攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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激突!サークルvs探査者達

 スレイブモンスターと探査者があちらこちらで戦闘し、アパートからは頻繁に銃やら弓矢が飛来してくる危険な戦場。

 うちの県の誇る湖の、畔で何してくれてんだこいつらはって率直に思う。ここまでのことをしでかしたからにはもう、サークルは絶対にここで捕らえなきゃならないなって思うよ。

 

「《鎖法》、鉄鎖乱舞! 遠距離攻撃はワタシと御堂香苗、並びに対応可能スキル保持者で食い止める! 近接戦闘者はまずスレイブモンスターを叩き施設への道を開けッ!!」

「《光魔導》、プリズムコール・ショットプット! そして彩雲三稜鏡! 施設周辺を覆う結界となり、弓矢弾丸のことごとくを防ぎなさいっ!!」

「チッ……こっちも行くぜ、幹事長と聡太がシャイニングのガキを狙うから、俺達はチェーホワと御堂を狙うぞ! 射線を遮らせるなっ!! 近くのスレイブモンスターどもも、まずはあそこの女二人を殺せ!!」

「了解です副幹事長ッ!! せめて一太刀、浴びせてやるっ!!」

 

 スレイブモンスター並びに俺めがけて走ってくる敵幹部も脅威だが、まずは何より施設から撃ち込まれてくる遠距離攻撃をどうにかしないといけないだろう。

 そう考えてヴァールと香苗さんを中心に遠距離攻撃にカウンターできる探査者がそれぞれスキルを発動するんだが、海方はそれゆえに彼女達に狙いを定めたようだった。

 

 施設から次々と出てくるサークル構成員。過激派騎士は見えないが、やはりいないのか、この場に?

 海方の指示に従い剣やら斧やら槍やら持って、ヴァールと香苗さんに突撃しようとする連中。対するこちらも、アンジェさんとランレイさんの二人が突出して飛びかかり、その剣と脚を振り下ろして叫んだ。

 

「舐めてんじゃないわよ、サークルッ!! アンタらごときに断じて好き勝手させるもんですかってのッ!!」

「アンジェリーナ・フランソワッ!! 祖母の七光りがっ、お前から殺してやるッ!!」

「シェン・ランレイもだッ!! てめぇ御自慢の両足ぶった斬って嬲りものにしてやるっ、よくも今まで俺らの拠点潰しまわってくれたなァッ!!」

「笑止なりサークルッ! その邪念邪心ごと、我が斬撃脚はすべてを断ち切るぞッ!!」

 

 ことここに至り、サークル構成員達もその悪意、害意を一切隠すことなく露わにしてくる。

 怖ぁ……完全に正気を失ってるじゃん。

 

 狭いコミュニティの中で、テロリズムにどっぷり浸かってハマって挙げ句に先鋭化した成れの果てってところか?

 サークル首脳陣が意図的にこうなるように差し向けていたとするならその罪はさらに重いものになるだろう。

 

「《鎌法》! オラオラオラオラァッ!! モンスターども、このシャーリヒッタ様が輪廻に還してやらァッ!!」

「《イミタティオ・トリニタス・コスモス》! 断獄様の力をここに、今! ──ていうかウーロゴス出てきますかね? 一応スタンバっときはしますけど。スタンバリバリってな感じで!」

「どォかなァ! あり得るかもだから奥義は使わず適当にモンスターの相手しとけよミュトス、万一出てきたらお前さんが切り札なんだからな!」

「合点承知のアイアイサー! ってなわけでミュトスちゃんロケットパーンチ!」

「うおっ!? 断獄の腕、飛ぶのかよッ!?」

 

 近くにいるスレイブモンスター達はシャーリヒッタとミュトスが対応してくれている。

 スキルによって生み出した鎌を振るいモンスターを薙ぎ払うシャーリヒッタと、断獄の力を得て手足に外部装甲を装着して戦うミュトスと。

 

 特にロケットパンチの文言通り、断獄の腕を飛ばしてモンスターをまとめて叩きのめすミュトスがすごい。

 いや飛ぶのかよ。彼女の中にいる断獄もこの使い方は想定してなかったんじゃないかなあ。

 

 さておき、この通り総力戦の様相を呈してきた施設周辺。どこからかワームホールで出てきたモンスターも相当な量だ、倶楽部拠点にいた連中に比べても倍近くいるんじゃないのか?

 サークルは倶楽部に対して、ダンジョンコアを売って見返りにスレイブモンスターを受け取っていた。過激派もおそらく金を払って同様の支援を受けていたんだろうけど、もしかしたらそっちの分も今、ここに割り当てられているかも知れない。

 

 となれば、ここでスレイブモンスターを全滅させて構成員もすべて捕まえれば、事態解決に一気に近づくことになるな。俺は遠くから迫りくる藤近と瀬川を見た。

 方々でスレイブモンスターと探査者の死闘が繰り広げられ、すぐ近くでは構成員とアンジェさんチームが戦闘に入り、すぐ傍ではヴァールと香苗さんが遠距離攻撃を食い止めている。シャーリヒッタとミュトスもスレイブモンスターを相手に無双中だ。

 

 となると。

 やはり俺と、そしてあえてアンジェさんやランレイさんと別行動を取ってここにいる神奈川さんの相手はこいつらってことだろう。

 激戦の波をくぐり抜けてとうとうここまでやって来た、サークルの主犯格二人に声をかける。

 

「サークル幹事長・藤近功。そして瀬川聡太……あんたらの野心や野望はここで終わりだ」

「おっ! 俺のことを知っとるのか、光栄だな!! お前さんのことももちろん知ってるぜ、シャイニング山形ッ!!」

「山形、公平……!! それに、神奈川千尋!」

「いよいよ決着時かね、瀬川よう」

 

 この期に及んでなお豪快に大笑してみせる。快男児気取りだがやってることは結局ただの迷惑系だが、この男はそれさえ笑い飛ばすのだろう。

 その隣では優男風のイケメン、瀬川聡太が今にも飛びかかってきそうな顔をして大鋏を構えている。

 

 俺と神奈川さん、藤近と瀬川。

 お互いに睨み合う形で、少しの距離を空けて俺達は対峙した。




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