攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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初代聖女・能力者犯罪捜査官・七代目聖女vsウーロゴス

「いやはや大怪獣バトルの真下でなんだけども──」

 

 香苗さんの操作する《光魔導》プリズムアーク・エヴァンジェリスターが次いで掴みかかったウーロゴス、その真下にいるエリスさん、葵さん、シャルロットさんの三人。

 ミュトスの放ったメサイア・ディスペンセーションによる衝撃にしばらく呆然としていた彼女達だったが、それでもすぐに気を取り直して戦闘態勢を取り戻していた。

 

 初代聖女とその孫と弟子という、ある意味身内トリオみたいな彼女達だけど実力についてはガチもガチだ。

 あのマリーさんをも超えるレベルと戦闘経験を誇る、おそらくは世界最強のS級であるエリスさん。

 その弟子でありAMWフーロイータの使い手、実力的にもA級探査者な葵さん。

 そして心身の傷が癒えた結果、爆発的な成長進化を遂げてもはやS級の域にさえ達しているシャルロットさん。

 

 この三人が一斉にウーロゴスへと攻撃を加えるのだ。

 エヴァンジェリスターの有無によらず、普通に押し切れそうな気はしていた。

 

「公平さん香苗さんに負けないようにこっちもやるよ葵、シャルくん!! 《念動力》!」

「了解です師匠! フーロイータ、《雷魔導》!!」

「お任せください初代様。《光魔導》、プリズンブレイカー・オールフリーダム」

 

 エリスさんの声に発奮する葵さんとシャルロットさん。それぞれスキルを発動する姿には一つの淀みもなく、また一つの隙も油断もない。

 そしてナイフを、フーロイータを構え。あるいは徒手空拳のままスキルで生まれた飛行物体のみを周囲に纒わせ。三人はウーロゴスを下から上へ、文字通り"切開"──切り開き、登り始める。

 

 特にすさまじいのが葵さんの勢いだ。フーロイータを駆使し、雷を纏ってまさしく稲妻のようにジグザグとした起動で突き抜けていく。

 当然中には電池役の能力者が仮死状態で取り込まれているのだが、そこはさすがの手際で、進行上でかち合ったらすぐに手で掴みウーロゴスから引き剥がして、地上へと放り投げていったのだ。

 師匠であるエリスさんに、渾身の叫び声でもって託しながら。

 

「エリスさん、シャルロットさん! 先導しますから中の連中をよろしくお願いしますっ!! ────《槍術》スマッシュチャージ!!」

「任されるよ葵! だから君はそのまま突き抜けなさい!」

「地上に堕ちる前にクッションとして、私のプリズンブレイカーを挟ませます。初代様は《念動力》でもって落下速度の緩和をお願いいたします」

「了解! 葵が取り除き、私が受け止めシャルくんが降ろす……ハッハッハー。人助けのための最高のトリプルコンビネーションだね!」

 

 三人の特性をそれぞれ活かしての人命救助。ウーロゴスから電池役のオペレータを手際よく取り除いては慎重な制御で地上へと下ろしていく彼女達は、戦闘だけでないあらゆる事態に精通していることを実感させる。

 能力者犯罪捜査官……すごいな本当に。単純な戦闘力だけでない強さというものを、まざまざと見せつけてくるよ。

 

 間近で見上げるシャルロットさんも、葵さんの電光石火とも言える勢いの突撃と連撃、そして救助のテンポ良さに目を奪われたようだった。

 プリズンブレイカーでエリスさんの補助をしつつも、見上げつつ葵さんについて言及していく。

 

「早く、鋭く、しかして正確。これが早瀬葵、初代様が手ずから育て上げた弟子にして、かつて日本を代表した探査者・早瀬光太郎氏の孫娘の実力ですか」

「ハッハッハー、自慢の弟子で親友さ。実力自体はA級そこそこで油断しがちなところはあるけど、あの子の価値はそんな単純暴力にはない。どこでも誰とでも打ち解けて自分の世界を広めていける、人間としての器の大きさがあるんだよ」

「信頼、なさっているのですね」

「あの子に出会えたこと、ともに過ごせていることは私の一番の幸せだ。これから先もずっと、死ぬまで私は誇りに思い続けるよ……どれだけ長い時が経っても、忘れることのないたくさんの彩りとともにね」

 

 遠目からでも分かるほどに眩しいものを見る目。エリスさんが葵さんに向ける眼差しには、果てしない友愛と敬意、そして希望が込められている。

 早瀬葵。その実力はたしかに周囲のA級トップ層に比べ、今ひとつ及ばないかもしれない。けれど夏から数ヶ月だけでも見聞きした彼女の強さは、決して戦闘力だけのところにはないのだ。

 

 どんな時でも明るく、誰とでも打ち解けてしまえるコミュ力。そして世界中を周る職業柄と相まっての視野の広さ。

 ある意味、彼女は指揮官とかリーダー向きなのかもしれないな。トップが一番の実力者である必要もなし、器の大きさって意味では葵さんは将来的に考えて、指揮官のほうが適性があるかも知れない。

 

「粗方、かっ開きましたかね! それじゃあ行きますよ────雷槍技! プラズマチャージ・アクセルライトニングッ!!」

「いい感じにウーロゴスを弱らせてくれているな。それじゃあミュトス、また頼めるか。俺と香苗さんはアンジェさん達の助太刀に向かう」

「合点承知の助! 《イミタティオ・トリニタス・コスモス》!!」

 

 葵さんの奥義が炸裂。フーロイータによって増幅された《雷魔導》で超加速突撃を行う技だね。

 あれを使うということはそろそろだな。俺もミュトスに呼びかけて、やつへのトドメ役を受け持つように頼む。それに力強くもうなずき、ミュトスは再度スキルを使用した。




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