攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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救世主・伝道師vsウーロゴス

 認定式の時も初っ端ウーロゴスを繰り出して来たから予想のなかにはあったけれど、数があまりに多すぎる。

 しかも敵はさらなる一手をすでに打っており、見れば地上のバリケードもウーロゴスに圧されて半ば崩壊していて、そこからサークルの連中が混乱した俺達に向けて一斉に押し寄せてきていた。

 

「っしゃあ! とりあえず不意は突けたぞ、遮二無二突っ込めぇぇぇっ!!」

「これが最後だっ! 思い切りやっちまえ!」

「よくもうちの大将を逮捕してくれやがったなぁっ!! 喰らいやがれ、探査者どもーっ!!」

「ぐるぁぁぁぁあおおぉぉぉぉぉぉっ!!」

「行きなさいよモンスター達! 憎き大ダンジョン時代に牙を突き立てなさいなっ!!」

 

 サークル構成員が、それぞれ武装して殴り込んでくる。非能力者もいれば能力者もいるし、悪魔憑きはもちろんのことスレイブモンスターもちらほら。なんならそれをけしかける輩さえいる始末だ。

 いずれも、防衛のために作っていたはずのバリケードなんて関係なしだ。なんならせっかくの木材や鉄鋼材を剥がし取って、それを武器にするようなやつもいる。

 

 これは……バリケードはハリボテか。

 脳内のアルマがつぶやく。

 

 

『ふん、小賢しいことするもんだね。守りに入ったと見せかけて、いきなり最大戦力を投入しての突貫とは。しょうもない策ではあるんだけれど、まあ初っ端打つ手としては面白いかな。公平側の戦力が充実しすぎてるから所詮は健気な抵抗でしかないけどさ』

 

 

 守勢に入っていると見せかけて、ハナからウーロゴスの全力投入による混乱を招き、その隙を突いた奇襲を目論む奇策。

 認定式とほぼ同様のやり口ながら、まさか認定式以上の規模で仕掛けてくるとは正直思っていなかった。サークルも過激派も、認定式は本当に本気じゃなかったみたいだな。

 

 もちろん対処はできる。というかできないわけがないんだよ、これほどの数と質の揃ったこちら側が、この程度の策に怯んでいられるわけもない。

 今まさに俺を含め仲間のみんなが攻撃しだしているから、そう長いことかからずウーロゴスは倒せるだろう。

 これ以上は好きにやらせない!

 

 天を衝く巨大な五体のウーロゴスへと駆け抜ける仲間達。

 俺と香苗さんも顔を見合わせてうなずき、ともに近くに佇む一体へと向かった。

 

「やりますか……! 香苗さん!」

「お任せください! 《光魔導》──"伝道虹彩"プリズムアーク・エヴァンジェリスターッ!! 今こそ溢れる信仰の光よ、虹とともに偉大なる救世主様のご威光を体現する時ですッ!! 救世主様、バンザーイッ!!」

「怖ぁ……」

 

 こんな時でもブレないスタンス、というよりは恐らくだけど技の発動に際しての、ある種のコンセントレイトとかプリショットルーティーンなんだろう。そう思いたい。思わせて?

 全力で走りつつ片手を挙げてスキルを発動する香苗さんから虹の光が立ち昇り、瞬く間にそれが巨大なヒトガタを創り上げていった。

 

 "伝道虹彩"プリズムアーク・エヴァンジェリスター。

 肖像権とか侵害しない程度のギリギリさで俺を象ったという、正直曰く付きとしか言いようのない香苗さんの奥義である。

 いや、すごいのはマジですごいんだよ? 《光魔導》で出せる威力じゃなければ象れる形でもないし、ましてやそれを本当に人間らしく遠隔操作できるなんて完全にシステム領域の想定を超えている事象だ。

 

 まさしくS級探査者"虹の架け橋"たる香苗さんの真骨頂とも言える技術と実力の結晶なんだよ。俺の形さえしてなければね!

 ウーロゴスに負けじと現れたジャイアントうっすらシャイニング俺が、夜明け空の眩さをバックにその巨腕を振り上げ、受け持った一体に攻撃を仕掛ける!

 すごいド迫力、映画かな!?

 

「うわーっ!? 出やがった、頭のおかしい伝道女のふざけたスキルだーっ!!」

「と、虎の子のウーロゴスを一体、足止めされちまってる!? ほ、他のは」

「フランソワやチェーホワ、ダンジョン聖教の聖女に……翼の生えた化物がそれぞれ立ちはだかってるぞぉっ! まさか天使なのか!?」

「こっちが悪魔だからって、向こうは天使を喚んだかぁっ!?」

 

 さすがのインパクトに敵も騒然、なんなら後ろに一旦下がった味方陣営も唖然としてそうな空気。

 唯一、選抜チームの仲間達は問答無用でそれぞれ受け持つウーロゴスに吶喊していて、それに対しても危機感を抱いたか叫んでいる。

 

 さすがだ、みんな。一刻も早く地上を静かにしなければならないとさっそくトップギアだな。

 俺も負けてはいられない。各種スキルを発動し、エヴァンジェリスターが取っ組み合うウーロゴスめがけて飛びかかる!

 

「《誰もが安らげる世界のために》、出力1500倍からの────《あまねく世界の明日のために》!! 喰らえよ、山形くんビーム!!」

 

 極限倍率とまでは行かずともそれ相応の出力と、そこから繰り出すビーム攻撃。

 右手から無造作に放ったソレは、器用にエヴァンジェリスターを避けてウーロゴスの頭部だけを撃ち抜いた。あ、もちろん中の電池役も避けてだ。非殺傷だけど万一があるといけないからね。




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