攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
「もう、ほぼ壊滅したと言って良いサークルについてはともかくとして……今後はダンジョン聖教過激派、特にプレーローマ・アンドヴァリや残されたウーロゴスのことについて対策を練っていかなきゃいけないな」
「神の権能を取り込んで、永遠を夢見た女、ですかー……しかもあの火野源一の娘だなんて」
「正直予想すらしてなかったからめちゃくちゃ驚いたよ。アレクサンドラ・ハイネン、いや火野アレクサンドラか」
サークルについてはぶっちゃけもう、ほぼ片がついた話だからともかくとして。ダンジョン聖教過激派のほうはむしろ反比例するかのように問題が膨れ上がっているのが現状だ。
ついに動機らしい動機を口にしたプレーローマ・アンドヴァリ。その正体が倶楽部幹部だった火野源一の実の娘だってことにも驚きだけど、何よりウーロゴスを体内に取り込んで変異したその目的がおかしい。
不老不死──それをもってこの星の終わりを見たいという、完全に私的な野心、野望。
元より実母から火野を魅了して止まないエリスさんへの復讐を託されていたのとは別として、あの女はあの女で個人的な願望の下に委員会に属し、そして今日まで何食わぬ顔で六代目聖女をやってきていたのだ。
ヒトを捨て、かと言って概念存在とも呼べないナニカに成り果てたこと。俺は再三警告したけど何一つ聞く耳を持ってはくれなかったな。
これまでの罪やシャルロットさんへの仕打ちとはまた別に、あの女の現状は俺としてはどうにかしなければならないものだ。早々にやつを打ち倒して、取り込んだ権能を無理矢理にでも剥がさなければならない。
「直接見た感じ、ウーロゴスを取り込んで変異してからまだそんなに日も経っていないし、力任せになるけど剥がせなくはない。人にはたぶん、戻せるだろうな」
「あ、あのー。今後、そのアレクサンドラが追加で私の権能を取り込んでいく可能性はあると思うんですけどう。その場合は、どうですかね……?」
「問題ないよ。要は魂に権能が定着するまでに剥がし取れば良いわけで、後から追加されようが早々に決着をつけられるなら大丈夫。まあ、力をつければつけるほど捕らえるのに手間がかかるのはあるけど」
「そ、そうですか……うう、私の権能がとんだ厄介ネタに、とほほー」
他ならぬ自分自身の力の行く末だ、気になるのは当然だろう。重要なことを質問してくれたミュトスに答えると、彼女はガックシと肩を落とした。
そりゃそうなるよな……本来自分のものであり不可分なはずの権能が分離して、他所の概念存在やら現世存在に好きに使われた挙げ句勝手に取り込まれてヒトを止める道具にまで貶められているんだ。
ミュトスに関しては本当に申しわけない話だ。どこかで埋め合わせできれば良いんだけどな。
そう思った矢先、ステータスが更新されるのを感じ取る。久々だ、ワールドプロセッサからのお便りかあ。
名前 山形公平 レベル1080
称号 悪用されし神の権能、取り戻し返納するは我々の責務
スキル
名称 風さえ吹かない荒野を行くよ
名称 救いを求める魂よ、光と共に風は来た
名称 誰もが安らげる世界のために
名称 風浄祓魔/邪業断滅
名称 ALWAYS CLEAR/澄み渡る空の下で
名称 よみがえる風と大地の上で
名称 目に見えずとも、たしかにそこにあるもの
名称 清けき熱の涼やかに、照らす光の影法師
名称 あまねく命の明日のために
名称 風よ、遥かなる大地に吼えよ/PROTO CALLING
名称 神魔終焉結界─天地開闢ノ陣─
称号 悪用されし神の権能、取り戻し返納するは我々の責務
解説 そしてその時にこそ、ミュトスの真なる力は振るわれましょう
効果 なし
《称号『悪用されし神の権能、取り戻し返納するは我々の責務』の世界初獲得を確認しました》
《初獲得ボーナス付与承認。すべての基礎能力に一段階の引き上げが行われます》
《……プレーローマ・アンドヴァリなるモノの行いは予想外でしたが、だからこそ我々はミュトスに報いなければなりません。本来あり得べからざるモノを討ち、彼女にすべてを返すのです》
「────だってさ。ワールドプロセッサがここまで言うのは珍しいから、本気であの女については予想外だったし、本気でミュトスへと権能を返すことを考えているんだと思うよ」
「へ……へへぇーっ!! 私めの権能が世間様をお騒がせているのになんたる御慈悲! コマンドプロンプト様はもちろんのこと、ワールドプロセッサ様にも平身平伏平謝りでごぜぇますだーっ!!」
「怖ぁ……」
俺への意思表明であり、それ以上にミュトスへの気遣いの色が強いメッセージをそのまま伝えると、言われた当人はすっかり恐縮しちゃってその場に五体投地しだしてしまった。
時代劇かな? 相変わらずだけどまあ言葉遣いも昔なノリだね。リーベやシャーリヒッタが苦笑いしてるよ。
この子が、自分の権能を巡って引き起こされたことで気に病んでいるのは分かる。だがそこはむしろこちら側の世界の責任であり、ミュトスは何一つだって悪くないんだけどね。
それでもどうしても気にしてしまうんだろう、優しい女神様だよ。
「大丈夫。君の権能は必ず取り返す……そしてすべてを取り戻した暁には、精霊知能としてのミュトスも完成されることになる。そこはどうか、安心してほしい」
せめて少しでも気が楽になるよう、努めて優しく言葉をかける。
この子のためにも、さっさとプレーローマ・アンドヴァリをアレクサンドラに戻さないとな……
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