攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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精霊知能三姉妹vsウーロゴス

「三界機構は断獄の名の下に今、必殺を告げる──! アーマゲドン・アポカリュプシス!!」

 

 はるか上空から叫びとともに、一線を画するレベルの衝撃と威力が響き渡る。

 今しがたアンジェさんの奥義によってダメージを受けたウーロゴスに、断獄の力を纏いしミュトス・断獄のトドメの一撃が放たれたのだ。

 

 先程の竜断刀奥義・マリアベールもすさまじい威力だったけどさすがに三界機構の力を借りての必殺技は桁が違う。

 世界ごと震わす破壊力は、問題なくウーロゴスのすべてを崩壊させ尽くして……そしてそれを、ミュトスは己の体内に取り込んだ。

 

「と、とんでもないわねミュトス……! あの子も精霊知能、リーベやヴァールさんやシャーリヒッタの同類なんでしょ? あんなのばっかなの? チート?」

「あー、まあたしかに同族っちゃ同族ですけど。彼女は特別、戦闘に特化してるんですよ。そういう意味ではシャーリヒッタだけですね、同じ方向性なのは。全力だと二人ともほとんど同じ戦闘力してますし」

「しゃ、シャーリヒッタちゃんも似たようなことできるんだ……す、すごいねアンジェちゃん……!」

 

 あまりの威力にアンジェさんやランレイさんが唖然としている。まあそりゃそうだよね、本来ならば現世ではまず見られないレベルの威力だもの。

 ウーロゴスに対抗すべく、三界機構をその存在に取り込んだミュトスの最大出力は、あらゆる制限を取り払ったシャーリヒッタにも匹敵する。

 

 ぶっちゃけワールドプロセッサとコマンドプロンプトを除けばシステム領域内においてツートップの戦闘力を持つのが彼女達だ。

 つまりはこの世界、現世からシステム領域にいたるあらゆる枠組みの中において、真の意味で最強クラスなのがシャーリヒッタでありミュトスというわけだ。

 

 ……もっともそれゆえにシャーリヒッタには普段からリミッターが何重にも課せられてるし、今回の件で本来の権能を取り戻した暁にはミュトスも同様の措置が加えられるだろうけど。

 強すぎる力を、普段から垂れ流しっぱなしでは周囲も当人も具合が悪いからね。そこはミュトスも承知していることだし、そうそう力の暴走ってことにはならないだろうというのが俺の見解だよ。

 

「っしゃー! またまた力取り戻しました、山形様ー!」

「お疲れミュトス、ちょっと休憩を挟むと良い。ウーロゴスも残る一体、今はリーベとシャーリヒッタとヴァールが相手してくれているよ。ほら、水」

「そ、そーしますー……ふいー、くたくたくたびれはらひれはらほれーぐびぐびぐびのすけー」

「くた……はらひれ? 何?」

 

 ウーロゴスを取り込むことでまた一段、本来の力を取り戻したミュトスだけどさすがに連戦での力の行使はキツいようで、それなりに疲弊した様子で地上に降りて俺達と合流した。

 開戦直後からこき使ってしまって申しわけないけど、これだけはミュトス以外にはどうにもできない領域だからね。

 

 それでも残すところはあと一体だからと、俺はワームホールを開いて格納空間からよく冷えた水の入った水筒を取り出してミュトスに渡す。

 相変わらず珍妙なテンポの、語感の良さしか考えてなさそうな語彙を披露しつつ喉を潤す彼女を尻目に、俺はバリケード付近、最後のウーロゴスと戦う三人を見た。

 

「っしゃーおらぁっ!! 《鎌術》、エクスターミネーションッ!! ヴァール、今だやりなァッ!!」

「《鎖法》、鉄鎖乱舞、収束! 後釜、やれるか!!」

「《破砕光粉》!! ……駄目ですねー! やっぱりミュトスちゃんを待たないと私達じゃ、破壊しきってしまうか足止めしか出来なさそうですよー!?」

「このまま仕留めちまうと意味がねえもんなァ……!」

 

 シャーリヒッタがスキルで顕現させた鎌を振るい、斬撃を飛ばして攻撃し。

 ヴァールが同じくスキルで具現化した鎖を操りその全身を巻き取り、動きを封じ。

 そしてリーベが、唯一持つ攻撃系のスキルでもってウーロゴスの全身に破壊効果を持つ鱗粉を浴びせかける。

 

 さすが、よく息の合うトリプルコンビネーションだ。どの攻撃も本来であれば、A級モンスターくらいならば立ちどころに倒せてしまえる威力をしている。

 それを3種、効果的に組み合わせたのだからさらなる相乗効果をも生み出しているだろうけれど……それでもやはり、ウーロゴスには決して有効打にはなりえない。

 

 因果がないウーロゴスだけど、精霊知能クラスにまでなると破壊自体は可能だ。

 ただそれだけでは消滅はさせられず、一時だけ倒せるけれどその後またどこか、ランダムに再発生してしまうだけなので意味がない。

 リポップした先で再度の悪用を許しかねないしね。

 

 だからできる限りミュトスによるトドメとウーロゴスの取り込みが必要なのだ。

 本来の権能を彼女に返すという筋や道義の問題でもあれば、これ以上話をややこしくされたくないというこちら側の都合でもある。

 

 三姉妹とて、当然そこは分かっているからこそ……

 ある程度は加減して、弱らせるだけ弱らせるという選択を取るしかないのだった。




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