攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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幹事長と委員会の悪魔……出てきて即、終わったな……

 プレーローマ・アンドヴァリの権能を退けてすぐ、ラファエルが去って後。

 織田──北欧神話の大神オーディンと俺とのつながりを示唆された愛知さんが、ものすごく疑いというかどういうこと? 的な目を俺に向けてきて、俺はそっと目をそらさずにはいられませんでした。

 

「北欧大神? なぜ山形さんとオーディン神につながりが……君も召喚スキルを持っているのか? 噂に聞くポエミーなスキル名のどれかに、そんな類の効果があるんだろうか」

「い、いえ。そのー、そういうわけじゃないんですけど。向こうから接触してきて、それでいくつかやり取りをしたってくらいで。つながりだなんて滅相もない」

「向こうからの接触って、相手は北欧神話の最高神なんだが……いやしかし、何故か権能を持つ君のことだから何があっても不思議ではないのか。本当に何者なんだ?」

「いやー、ははは……」

 

 怖ぁ……なんかめっちゃ疑られている。いや当然の話だし、なんなら疑いどころか真っ黒なのが俺ちゃんなんだけど。

 愛知さん的にはかの大神、けっして無縁の神ってわけじゃないから余計気になるのかもしれない。こないだの認定式の日に喚んだスレイプニル、オーディンの軍馬だそうだからね。

 要は普段から世話になっているモノの縁者なわけで、挨拶できるならしときたいってのも、あったりするかもしれなかった。

 

 とはいえ、さすがにあけっぴろげに真実そのまま同盟関係ですーなんて言えるわけもない。

 ことはシステム領域にも関わる話だし、そうなると洗い浚い話すことにも繋がりかねない。言っちゃ悪いが愛知さんには現状、そこまで深いところを知る理由はないからね。

 

 というわけで愛想笑いでへへへーと誤魔化す。

 俺がほとんど何も答える気がないのを悟ってか、愛知さんは少し息を吐き、軽い謝罪をしてきた。

 

「すまない、いらないところに踏み込もうとしていたな。誰にでも事情はある。もちろん私にも。分かっていたんだけれど気が急いてしまって」

「いえ、お気になさらず。あー、それよりどうしましょうか、撤収するにしても、騎士団の人達みんな寝ちゃってますし」

「別働隊の騎士達を呼びましょう。ここからそう離れていない地点にいるはずなので、すぐに来られるはずです」

「そうか。ありがとう、シャルロット……」

 

 お互い事情はあるし、深い詮索はよしとこうねー。みたいに頷きあって後、ひとまず撤収を試みる。

 何はともあれ騎士団の人達が10人以上も眠ったままで、彼らをどうやって運ぶかってのが目下のところの悩みかな。

 

 にわかに考えたところ、シャルロットさんがスマホを片手に提案してくれた。あまりにも凄絶な過去を暴露されてなお、その姿は凛として健気なまでに平静を保っている。

 この人についても、プレーローマ・アンドヴァリ……火野アレクサンドラについても、このあと時間をとって話を聞かなければならないだろう。

 おそらくはそこに、今回の事件の核心があるだろうからな。

 

 ここに至るまで割とシャルロットさんに対して辛辣気味だった愛知さんも、先程の話を聞いてはすっかり同情的というか柔和な反応を示している。

 まあ、仕方ないよ。今回、一番アレな対応を受けていたっぽいヴァールだって聞けば似たよう態度になると思う。

 

 それほどまでに仕方ない経緯だったんだ。そりゃ何もかもかなぐり捨てる勢いでやつを狙うよ。

 エリスさんもチラチラとシャルロットさんを見ている。モリガナ姓ということで血縁かな? と疑っていたのが、マジだった上に決して手放しで喜べない経緯での邂逅だからね。

 

 みんな、少し落ち着いた時間が必要だ。

 話を聞くにも心身を落ち着けるにも……俺達は一度、互いの状況を整理する機会を作らなきゃいけないな。

 

 背筋を伸ばして身体を解す。どうあれこっちは片付いたし、サークルのほうもさすがにどうであれ決着がついている頃合いだろう。

 そろそろヴァールなり香苗さんなりに連絡取るかなーって思っていた矢先、スマホが鳴動した。見ればソフィアさんの番号からの着信だ。

 ナイスタイミング! すぐさま俺は応答した。

 

「もしもしー。山形ですけどー」

『無事でいてくれたか! 山形公平、今どこにいる? こちらはすでに片がついた、そちらの状況は?』

 

 電話の向こう、ヴァールのホッとした様子が目に浮かぶ。いきなり姿を消したもんだから、ずいぶん心配をかけちゃったんだろう。

 なんならヴァール以外にもいろんな人達が、俺の声を拾ってか安堵するのが聞こえてくるほどだ。

 

 言う通り、向こうは片付いたんだな……良かった。

 あとはアドラメレクの処遇次第で封印を解き、自前のワームホールで向こうに戻るだけか。

 まあ、こっちの撤収も見届けとかないとだけどね。今後の段取りを組みつつ返事をする。

 

「こっちもひとまず終わったよ……アンドヴァリに引きずり込まれた。エリスさんや葵さん、シャルロットさんに愛知さんともいるけど、残念ながら逃げられちゃった。ごめん」

『やはりやつか……いや、無事ならそれで良いのだ。万が一にもあなたがやられるなどと思ってもいないが、それでも心配したぞ』

「ありがとう、心配かけたな。ええとそれで、サークルはどうなったんだ? こっちにいる人達にも伝えたいから、詳しい話はともかく結論だけ先に聞いておきたい」

 

 積もる話はそれこそ山ほどあるんだけど、まずはサークルがどうなったかの確認だ。こっちにもともに戦う仲間達がいてくれるから、彼女達にも速報的に伝えておきたい。

 俺の言葉に、ヴァールはうむとうなずき一呼吸置いた。周りを見回してそうだな。

 それから少しして、今回の作戦が成功に終わったと告げてきたのであった。

 

『ああ──我々の勝利だ。サークル幹事長、藤近並びに悪魔アドラメレクはじめ複数の幹部を一気に捕らえた。副幹事長の海方、幹部の瀬川は逃したが、これでサークルは事実上の壊滅状態にあると言って良い』




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