込まれたにも関わらず、余裕綽々の表情を見せていたのだと言う。

 

「一切動じることなく、あまつさえ我々に皮肉なりなんなりと言葉を返す余裕さえやつにはあった。主に受け答えしたのはシャルロットだったが」

「そこもあの女のおぞましいところです、統括理事。自身の状況や状態がどうであれ、その優位にあることを一つも疑わない言動。認定式の日にアレクサンドラは自らの不利を認めて去っていきましたが、あれとて私からすれば驚くべき姿でした」

「アンドヴァリ……聖女となる前まではそのような傲岸不遜さは持っていなかったのですが。いえ、隠し通していたということなのでしょうね、初めて会ったドイツの、あの教会からずっと」

 

 沈痛に語る神谷さんがどうにも気の毒だ。自らの手で育て上げ、聖女の座さえ譲った自慢の弟子がここまで悪辣だなんて。

 しかもそれをおそらくは、出会った時からずっと併せ持っていて隠しきっていたってのは、ショックを受けて当然だよ。

 

 次いでその場にいた五人から、アンドヴァリが放った言葉がいくつか語られていく。

 どうも気になることをいくつかポロッとこぼしていたみたいだけど、それも策の一つなのかな?

 

 

『────ふふ、来てしまいましたか皆々様。WSO統括理事にS級探査者が二人。そしてシャルロット』

『神谷先生にせめてものご恩返しと思い、この場できっちりと痛みなく殺して差し上げようかと考えたのですが裏目でしたかねえ』

『師弟水入らずの殺し合いに割って入るとはなんとも無粋な方々ですが、まあ例のシャイニング山形まで来なかっただけ良しとしますかあ。あの子供だけは、現状どうにもできないですし』

『まったく統括理事といい初代様といいシャイニング山形といい……規格外が軽々に彷徨くのは止めていただきたいですね。あなた方のようなモノ達こそが人心を惑わす。彼のように、あるいは……私のように』

 

 

 とかなんとか言ったとか。とりあえずはなぜ俺に言及するんだ、やめてくれよとまずは言いたいよねこれ。

 やたら意識されてるのやりづらくて敵わないんだよね、正味な話。倶楽部幹部だってここまで警戒してなかったろうに、よっぽど倶楽部周りでの俺の立ち回りを詳しく聞かされたんだな、誰からかは知らんけど。

 

 そして気になるのが最後の言葉だ。ソフィアさんやヴァール、エリスさんに俺……

 ピンポイントでこの四人を指して規格外とし、あまつさえその存在がアンドヴァリや"彼"を惑わしたなどと言うがいかにも意味深じゃないか。

 

 やつの動機が俺達のうち誰かにあるとでも言いたいのだろうか? そして彼と指した者は一体?

 少しだけアレクサンドラ・ハイネンの動機部分につながるヒントを得た気がするけど、それが具体的にどういった意味なのかはさすがに分かりかねた。

 

「ワタシ、エリス、そして山形公平……やつの言う規格外という言葉の定義にもよるが、この三人のうちいずれかにやつを暴走せしめた決定的な理由がありそうだな。仔細はもちろん不明だが」

「アレクサンドラの年齢や活動時期を考えると公平は動機部分には関わってないんじゃないでしょうか? 規格外なのはまあ、それはそうなんですけど」

「あ、アンドヴァリは公平さんについてこ、"困る"とか"厳密には能力者ですらない"と言ってました。倶楽部の話を誰かから聞いたって。あの、その、それって、そ、そのーう」

「前二人と公平ちゃんは同じ規格外でも方向性が違う、かねえ? 公平ちゃんは純粋にアンドヴァリの邪魔になる規格外で困るけど、ソフィアさんやエリス先輩はそれ以外の意味を持つ規格外とか」

「実際山形さん、アンドヴァリのスキルとか無効にできるもんなあ」

 

 アンジェさん、ランレイさん、マリーさんに神奈川さんと次々に議論が交わされる。やつのいう規格外に、なぜ俺まで入っていたのかって話だな。

 ここについては四人の言うように、単純に倶楽部周りの話を聞いたがゆえの、警戒からの評価だろうってのは分かるよ。

 

 で、そうなると動機に関わる規格外ってのがソフィアさんあるいはヴァール、そしてエリスさんに絞られてくる。

 正直、アンドヴァリとの関係性的にはどっちも似たようなものだと思うんだけど……彼女達のどこに、何を見出したんだアレクサンドラ・ハイネン。

 

 今のところ考えても仕方のない部分だけれど、考えずにはいられない。

 そんなところをヴァールが半ば打ち切る形で、話を進めた。

 

「やつの動機については追って調べていくしかない。先を進めよう。ともあれそんな言葉を吐きながらアンドヴァリは一つの石のようなものを懐から取り出した」

「石だって? なんか嫌な予感がするんだけど……」

「うむ……その予感は正しいな。スレイブコアだ。あの、人をモンスターにする恐るべき石をあの女は隠し持っていたのだ」

「…………!!」

 

 いよいよここからか。アンドヴァリが謎の気配を発した理由。ヴァール曰くのウーロゴスと融合したという顛末。

 倶楽部が精製していた、スレイブコア……モンスターに与えればスレイブモンスターとして使役でき、人に与えればバグモンスターとして変成させる狂気の産物が、やつの手元にもあったんだ。




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