攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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うちの父ちゃんがWSO事務総長とマブダチになってる!?

「ファファファ! ここまでしどろもどろなエリス先輩、初めて見るかも知れんねえ。今頃になって血縁が目の前に現れたってんだから、それも仕方ないけど」

「マリーさん! おはようございます!」

「や、おはよう公平ちゃん。リーベちゃんにシャーリヒッタちゃんに、ええとミュトスだったかね? も、元気そうで何より」

 

 シャルロットさん相手に、かなりぎこちない様子でそれでもどうにか仲良くしたいってオーラが全開になっているエリスさん。

 そんな彼女に笑みをこぼしながらも俺達に声をかけてきたのがマリーさんだ。WSO特別理事として今回の件でもオブザーバー的立ち位置で動いているこの人を置いて、この手の話し合いはできないだろうね。

 

 そして、もう一人いる。マリーさんと並んで好々爺の笑みを浮かべている、探査者の老人。

 グェン・サン・スーンさん。ウラノスコーポへの捜査に関して中心的な動きを見せているというWSO事務総長が、これもまた俺ににこやかに話しかけてきたのだ。

 

「ホホホホ! やあどうも、久しぶりですなあ山形さん。我が友正彦はじめ、みなさんからご活躍は耳にしておりますよ」

「お、お久しぶりですサン・スーンさん。あの、父がいつもお世話になっております……」

「いえいえなんのなんの! 正彦は大変素晴らしい友ですとも、年は離れておりますがもはや、私にとって尊敬すべき親友ですらありますよ、ホホホホ!」

「そ、そうなんですね」

「よっぽど気に入ったんだねえ。ま、良い顔してるし悪いことではないさね、ファファファ!」

 

 怖ぁ……父ちゃんが国際組織のお偉いさんと竹馬の友になってる。

 前からとんでもないコミュ力でどうして俺はそこだけは似なかったんですか? となっていたんだけれど、ここまで来ると似なくていいかもしれない。

 

 これで父ちゃんのほうに野心や人脈獲得への意欲があるならまだ分からなくもなかったんだが、まず間違いなくないからなあ。

 そこは断言できる。あの父ちゃんはとりあえず一緒に呑めそうな人と楽しく呑みたいだけだ。それがたまたま自分の父親よりも年上で、しかも国際的な重鎮だったってだけでそんなところには一切頓着してないんだろう。

 

 そういうところをサン・スーンさんは気に入ったのかもしれないなあ。なんてことをしみじみ思いつつも、俺からも彼に対して話しかける。

 こちらは真面目な話だ。ウラノスコーポの捜査について……今日初めて知ったばかりのことを、確認するように問いかけた。

 

「あの、ヴァールからついさっき聞かされたのですが、ウラノスコーポの捜査のほうに回っていらっしゃったんですね。てっきりその、8月末にサウダーデさんやベナウィさん達同様に御自身のホームに戻られたのかと思っていました」

「でしょうなあ。私もそのつもりでしたが、AMWが犯罪組織の元に渡っているなどと聞かされてはそういうわけにもさすがにいかず。久しぶりに肝が冷える思いで馬鹿どもを叱りつけに行きましたわ、ホホホホ!」

「こいつにしてみりゃ、懇意にしていた企業が反社会的勢力だなんて迷惑もいいところだからね。下手すると痛くもない……わけでもない腹を探られる羽目になるわけで、余計に必死だったのさね」

「は、はあ。お疲れ様です」

 

 好々爺の笑みを浮かべているが、目はまるで笑ってないサン・スーンさん。かなり黒いものを感じさせる表情だけど、ウラノスコーポについてはそれだけ思うところがあるということなのかもしれない。

 まあ、マリーさんの言う通り迷惑な話だろうからね。葵さんにAMWが渡されるよう仕向けたのもこの人だって言うし、ウラノスとは相当な深度で付き合いがあったのは間違いない。

 

 それなのにそのウラノスがやらかした。となれば、芋蔓式にサン・スーンさんにも疑惑の目が向けられかねない。だからこの人も泡を食って直接、捜査に乗り出したわけだね。

 ああそれと、実はこの人も裏で繋がってましたーって可能性はないと俺は見ている。何しろソフィアさんやヴァール、マリーさんが邪悪なる思念との決戦後に真っ先に連れてきた重鎮だからね。

 

 多少薄暗いところはあるかもしれないけれど、最低限度のクリーンさは保っているからこそ世界の真実に触れるべきと連れてこられたのだろうし。

 だからそのへんは俺としては信用しているのだ。仮にマジで委員会側だったとしたら、それはそれでシステム領域について漏れてないっぽいのが辻褄合わなくなるからね。

 

「まったくマークは傑物でしたが、息子のエドウィンは絵に描いたようなボンクラで困ります。おかげで要らぬ苦労を背負い込みました」

「身から出た錆、と言いたいところだけどアンタ、あそことのつながりはたしかレベッカの婆様からの引き継ぎだったねえ。まったくあの婆様、死ぬ前も最後まで元気だったが死んでからも元気に面倒ごとを引き寄せて」

「ホホホホ! あの方らしいでしょう、先輩。齢100にて没する、その半年前まで現役で居続けた偉大な師の遺産と思えば……こうした苦労も、なんとなし許せるものではありますよ」

「そんなもんかねえ……? まあ、あの婆様に半世紀近くも振り回されてたアンタがそれで良いなら良いんだけどさ」

 

 昔話なのだろう。サン・スーンさんの師匠というレベッカ・ウェインさんについて語り合うマリーさん達。

 100歳まで生きたんだな、その方。しかも死の直前まで現役で居続けただなんて、ちょっとパワフルさがおかしい。

 

 大ダンジョン時代、いろんな探査者が過去にもいたんだなあ……

 当たり前だが100年の、重みと長さを垣間見た気がするよ。




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