攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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過去イチ悔しがる山形公平くんの姿がこちらです。ご査収ください

 その後、セーレをワームホールを介して俺の部屋に送ってからステーキをみんなで食べてウメーウメーと叫び。腹を満たしてから家に戻ってその日はゆっくりした俺達山形家。

 首都圏のほうは引き続き拠点捜査を行いつつも、数日後に控えたうちの県の湖畔、カレチャOBOG施設への強制捜査に向けて段取りが組まれることとなり。

 

 ──そして翌日。

 週明けの学校の昼休み、学校の人気のない廊下にて。俺はそのメールを受け取ったのだった。

 二日後の水曜、夕方からいよいよ施設に踏み込むとの連絡である。

 

「警察、WSO、そして地元の全探組からのスタッフも込み込みで探査者総勢100人近くによる包囲網か……すごいな、大捕物だ」

『烏合の衆だねえ。弱いからこそ群れるのは分かるけど、こないだと言い今回と言い集団戦ばかりじゃないか? ここ最近は』

 

 スマホに目を落とし、一人でつぶやく。重要極まる情報だ、万一にも誰かに知られるわけにはいかない。たとえそれがなんら無関係の、善良なるクラスメイト達であってもだ。

 脳内でアルマが嘲るように言うが、烏合の衆だの弱いだのは無視するとしてたしかに今回の対サークル、対ダンジョン聖教過激派においては集団同士の乱戦というシチュエーションが多いように思う。

 

 まあ、倶楽部と違って相手方も戦力が多いからな。つられてこちらも数を用意せざるを得ないわけで、どうしても小競り合いじみた形になるのは仕方ない。

 それでも主戦力には押しも押されもせぬ強者達が揃うのだから、量はともかく質の面ではこちらが有利と言えるだろう。

 

 ただ……向こうにも無視できない要素はいろいろある。

 ウーロゴスも何体でてくるか分からんし、サークル幹部に渡されたAMW、ノイエヴァルキリーとルートディバイダー、マキシムとミレニアムも投入されるかも知れない。

 

 そして何よりもウーロゴスと一体化したアンドヴァリ。もしもやつが出てきたとしたら、その相手はおそらく俺が務めなければならないだろう。

 ワームホールを使いこなす、概念存在にも至りかねない現世の人間。ミュトスの権能を無断で使用した挙げ句勝手に一体化したことも含め、どうあがいてもこればかりはシステム側の案件だ。

 

 メールをくれたヴァールも同じ見解でいて、俺宛にだけだろうか、追伸がてらやつが出てきた際には相手をするように指示が来ている。

 問題ない。俺は一人、気炎を吐いた。

 

「アンドヴァリ……アレクサンドラ・ハイネン。やつの真意がどうであれ、これ以上好き放題はさせない。かならず捕まえてみせるさ」

『もう面倒だし消せよあいつ、かったるいんだよお前らのやり方は。とりあえず殺して、後のことは適当に隠すで良いだろうに』

「怖ぁ……いい加減に理解しろよお前も。ここは日本で、法と秩序が根差した国家だ。そして俺が山形公平である以上、それらには従う義務があり権利があるんだよ」

 

 もうとにかくさっさとことを済ませたいアルマの提案は、たしかにことの前後や善悪を考えなければ最短ルートではあるんだろうけどな。

 今の俺は人間という社会的生物の一人として生きているんだし、なかなかそんな極端に走りたいとも思わないんだよ。

 

 俺の言葉に深々とため息を吐き、アルマは黙り込んだ。

 いつかは俺の気持ちを、理解する日がこいつにも来ることを祈るよ。

 

「──と、織田からもメールか。オノスケリスの件、どうかな」

 

 メールの文面を眺めていると、織田からもメッセージが届く。悪魔達との話し合いの後、すぐに悪魔オノスケリスの保護について彼に打診していたのだ。

 最初は驚いていた織田だったが、ことの成り行きを教えると結構興味深く聞いていてくれた。それでもさすがに悪魔を匿うってのはリスク的に即断即決しかねる事案のようで、数日待ってくれと頼まれたのだ。

 

 そこからの今、返事が来たと見て間違いないだろう。

 俺はメッセージを確認した。

 

 

『お疲れ様です、織田です。例の件、正式に承ることにしました。我々がここに留まっている間、かのモノはこちらで保護いたしましょう。それではその旨、よろしくお願いします』

 

 

 ふう、とため息を吐く。これで一つ、肩の荷は下りたかな。

 いくら俺でも悪魔を二体も匿ってられんし、散々現世の娯楽を味わいたいって言ってるやつをいつまでも隔離するのもなんだか悪いし。

 

 あと約束通りあいつのスマホでソシャゲのログボだけ取ってるんだけどさ……あいつ俺がやってるのと同じゲームしてるんだよね!

 しかも俺と違って死ぬほどSSR持ってんの! マジふざけんな自慢かチクショウ、過去一悔しかったまであるぞ、このう!

 

「でも、同好の士が近くにいるのは嬉しい。とても嬉しい……織田のところで安全が確保されたらいつか話したいな、ソシャゲの話」

『チョロいなー。コマンドプロンプトならぬコマンドチョロンプトって改名したらどうだよ』

 

 うるさいよ! 良いだろ別に、趣味が合うなら悪魔でも元敵でも!

 アルマにうがーっと抗議しつつも、俺は織田へ感謝のメッセージを送るのだった。




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