攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
俺と関口くんの足捌きについてのやり取り──関口くんがモンスター相手を想定した動きでいたため、正直だいぶ本職寄りの話になっていたそれを見て、周囲のクラスメイト達も何やら興味津々のようだった。
今のところは横からしゃしゃり出てきたクラスの陰キャ山形くんに対する不満とかはなさそうだけど、さすがに横槍すぎたかな。
「関口くんはもちろんだけど、山形くんもすっげえプロっぽいな……なんかカッケェーじゃん!」
「てかさ、分かってたけどマジでシャイニング山形なんだね山形くん。ぶっちゃけクラス内だと全然存在感無いし、テレビで見るのと印象違いすぎて」
「それなー。梨沙が躍起になるのも分かるかもって感じ」
「大ダンジョン時代始まって以来の天才って話だけど、さすがにそれは盛り過ぎな気もするけどなー」
イケメン陽キャグループからの御言葉を耳に挟む。
そうです一応、俺ってばプロなんです! とドヤ顔をキメたくなる気持ちもあるけど、それ以上に影薄い存在感無いのを指摘されてアッハイ俺ってば陰キャです……と体調不良を理由に早退したくなる気持ちにもなっちゃう。
やはり目立ちすぎた!
あと大ダンジョン時代始まって以来の天才なんて、気もするとかじゃなくて普通に盛り過ぎだよ怖ぁ……
何やらマスメディアがあることないこと好き勝手書いているせいで、虚像のシャイニング山形がとんでもないことになってきてる気がしてならない。
最終的に単なるバケモノみたいになっちゃいそうで若干ドキドキしちゃうよ。
「ねえねえ! 関口くんは当然イケてるけど、あの山形くんってのも結構良くない? 顔は普通だけど」
「すっかり有名人なのも良いよねー、あとお金持ち! 顔は地味だけど」
「シンプルに強いらしいから頼りになりそうだよね。優しそうだから暴力とかもなさそうだし。顔はまあ、まあ、だけど」
「でもハーレム救世主なんだよね……あと宗教関係がちょっと」
「そこがね……」
えぇ……? 教室外から関口くん目当てに来ている女子生徒達の本音が耳に入ってきてつらい。
普通に地味で悪かったな、あとハーレム救世主違うし。宗教関係については何も言い返せないけれども違うし。
関口くんにのついでって感じで聞こえてくる意見の数々がまあまあ忌憚ない。
概ね好意的だとは思うんだけど、ストレートな高評価というよりはちょっと難ありだけど良いよねー的な条件付きなのが余計につらい。
俺同様に話を聞いたのだろう、関口くんが苦笑いして俺の肩を叩いてくる。
気にするなとでも言いたげな、労いめいた肩叩きだった。
「外野の物言いだ、気にするなよお前は……結局ああいう子達も、俺がたとえば探査者じゃなかったりこんな顔じゃなかったら同じように言うんだろうからさ」
「い、いや別に気にしてないし。ていうか関口くん、よくここまで注目浴びてるのに平常心でいられるね」
「慣れてるからなあ。まだ直接突撃してきて無理矢理仲良くして来ようとするのがいないだけ、学内は気楽でいいよ」
「えぇ……?」
「関口くんも苦労してるんだね……?」
梨沙さんと二人、彼の日頃を察して顔を見合わせる。前にもイケメン有名人探査者ゆえの苦労を溢していたことがあったけど、関口くんほどになるとそれはそれで大変なことがあるものなんだなあ。
当たり前だけど誰もが人それぞれ、各々の立場や在り方に応じた苦労ってのがあるもんだ。比べられるものではなかなか、ないよね。
変に感心しつつも見ていると彼は、軽く教室の外に手を振って笑顔を見せる。それだけで黄色い歓声があがるんだから、いやもうさっさとアイドルデビューしなよって言いたくなる。
まあ、彼自身はやはり探査者なんだけどね。段ボールの聖剣を手に、俺にも軽く微笑む。
「アドバイス、サンキューな山形。せっかくだし殺陣に取り入れる形にして、探査でも使えるようにどうにか仕上げてみるさ」
「ああ、うん……関口くんならきっとすぐに慣れるよ。頑張って、無理はしないで」
「無理くらいさせろよ。俺の目標は、お前なんだぜ……ちょっとやそっとじゃ届かないからこそ、無理してでも頑張りたいんだからな」
そんなことを言って、再び殺陣の練習に戻っていく関口くん。さっき俺が示したステップのリズムを再現して会得するべく、反復運動に取り掛かろうとしていく。
俺が目標、なんてなんだかこそばゆいけど、すごく光栄というか嬉しい言葉をもらえた気がするよ。
同じ探査者として、俺達の間には上も下もないとは思っている。ただ、それはそれとして互いに切磋琢磨できる間柄になれたことは、俺にとってとても誇らしいことだ。
やっぱり無理はしないでほしいけれど……強がりなところもきっと彼の長所だ。だったら彼らしく、彼の思う通りに道を歩んでいってほしいと思う。
「関口くん、本当変わったね。すごく良い顔して、公平くんのこと目標だって」
「はは、そんな大層なもんじゃないんだけどね……」
感心というかビックリというか、梨沙さんが目を丸くして俺を見る。彼女から見ても今の関口くんは、好印象を抱けるものだったんだね。
もちろん俺も同意見だ。それが嬉しくて、俺は彼女に笑いかけるのだった。
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