攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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サークル撃破、いざ本丸へ!

 最後のウーロゴス撃破後、間髪入れずに精霊知能三姉妹とミュトスがこちらに向けてやってきた。四人とも特に外傷や疲れも見えない。

 こちらも最低限の準備は整ったし、これでいよいよ地下迷宮に突入できるな。作戦の第二フェーズってところか、すでに元々のプランは崩壊しているから、フェーズもへったくれもあったもんじゃないけども。

 

「すまんな、待たせた! ロナルド、サウダーデ、ベナウィ、フェイリン! よく来てくれた、心強いぞ」

「ソフィアさん……いえ、ヴァールさん! お久しぶりです、むしろこちらこそ、呼んでもらえてありがたいです」

「うむ……ところで、マキシムとミレニアムを回収するのか? 海方陸、すでに意識はないようだが」

「もちろん。もう俺の持ち物じゃないですけど、それでもこいつらは俺の相棒です。馬鹿野郎に良いように使われてきたなら、取り戻してやらないとね。妻もそうするように言ってましたから」

 

 こっちに来てすぐヴァールが、ロナルドさん達を歓迎して声をかける。呼び出した張本人とも言えるのだからね、何をおいてもまずは来日してくださったことを労うよ。

 ロナルドさんは行動不能になった海方から、氷漬けのマキシムとミレニアムを回収しつつも明るく応えた。

 

 海方はじめサークルの人員はすでに、回復した攻略チームの面々と警察に捕らえられている。俺の結界によるスタン状態に未だ陥ったまま、次々と身柄を拘束されているのだ。

 とりわけ海方はロナルドさんとの交戦の結果、手足を凍りつかされたこともありすでに意識はない。

 

 その両手に握られていたAMW、マキシムとミレニアムを丁寧に回収したロナルドさん。

 かつての愛銃をその手に取り戻した彼は、じわりと滲むような薄い微笑みで《氷魔法》を解除した。途端に取り除かれる氷、そして健在なる姿へと戻る二丁拳銃。

 

 それをWSOのエージェントさんに渡しながらも照れたように奥さんについて話す彼の隣で、サウダーデさんやベナウィさんも鷹揚に頷いた。

 相変わらず威厳に満ちた豪壮な姿と、穏やかながら凛と背筋の乗った長身でそれぞれ温和に笑う師弟。

 

「元より帰国後も、ことの顛末は気にしていました。こうして直に決着を見届けることができるのは重畳の至り。こちらこそお声がけくださりありがとうございます」

「我々の親愛なる友人達が、まさに決戦に赴くんですからね。もちろん馳せ参じて力になりましょうとも」

「うん! それに姉ちゃんがやらかしてないか様子見てこいって、お父ちゃん……シェン・フェイオウからも言われてました!」

「な、な、な、な、なんでえええええ!? わ、私そんなに頼りないのぉ!?」

「うん」

 

 そしてリンちゃんもだ。姉のランレイさんの様子見がてらやって来てくれたようで、相変わらず溌剌とした明るい可愛さでナチュラルに姉にダメージを与えている。

 怖ぁ……リンちゃんのお父さんって、つまり一族の里長さんだよな。そんな人からもやらかしを心配されてるのか。

 

 もちろん親心からのものだろうけど、ランレイさんってば普通にショックを受けちゃってるよ。

 思わぬ言葉にその場で膝をついて落ち込み始める姉に、けれど妹たるリンちゃんは微笑み、優しく言葉を投げかける。

 

「でも、心配なかった! 姉ちゃん、立派に使命をまっとうしてた! 能力者犯罪捜査官としても、探査者としても……星界拳士としても!」

「り、リン……!」

「里長には胸を張って報告するね! 我が姉シェン・ランレイは新たに興した流派、双魔星界拳で世界にその名を刻んでるって! みんな、絶対に喜ぶから!」

「あ、ありがとうううう! わ、わた、私は良い妹を持ったよおおおお!!」

 

 ひたすらに姉を誇る。リンちゃんという完成されしシェン、若くして真道星界拳さえ興した天才から見てもランレイさんの活躍は誇らしいものなんだ。

 その言葉に目を潤ませて抱きつく姉。戦いと戦いの狭間、しばしの憩いの時に見る姉妹愛は俺達の緊張を程よく解し、また次なる戦いへの闘志をも沸き立たせてくれるね。

 

 さあ、そろそろ行こうか。バリケードが撤去された先にある、見るからに入口と思しき穴を見る。

 梯子が掛けられているその穴の先には概念領域に拵えられた巨大な迷宮があり。そして最奥には今回の事件の首謀者たる火野アレクサンドラ……プレーローマ・アンドヴァリがいるんだ。

 おそらくは今しがた、姿を見せなかった瀬川聡太ともどもね。

 

「瀬川聡太……野郎とも今日で決着だ。絶対に白黒つけてやる、ステラと二人でな」

『アンジェとランレイから背中だって押されたんだもんね。行こう、私の千尋。きっと二人なら、アイツにだって打ち勝てるよ』

 

 迫る戦いに、神奈川さんとステラが気合十全に行く先を見据える。なんの迷いもなく、ただ信じたもの、愛した者達のために先へ進もうという強い眼差しだ。

 プレーローマ・アンドヴァリは俺とかミュトスが、瀬川は神奈川さんがメインで相手することになるけど……心強いな、この二人も。

 

 改めて人間と精霊知能という特殊なバディに頼もしさを覚えながらも、いよいよ俺達は迷宮攻略へと臨もうとしていた。




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