攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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ちゃんとログインボーナスは受け取ってくれる、これが救世主か……

 プレーローマ・アンドヴァリについての話もこのへんで一区切りつけて、俺達は次いで委員会についての話に移ることにした。

 こちらも結構、重要な内容だろう……悪魔だのAMWだのと、いろいろ話をややこしくしてくれている連中のことだからね。

 

「まさかAMWが四基も渡っているとは思ってなかったよ。しかもウラノスコーポから直々に、正当な形でのことだなんて」

「たしかに驚くべき話ですね……ただ私としてはやはり、あなたがこれまでに仕留めてきた悪魔達の面子にこそ瞠目するものはありますが」

 

 俺としては悪魔よりもAMWのほうが驚異っていうか、ショックな出来事だったんだけれど。織田としてはむしろ、俺がこれまで接触して相手して、撃破するなり捕縛するなりしてきた悪魔達の面々のほうが気になるみたいだった。

 正真正銘本物の悪魔で、しかも結構有名かつ高位な連中がいるみたいだもんな。ソロモン王の悪魔だっけか? ファンタジー作品的にも割と御用達な連中だ。

 

 認定式の日に捕まえたセーレ。始業式の日に倒したアガレス、オロバス、タンニーン。捕縛に留めたオノスケリス。

 いずれもアバター体だったが関係ない。倒したやつにしろ逃げたやつにしろ、きっちり責任を持って俺が相手させてもらったよ。

 

「悪魔連中については、めぼしい情報はすでに回収しているから。今日引き渡す予定のオノスケリスに関して、後は煮るなり焼くなりって感じの扱いを頼みたいところだ」

「オノスケリス……旧き女悪魔が、ソロモンの悪魔だのと一緒にずいぶん、動き回ってくれたようで。引き取ることに否やはありませんが、多少の尋問はこちらでも行いますよ」

 

 セーレと並んで現状、俺が捕縛している形になるオノスケリス。使い魔として待機しているセーレはともかく、特にそんな契約をしているわけでもないオノスケリスはデータ領域にて眠らせている。

 特に契約を結んでやる義理もないからね……それでも現世での誰かしらの庇護を求めているようだったので、じゃあ概念存在は概念存在の下にってことで織田を紹介しようと思っているわけだ。

 

 これについては織田も、驚きはしたもののすぐにうなずきオノスケリスを引き取ると言ってくれた。

 まあ、彼も彼でいろいろ聞きたいことがあるんだろう。そこらへんの質疑応答は好きにすれば良いんだけど、保護する以上は危害を加えたりはしないでねとだけ釘を差しておく。

 

「構わないけど、危害を加えるのは止めてやってくれ。基本従順だし、俺との誓いでもう委員会やサークル、過激派とは距離を置く形になってるしな」

「もちろん承知しておりますよ。私どもとしても、たかが小悪魔風情を小突き回すなど北欧の沽券にも関わります。何よりあなたからお預かりするともなれば、当然食客として遇しておきますのでご安心を」

「あ、そこまで甘やかさなくても良いよ。話した限り、調子づくと際限ないタイプっぽいから、ある程度は家事雑用等にこき使うくらいでちょうど良い」

「そうですか? でしたらそのようにいたしましょう」

 

 あくまで保護ではあるけれど、かと言って客人として下にも置かない扱いをしてくれとまでは当然言わない。

 どうせ保護下に置かれたらひたすらぐうたらしまくるんだろうなって気はしてるし。何しろ現世に拘る理由がマンガ・アニメにゲームに美味いものなり娯楽なりだ。遊び倒さないわけがない。

 

 なので多少は雑事を与えて手綱を握ったほうが良いよとアドバイスすれば、織田も特に反論もなく受け入れてくれた。

 ……そもそもあの悪魔、北欧大神たるオーディン相手にもあんな言動するのかなってところではあるかも。俺と違って見るからに威圧感と威厳のあるこの神にあんな口利けたら逆に尊敬するよ。

 

 ちょっとした好奇心も抱きつつ、俺はワームホールを開けた。データ領域へと繋がる空間に手を突っ込み、時間が止まったオノスケリスを引っ張り出す。

 彼女のなかで再度動き出す世界。最後に現世にいたのがダンジョンだったから、本人の視点からするといきなりマンションの一室に視界が切り替わったことになるな。

 第一声は驚きの声だろう。

 

『────うにゃあっ!? い、いきなり視界変わった!? なんか不気味な穴に飛び込んだらそこはマンションの一室だったんですけど!? これが世に言う異世界転移!?』

「ラノベも嗜むのか……お前の認識している時間軸から、もうそろそろ三週間ほどが経過しているぞ。おはようオノスケリス、季節も結構秋めいてるぞ」

「え……あっ、シャイニング山形!? 嘘、え、秋なのもう!? イベント終わっちゃってるんですけど!?」

「一応ログボだけ取ってるからそこんとこよろしく。はいスマホ」

 

 案の定、いきなりの視界の変転に驚く少女悪魔オノスケリス。精神体のままでキョロキョロあたりを見回しつつ、俺のざっくりした状況説明に即座に自分がやってるスマホゲームについて心配している。そこかよ。

 ちなみにこいつがやってるの、俺がやってるのと同じゲームだ……SSR所持率がぜんぜん違うけどな! なんで俺の3倍くらい持ってんだこいつ、課金してんのか受肉もしてないアバターのくせして!

 

 憤懣をどうにか押し殺してスマホを返す。こいつがデータ領域で凍結されている間にもう10月の中旬手前くらいだ、当時のイベントなんてとっくに終わってるしなんなら、その次のイベントだって終わりかけだよ。

 まあその分、石は多少キープできてるんじゃないかな? どうせこれでまたSSR引きやがるんだろうなーとかやっかみながらも、俺は織田に、オノスケリスを紹介することにした。




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