攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
一応の話もまとまったし、俺達はダンジョンから再びヴァールの自室に戻った。ずいぶん時間もかかってもう、昼過ぎだ。
せっかくだし首都圏のなんか美味しいものを食べようかなーって考えていると、そういう話になる度に反応する脳内のアルマさんが、またしても当然ながら食いついてきた。
こいつ、真面目な話の時は一切出てこないのにこの手の話には即反応するな……
いやまあ、真面目な話に興味なさそうだから口出ししないならそれはそれで良いんだけども。
『君らのしょうもない小競り合いなんて基本、口出しどころか見る価値もないからね。あのアンドヴァリってやつくらいかな、見所ありそうなのは。公平に追い詰められてどんな吠え面をかくか楽しみだけど、所詮その程度でしかないし』
これだよ。もはやアンドヴァリがただの見世物くらいにしかなってないし、なんならサークル以下その他諸々なんか見向きもしていない。
それでいて飯時になると毎日毎食騒がしいんだから、退屈だけはしないよな、俺の脳内も。
さておき一緒にダンジョンから出てきた三体の悪魔を見る。事実上もう放免なんだけど、さすがにこの期に及んで抵抗だの反撃だのはしてはこないな。
セーレやオノスケリスはともかく、アガレスがちょっと怪しいかな? と思ったんだけど……もう現世と関わること自体に嫌気が差しているようだ。何やらぶつくさと言っている。
『アドラメレクなぞの甘言に乗った私が愚かだった……大ダンジョン時代は、そしてそこにいる能力者達はやはり概念存在では太刀打ちできん。それが分かっただけ良しとすべきか』
『アガレス。あなたは、このまま概念領域は己の居城に?』
『無論だ。お前のように偏執狂でもなければオノスケリスのように恥知らずでもないのでな。向こう500年は誰とも会うまい』
『誰が偏執狂ですか』
『恥知らずって誰のこと!? 誹謗中傷なんですけど、訴訟なんですけど!?』
一人だけすごく冷静な判断をしていて、俺としてもアガレスだけは理解ができるよ。
ここまでの目に遭ったら普通、藪を突くような真似はせずにさっさと帰って引きこもるよね、少なくとも大ダンジョン時代が終わる頃まで。
概念存在は実質不老なんだし、待ってりゃ収まる話なんだから待っていたら良かったんだ。
まあ、できないとか、直接たしかめたいって気持ちもよく分かるから、俺としてはいろいろ間が悪かったなとしか言えないんだけれどもね。
それを考えるとセーレとオノスケリスやっぱちょっとおかしいんだよなあ。
娯楽ドップリのオノスケリスはオタク的観点から見ると理解できなくもないが、にしたってそこまで命懸けてやることかよって感じだし。セーレに至っては完全に瀬川聡太の成り行きを見届ける、ただそれだけの一心で現世に留まろうとしている。
アガレスに偏執狂と言われても仕方ないぞ、ぶっちゃけ。
彼がうんざりした様子で、反論してきた二人に返事した。
『お前達だ。クソ……好きにするが良い。私はもう帰る。文句はないな、山形公平』
「ない。今言ったように、もうあと数百年すればこの時代もずいぶん変わるだろうからゆっくり眺めていると良いさ」
『ふん……高くついたがいい勉強になったとしておく。世界は広いということだな。さらばだ』
空間転移の権能を使い去っていくアガレス。ある種、潔い引き際だと言えるだろう。これでもう彼とは会うこともないな。
さて、続いてはセーレとオノスケリスだ。俺はヴァールに話しかける。
「この二人は引き続き俺が預かっておく。セーレは俺の部屋に留まらせるしオノスケリスは後日、織田のところに引き渡す。とりあえず今日のところは飯食ったら地元に戻るよ」
「分かった。我々もこの後、アンジェチームと情報共有した上で警察と連携して件の施設……サークルと関係があると思しきカレッジサーチャーズ関連団体施設への捜査に向けて動く。おそらくはもう数日したら行うので、そのつもりでいてくれ」
「分かった。じゃあ……開け、ワームホール」
直近に控えたカレチャ施設捜査については、ヴァール達の指示を待つばかりだ。であればこっちはこっちでできることから進めていくかとワームホールを開いた。
データ領域への穴……セーレとオノスケリスを放り込むためのものだ。
セーレは今後、俺と契約を結ぶことで瀬川の終わりを見届けるまでは俺の近くに置いておくことになるけど、オノスケリスは織田のところに引き渡す。
その時が来るまではまた、ワームホール内で寝ていてもらおうってわけだった。
『うぇ……またここ入るのー? 気がついたら時間飛ぶなら、ソシャゲのログボとか手に入らないんですけどー!』
「気にするのそこなのか……スマホ貸してくれ。お前がいない間、ログインボーナスだけは受け取っといてやるよ」
『えっ、ホント!? 助かるんですけど、ログボの受取に加えてデイリーとウィークリーミッションをこなしといてくれるなんてありがたいんですけど!! あ、でも勝手にガチャしたら赦さないから』
「即座に調子に乗るな!! あと人のデータは極力触れないぞ、当たり前だろ! でもガチャについては分かるからしないよ……」
怖ぁ……変なところでいきなり厚かましくなるじゃん。
呆れるほどに小生意気な少女悪魔は、ちぇーと舌打ちしつつも満面の笑みを浮かべ、にへへと笑うのだった。
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