攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─ 作:てんたくろー
「公平さんまさかの戦乙女のお師匠様ですかー!? 概念存在の美女にも手を出すなんてさすがハーレム救世主様! 素敵、素敵!」
「人聞きの悪いこと言うな! 仕方ないからちょっと助言するだけだろ!!」
案の定の発言と、猫を思わせるニチャッとした笑みを浮かべるリーベに、俺は軽くやんわりとだけどその両頬をつまみ、左右にぐにぐに引っ張った。
家に帰って夕方の自室。山形家のメンバーであるリーベとシャーリヒッタに加え、現状居候なミュトスも集まって軽く雑談してたんだけど、織田家でのやり取りを話したところイヴさんの下りでリーベがふざけた反応をしたのが今だ。
アガレスを倒した俺から何やら教わりたいらしい彼女。織田の頼みもあり、役に立てるかはともかくアドバイスできそうならしますねと答えた俺ちゃん。
決して師弟関係なんてものでないんだけど、リーベときたら悪ノリしちゃって勝手にハーレム救世主ネタと紐付ける始末だ。
ウニウニと柔らかくきれいな肌を弄ぶ。リーベは半笑いで、やけに楽しそうに俺の両手に自らのそれを当ててきた。
「ひーんごめんなさーい! でもでも、助言って言っても公平さんのことですしキッチリ方向性とかは示すでしょー? おかし三人娘の時みたくー」
「言っちゃなんだがあの三人とイヴさんは前提条件が違うだろ? まだまだ駆け出し探査者さんと、概念領域で百戦錬磨だろう正真正銘本物のワルキューレとじゃ比較にならないよ。俺がどれだけ口出しできるもんなんだか」
「あー……まあ、何百年何千年と存在している相手でしょうしねー。正直経験面では、コマンドプロンプトとしての500年を加味しても及ばないかもですねー」
弟子入りなんてもっての外なんだけど、アドバイスだ助言だなんてのも大概荷が重くはあるんだよね。
なんせ向こうは概念存在だ、在り続けた年季と経験値が違う。北欧神話圏がいつごろ神話として成立したのかは知らないけれど、どうあれシステム領域が魂を獲得したのよりは昔のことだろうしな。
それにそもそも、コマンドプロンプトとしての500年ったって実質引きこもってひたすら演算し続けてきただけのもんだし、経験面で比べるべくもない。
つまり向こうさんのほうが圧倒的に年上かつ先輩と言えるわけでして、そんな相手に俺がどれだけものを言えるんだって話なわけだった。
「オペレータですらないのにその概念存在、父様から教えを授かるのか……おもしれーな。場合によってはインターフェイサーにスカウトしても良いかもしんねえ」
「ええと、シャーリヒッタ様が司令官で不肖私ミュトスめが一応の隊長なんですよね? 他のメンバーは誰か目星をつけてるんですか?」
「一応なァ。こないだの倶楽部ン時の仲間だったサウダーデとかベナウィとかフェイリンとかは人間だけど気になってるぜ。後は何人か、システム領域の精霊知能達にも打診中」
と、そんな俺達のやりとりからシャーリヒッタとミュトスが、インターフェイサー──システム領域による現世での特殊任務を果たすための特別部隊──創設のメンバーについて話し合っている。
すなわちシャーリヒッタをトップとして、現世も概念領域もシステム領域も関係なく在野の戦力を集めての武力組織の構成だ。
インターフェイサーの目的は、倶楽部やらサークル、ダンジョン聖教過激派のようなシステムを悪用する連中の野望を打ち砕くことだ。
要するにシステム領域版の能力者犯罪捜査官みたいなものだね。だからとにかく戦力面が重視されるのはもちろんのこと、多少なりともシステム領域とつながりがある面々をシャーリヒッタは求めているみたいだね。
すでにいくらか候補をリストアップしているようで、彼女は続けて言う。
「現世側や概念領域側のメンバーなんてのは、結局父様の知り合いから暇そうなのを勧誘する形になるんだけどよ……そん中でも特に有望そうなのって大体がもうヴァールのほうで確保してるからなァ。エリスに葵にアンジェにランレイ、できればこっちに引き込みたかったぜェ」
「ですけど、神奈川さんとステラ様はこちらに着くんですよね? ヴァール様もそんなことを仰ってましたし」
「まあな。あいつら二人は単なるヴァールの協力者、臨時スタッフみたいなもんらしいからよ。今回のことが終われば無職に戻るみたいだし、そん時にゃインターフェイサー入りするように話してるぜ。向こうからしても食いっぱぐれないのは助かるだろうしよ」
さすがはシャーリヒッタ、抜け目なくスカウト活動は行っているようだ。
でもやはりと言うべきか、目ぼしい面子は大体すでにWSOに与する形でヴァールが押さえてるのがさすが、大ダンジョン時代100年を支えてきた統括理事の年季って感じだね。
ただ神奈川さんとステラの二人を確保できそうなのは、シャーリヒッタにとっても相当大きいだろう。
精霊知能とその恩恵を得ている、システム領域についても多少縁のある人間。しかも聖剣使いなんだから戦力としても申し分ないしね。
あの二人は残る敵、プレーローマ・アンドヴァリとサークル残党を倒して今回の事件を解決した後、改めてインターフェイサー入りになりそうだ。
そしてそこに付随して、ミュトスは若干、顔を引き締めてシリアスめに語った。
「となるともうじきですねえ。たしかもう、連中の本拠地も割れてるから決戦の日取りも近いですし」
そう。決戦は近い。
家に帰ってきてから連絡があったんだけどね……いよいよダンジョン聖教過激派、およびサークル残党との最終決戦が行われるのだ。
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