攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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決戦の直前に─それぞれの決意─

 長い一本道をあっという間に駆け抜ける一同。俺と香苗さん、リーベ、ヴァール、シャーリヒッタ、ミュトス。

 エリスさん、葵さん、アンジェさんにランレイさんと神奈川さんにステラ。そしてシャルロットさんと愛知さん、ベナウィさん。

 

 ステラ含めて15人という、極めて多人数のパーティ。しかも軒並みS級あるいはそれに匹敵するという面々で、向かうところ敵なしって感じの面々だ……本来ならばね。

 だけど今回は相手も規格外だ。いよいよ強くなってくる圧を前に一旦、通路の真ん中で立ち止まって俺達は最後の確認をしつつ小休止を挟んだ。

 

「言うまでもないが全員、心してかかれよ。ヒトをやめ、概念存在モドキともなったプレーローマ・アンドヴァリは今しがた山形公平が切札の権能を封印してくれたが、それでもS級探査者であっても危ういほどの相手だ。油断するとすぐ殺されかねないものと思ってくれ」

「この大所帯だからね、全員まとまっての動きは難しいと思う……だからそれぞれ慣れた面々でなるべく小集団を作って、その中で相互に連携し合えるようにしよう」

 

 ヴァールとエリスさんが音頭を取る。これから相対する、今回の事件最大にして最後の敵の脅威性を彼女達はよく理解している。さすがだ。

 

 プレーローマ・アンドヴァリ。

 S級探査者火野アレクサンドラがウーロゴスの権能を得て超常の力を得た今のやつは、たとえ権能を封じたとて戦闘力のみならば神にも匹敵する力がある。

 油断すると俺達でさえ追い詰められかねない、極めて危険な相手だよ。決して舐めてはいけないのだ。

 

 それゆえにこの多人数のなか、お互いに慣れ親しんだ者達で集まり連携を狙いやすくする。

 攻撃や防御のためもあるし、何よりもいざという時には退避さえしやすくする狙いもある采配だった。

 

「よーっし、手筈通りに私らは瀬川のアホを殺るわよランレイ! 厳密にはアホのバリアだけだけど!」

「う、うん! ……やつのバリアだけはなんとしてでもアンジェの竜断刀と我が双魔星界拳にて打ち破る! その後の始末は託すぞ千尋、ステラッ!!」

「さすがに殺らねえし始末もしねえがよ、託されたぜアンジェ、ランレイ。お前らの分まであの野郎、今度こそ叩きのめしてやる……!」

『頑張ろうね、千尋! きっと、これが一つの区切りだよ』

 

 アンジェさんチームの四人が語らう。主に瀬川を打ち破る──血祭りにあげるという気もするけど──について気炎を上げているね。

 この四人に狙われる瀬川は本当にお気の毒様だよ、自業自得としか言えないけど。

 

 俺からやつにしてやれることは精々、セーレを呼び出して終わるところをじっくり舐るように見てもらうくらいだろう。

 やっぱあの悪魔の趣味ヤバいんだよね。怖ぁ……

 

「ハッハッハー。葵とはいつもだけどシャルロットくんと、愛知くんもこっち来て組もうよ。いやはやアイナの曾孫と天才S級との連携だなんて、なんだか緊張するなー」

「よろしくお願いします初代様、葵さん。独断で暴走するようなことはないよう努めますが、それでも一撃くらいは入れてやりたいところです」

「はっはっはー! 他ならぬシャルロットさんには誰よりその資格がありますよ! ……だから無理せず、狙えそうなら狙っちゃいましょう。山形くん達にばかりあの女を任せるのも、なんだか悪いですしね」

「早瀬さんの言う通りです。シャルロットの意思は尊重しつつ、我々も我々のできる限りを尽くしましょう」

 

 エリスさん葵さんコンビが、シャルロットさんと愛知さんを交えて四人で話し合っている。

 概ね意思は統一されていて、つまりはできる限りシャルロットさんにアレクサンドラへと一撃、せめて一発でも攻撃をさせてやりたいって方向で動くみたいだ。

 

 彼女が過去に受けてきた仕打ちや因縁を踏まえて、そのもの復讐というのは無理筋にしてもそのくらいはしたいんだな。

 俺としては、無理無茶しない範囲でなら狙ってもらっても良いかなーとは思う。まあ、やつとの戦いとなるとシステム領域たる俺や精霊知能達が矢面に立つからどうなるかは微妙だけれど。

 もしも本気で割って入るつもりがあるなら、こちらからもある程度は誘導してもいいかもね。

 

「おうミュトス、気ぃ張れよこっからが本番だぜェ! ちなみに取り戻した力はどんなもんだ、やれそうか?」

「もちろんでござーい! ふっふっふ漲る力はかつて以上、私の中の御三方のお力も今ならフルパワーで発揮できます! ……まあ時間制限付きなんですけど。3分くらい?」

「短いですねー……でも頼もしいですミュトスちゃん! ファイト、ファイト!」

「くれぐれも無理はするなよ、ミュトス。シャーリヒッタに後釜もだ。プレーローマ・アンドヴァリはここで仕留めるが、だからといって死傷者を出してもいかんというのは忘れるな」

 

 で、もうひとグループ。こちらは分かりやすく精霊知能三姉妹にミュトスと、システム領域側の面々だね。

 

 ウーロゴスという、かつての自身の半身がプレーローマ・アンドヴァリを構成している以上、あるいはこの場にいる誰よりもプレーローマ・アンドヴァリとの因縁のある子なミュトス。

 そんなミュトスも相当力を取り戻しているようで、3分だけなら三界機構すべてのエネルギーを使えるようになったとのことだった。

 

 恐らくだけどワールドプロセッサの本命はその、すべての力を使いこなせるようになったミュトスだろうからな……

 フルパワーミュトス、その真の姿は一体どれほどのものだろうか。戦いの中で垣間見られることだろう、楽しみではあるかもしれないね。




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