攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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ヤマガタ!!悪魔カテゴリは委員会絡みの同胞を異端だと認定したぞ!

 委員会に関わりのない悪魔達による、委員会側の悪魔達への糾弾、弾劾。

 はっきり言って内輪もめとしか言えないだろう、そんな事態が俺の知らない概念領域のどこかで、いつの間にか発生していたと言う。

 目を丸くする俺に、織田は仔細を語ってくれた。

 

「件の認定式の一件。あの場においてウーロゴスが用いられかつ、悪魔憑きや悪魔セーレまで姿を見せたことに対して、悪魔カテゴリの有力者派閥のいくつかが激憤しました」

「有力者派閥……っていうと、たとえば?」

「悪魔王ベルゼブブや堕天使ルシファー、魔界公爵アスタロトが筆頭ですね。その他にも東洋のほうでは天魔なども激昂したようです。やはり大ダンジョン時代に対して、迂闊に干渉した姿勢が許せなかったのでしょう」

「大体創作とかで聞き覚えあるなあ……」

 

 ベルゼブブだのルシファーだのアスタロトだの。みんな創作とかで大人気な名前で俺でも知ってるレベルの大物じゃないか。

 なんならプレイしてるスマホゲームのSSRユニットにいた気もするし。俺は持ってないけどオノスケリスは持ってたのを確認してしまった。羨ましい。

 

 そんなレベルで高位な悪魔達でさえ、あの認定式における悪魔の動きぶりややりたい放題な手口についにブチギレたのか。

 自分達が慎重に観察して様子見している、現世の大ダンジョン時代にあっさりと介入したのも許せなかったのだろうと織田は教えてくれた。

 

「神々もそうですが悪魔ももちろん、その大多数が慎重です。100年前に突然現れた大ダンジョン時代の各要素について、途中いくらか調査は行っていますが……基本的には静観と研究観察、議論に努めて向こう数百年は待つスタンスになりました」

「俺の立場から言わせてもらえるなら、あなたを含めて神も悪魔も概ね賢明だよ。委員会のようなことをカテゴリ総出でやってくるようなら、場合によってはシステム領域も今以上に介入せざるを得なかったかもしれないし」

「でしょうね。ですが結局、一部の悪魔や妖怪などはカテゴリごと余計な手出しをしていました。これに対して高位の悪魔達が怒りを示したわけです」

 

 概念領域から見て、まったく意味不明な要素であるスキルや称号、レベルといったステータスが跳梁跋扈する大ダンジョン時代。

 紆余曲折はもちろんあったろうけど、今となっては静観して成り行きを見守ろう、できる限り不干渉を決め込もうという姿勢を打ち出していた神や悪魔達だからこそ、余計に委員会の存在やそこに与する悪魔達について許せないところがあるんだろう。

 

 突かなくてもいい藪を無闇に突いて、とんでもない事態を招いた委員会への怒りというのは、ある意味、現世のどこよりも概念領域のほうが強いのかもしれないね。

 それゆえに悪魔カテゴリのなかの、特に委員会と関わっていないモノ達が会合を開いたのだという。

 

「無論、委員会に属している悪魔抜きではあったようですが。今回ばかりは派閥を超えた、カテゴリ全体での方針を打ち出すことにしたらしいですよ。クククッ、なかなか物珍しい話で実に興味深い」

「そうなんだ? まあ、今の話を聞くに基本は派閥単位でのまとまりなんだろうけどさ……よく一致団結しようと思えたな。いくら委員会がやらかしてるとは言っても、普通のことじゃないだろうに」

「そこは彼らも必死だったのでしょう。妖怪がカテゴリごと現世締め出しを食らったことについてはすでに彼らも知っていますからね──他ならぬあなたの行いが、悪魔達に決定的な危機感を抱かせたのですよ」

「えぇ……?」

 

 なんか急に俺のせいみたいに言われちゃった。

 どうも概念領域の悪魔達は、俺が妖怪を大ダンジョン時代から事実上シャットアウトしたことを知り、過剰に警戒しているみたいだな。

 

 カテゴリごとまとめて探査者に関わらないことを誓わせたわけだしね……知ればさぞや驚くだろうとは思っていたけどそれほどか。

 静観している連中に対しても一応、軽い釘刺しになったりするのかなーと思っていたら効きすぎてしまったみたいだ。結果として悪魔達を団結させたのは良いのやら、悪いのやら。

 微妙な顔をする俺に、織田はまたも声をあげて笑った。

 

「ククククッ! 悪魔達のみならず他カテゴリの概念存在達にとっても、アレは実に良い気付けになりましたよ。大ダンジョン時代をもたらしたモノの力を目の当たりにして、多少緩んでいたかもしれない気を再度引き締めだしたのですからね」

「そ、そんなリアクションになるんだなあ。お騒がせしてすみませんって感じだけど……」

「いえいえ。ともあれそのような形ですからね、会合は大いに紛糾しました。特に悪魔王ベルゼブブなどすっかり激怒して、わざわざ北欧神話圏にまで来ては私にもあれこれ話しつつ、愚痴をこぼしていましたね」

「そ、そうなんだ」

 

 北欧神話の最高神に、悪魔の王様が愚痴をこぼしに来るなんてどうも実感のない話だ。

 織田が俺とつながりがあるってのはそれ相応に知られてるだろうから、あるいはそのへんで何かしら用事もあって愚痴りに来てたりするのかな? まさか単なる仲良しこよしやだけでは、さすがにないと思うけど。

 

 一応訪ねてみたところ、織田は笑って首を左右に振った。委員会についてのあれこれを聞き出すことはあったけど、俺やシステム領域については特に言及はなかったようだ。

 

 まあ、警戒している俺についてのことだもんな。それとつながりのある織田にだって、そのベルゼブブとかって悪魔も相応に警戒していると思うし。

 愚痴がてら雑談に来て、話のついでに質問するくらいに留めてるってところかなー。




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