攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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これがホントの"親の心子知らず"ってか!?

 サークルについても、どこかそこはかとない理由や動機がありそうなのはなんとなく伝わってくる三体の悪魔達の様子。

 とはいえそれは、社会をひっくり返すようなテロに走って良い理由にはなり得ない。だから俺達としてはどうあれ止めるんだけど……けれど機会があるならば、藤近や海方からそのへんの話は聞いてみたい思いはちょっとある。

 

 さしあたっては今度の捜査次第だね。アンドヴァリの件といい、どうも謎だらけな感じだから少しでも全貌が明らかになるきっかけになると良いんだけど。

 そう思いながら当初の質問、ウラノスコーポについて尋ねる。ことここに至りアガレスもすっかり心が折れたのか、やるせなさを醸しつつも素直に答えていってくれた。

 

『ウラノスについては……あれは元々委員会とのつながりだと聞いている。先代の社長だかCEOだかが接触し、委員会に資金提供を行う代わりに技術提供を受けたらしい』

「十中八九、スキルブーストジェネレータだな。先代、マーク・ブドレドだったか。今はもう隠居しているが委員会とつながっていたとは」

『とはいえ、仲間だったわけでもないようですね。彼の息子にして今のウラノス社長のエドウィンが以前、そのようなことを言っていました』

 

 やはりというべきかなんというか……スキルブーストジェネレータは案の定、現世だけの力で組み上げたテクノロジーではないみたいだ。

 委員会側からの技術なんてまず間違いなく権能絡みのものだろうからな。それを用いてスキルを増幅させる技術を確立し、組み込んだのがAMWってことなんだろう。

 

 もちろんそれでもそんなもんを創り上げたのは十分すごいんだけど、ねえ。よりによって委員会からの技術と考えると複雑ではある。

 これ、葵さんが耳にしたらどんな気分になっちゃうんだろうなあ。にわかに案じる俺の隣で、困惑するアンジェさんが続けて尋ねた。

 

「仲間じゃない? 資金提供や技術面での援助を受けといて何よ、それ」

『いわゆる面従腹背ってやつ? 委員会からの技術で組み上げたあのAMWってさ、対モンスターを謳ってはいるんだけどホントは対能力者用の殺人機動兵器らしいんですけどー』

「…………エリスさんも以前、そんなことを疑っていたなあ。軍事産業のウラノスのことだから、名目はモンスター用でも実際は能力者相手を想定してるんじゃないのかって」

『エリス? 誰か知らないけど合ってるじゃん。でさ、マークはそのAMWで、委員会側の能力者を始末しようって考えてたみたいなんだよねー』

「何?」

 

 AMWについて次々もたらされる情報。以前にもエリスさんが零していたけど、対モンスター機動兵器とはいうものの対能力者用を前提にしている機構なのではないかという疑いはあった。

 悪魔達が嘘を付くか誤解しているかでもない限り、それが証明された形になるな。ただ先代社長の時代には、むしろ対委員会という側面も持っていたとオノスケリスはいう。

 

 どういうことか、訝しむ俺達。

 セーレがつまりですね、とオノスケリスの言葉を要約し、整理して話してくれた。

 

『マーク・ブドレドは最初から、委員会を利用していたのです。彼らがもたらす"次の時代"、概念存在による支配が成った新たな時代を危惧し、それに対抗するべくAMWを造ったのですね』

『その次の時代において、能力者同士の戦争が起きると見ていたようだ。それに備えての計画だったようだな、元々は』

「あえて委員会側に与することで、か。虎穴に入らずんば虎子を得ずとは言うが、恐るべきことをするな……!」

 

 唖然とした様子でヴァールが呻くが、俺も正直同意見だ。マーク・ブドレドさん、すさまじい覚悟だよ。

 どういった経緯で委員会と接触したのかは分からない。けれどそこで彼はとっさに思いついたのだろう、彼らに与して技術を受ける裏で、彼等のもたらす野望と野心を挫くためのプロジェクトを。

 

 そして委員会に従順な姿勢を見せつつも、AMWを創り上げた。対モンスター用兵器という名目の下、事実上の対委員会用の人類側の切り札を自らの手で創り上げようとしていたんだ。

 信じられない胆力だ……第七次モンスターハザードの頃にはAMW試作機が投入されたと聞くし、少なくとも四半世紀以上前にはもう、ウラノスコーポは委員会との水面下での戦いを繰り広げていたってわけだな。

 

 ただし、それもマークさんが社長でいるまでの間だった。

 セーレは淡々と、ウラノスの変遷について語る。

 

『ですがその目論見は結果として外れました。息子のエドウィンはマークの思惑を崩し、委員会側に心底からの恭順を示したのです』

「…………面従腹背の意志を、息子が覆したわけね。父親と仲が悪かったのやら、あるいは本気で委員会に屈しているのやら」

『四基のAMWがサークルに齎されたのは、ウラノスコーポが委員会に対して行った謝罪と賠償のようなものと言えましょう』

 

 父の意志、覚悟を息子が裏切った。本来ならば委員会を討つためのAMWを、よりによって委員会傘下のサークルに引き渡したのだ。

 謝罪であり、賠償。ウラノスコーポレーションはその時に、真の意味で委員会の飼い犬に成り下がったということだった。




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