攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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悪魔セーレが仲間……仲間?仲間……に、なったぞ!

 悪魔アガレスが概念領域へと還り、オノスケリスが再びワームホールの向こうへと消えた。残るはセーレのみとなる。

 彼女とは改めて契約を結ばなければいけないわけで、俺はセーレに対して話しかけた。

 

「それじゃ契約しようか……《悪魔セーレは俺の使い魔となる代わりに、瀬川聡太が逮捕されるまでを見届ける》」

『《瀬川聡太が逮捕されるまでを見届ける代わりに、悪魔セーレは山形公平の使い魔となる》。ええ、交わされました。今この瞬間にあなたこそ我が新たな主です、山形公平』

 

 そう言って跪くセーレ。いくらなんでも大仰なんだが、まあこのくらいは思う通りにすると良い。

 さっきも言ったがこんなもん、ぶっちゃけお互い特にメリットもなければデメリットもほとんどない内容だ。破ればペナルティがあるけど、ぶっちゃけ瀬川の末路なんて好きに見とけよってスタンスだしな。

 

 そして瀬川の終わりを逮捕されるまでとしたのは、セーレの想定しているのがそこまでだからだ。

 あいつが逮捕されるとなると事実上サークルなんてもう滅びてるも同然で、何よりセーレはサークルはそこそこ気にしているものの、やはり瀬川にこそ執着してるみたいだしな。

 

 すぐにこの契約も満了を迎えるだろう。それがわかるから、俺も契約を結ぶ気になったわけだね。

 これが瀬川が死ぬまでとかだったら還れよ! としか言えなかったわ。

 

「基本的にお前に望むことは何もない。ただ必要な時以外はいつもの空間で待機するようにだけ頼みたい」

『はい。我が主たるあなた様のご恩情による契約であることは重々承知しております。あなた様の用意してくださった空間にて備え、私はことの成り行きをただ、見守りたく思います。我が主の仲間の皆様方も、どうかそれをお許し下さい』

 

 一応釘を差すけど、心配いらずだったか。

 セーレはとにかく自分の立場を理解しているようで、ひたすら平身低頭の様相を見せている。

 

 俺のみならずシャーリヒッタやヴァール、アンジェさんにまで平伏するんだもんな。

 誠実なのは分かるけど、その裏に潜むのが瀬川へのドロっとした、ネチョっとしたタイプの執着っぽいのが怖いよ。

 

「──たっだいまーですー! 実働部隊の帰還ですーってありゃ? 悪魔セーレ?」

「ありり? なんかみなさんで悪魔囲んで土下座させてます?」

「話し合い、お、お、終わったの? もしかして今からその悪魔の、その、あの、し、処刑式?」

「たまに出るその血腥さはなんなんだ、ランレイ……」

 

 さておき、そうこうしているうちに外で仕事してきてくれたリーベやミュトス、ランレイさんに神奈川さん、ステラも帰ってきた。

 当然ながら堂々とそこにいるセーレを前に唖然としている。するよねそりゃ、帰ってきたら悪魔なんだもんよ。

 

 みんなを中に招き入れ、俺は先程までの経緯を説明する。

 そろそろホントにお昼食べに行きたいなー。お腹空いてきたよー。

 

「かくかくしかじかおなかがすいたー。ってなわけでして、悪魔セーレはサークルとの決着がつく間、俺預かりとなりましたー」

『よろしくお願いします……などと言っても、受け入れられないのは承知しております。要所にのみ姿を見せますので、どうかお気になさらずお願い申し上げます』

 

 事情を話してセーレが頭を下げれば、まあまあみんな困惑するよね。

 特にセーレが俺に契約を持ちかけてきた理由だ。瀬川聡太を最後まで見届けたい、なんてあまりに執着心が強すぎるものな。

 

 これにはリーベもミュトスもひえぇーってなってるし、ランレイさんはメガネの奥で疑念の視線を向けている。こういうところ、さすがは能力者犯罪捜査官だと思うよ。

 そして瀬川との絡みで因縁も深いだろう、神奈川さんとステラは。

 

「なんとまあ……瀬川目当てにそこまでするのかよ、悪魔セーレ」

『神奈川くん、それにステラくん。君達ともいろいろあったけど、今や私は我が主、山形公平様の忠実なる下僕だよ。面白くはないだろうけど、どうかよろしく頼むよ』

「面白いとかつまらないとかはなんでも良いんだけどよ……まあ、良いか? 山形さんならどうとでもできるだろうしな」

『だね、千尋』

 

 二人にはセーレも多少、フランクな語り口になるのがちょっと面白いかも。

 瀬川とセーレ、神奈川さんとステラ。ある意味対照的な立ち位置だし、敵対する仲でもお互いに通ずるものはあったのかも知れない。

 

 そして、そんな神奈川さんの信頼が厚い。いやまあたしかにどうとでもできるし、そもそもセーレの現状はこと委員会絡みだと詰みに近いから契約破りとかはしてこないだろうけども。

 俺がいるなら大丈夫やろ! みたいなプレッシャー止めてほしいんですよね陰キャ的に。そういう役回りは関口くんみたいな陽キャイケメンクラスの中心マンにこそふさわしいはずだからね!

 

 

『おーい公平、もう良いだろご飯にしようぜ! なあ、もう外とか行かずまたこのホテルのステーキを食べるぞ!!』

 

 

 と。腹の虫ならぬ脳内のアルマさんがまた騒ぎ始めた。

 たしかにいい加減、俺も空腹だしな。セーレを俺の部屋に戻らせたらみんなに呼びかけて、お昼ご飯はステーキとしようか!




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