攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

1577 / 2051
悪魔ハンターY?

 歴代モンスターハザード関係者のみなさんといろいろ、貴重にも話をさせてもらっていると、少し離れたところに立って話をしているアンジェさんチームの四人と目が合った。

 アンジェリーナ・フランソワさん、シェン・ランレイさん、そして神奈川千尋さんとステラ。それぞれ俺に向けて手を振ったり笑いかけたり、あるいは会釈してくれている。

 

 今回の件における、一番の功労者とも言えるだろう四人だ。ステラは今や神奈川さんと同一存在となったものの、実際には別の個体なので普通に精神体として表に出てきている。

 ここだと事情を知る人達ばかりだから気兼ねないよね。

 

 ロナルドさんだけがさっきちょっとびっくらこいてたけども、まあそんなこともあるよね! と華麗にスマートに受け入れていた。

 ご自身の事情や経験もあってか、懐が広いなあ。ともあれヴァール達に断りを入れてから席を離れ、そちらへ向かう。

 

「お疲れ様ですアンジェさん、ランレイさん、そして神奈川さんにステラ。今回は本当に大変でしたね、みなさん」

「お疲れー! いやいや楽しかったわ、いろんな悪を小突けたし、結果的にはすべて丸く収まったしね! これも公平達、仲間のみんなのおかげよサンキュー!」

「お、お、お疲れ様です……! あ、アンジェちゃんとい、いつも通り! 暴れ倒せましたぁっ!」

「えぇ……?」

 

 第一声からもう怖い。怖ぁ……とりあえず戦えたからそれで良し! なんだねこの二人。

 相変わらずのバトルジャンキーというか、とにかく自分達の力を試したくて仕方ないって感じだ。一歩間違えればむしろ捕まる側なんだけど、そこは正義感や使命感、良心でもってきっちり制御できているからこその能力者犯罪捜査官なんだよね。

 

 そのへんは倶楽部のバトルジャンキー、翠川を例に比較するとよく分かりやすい。彼は自身のバトル欲求にあまりにも素直すぎて地下に潜り、裏社会にて犯罪者に身をやつす羽目になった。

 いわば闇のバトルジャンキーと言えるだろう。翻ればこちらのお二人は光のバトルジャンキーってところかな。バトルジャンキーの時点で大分ヤバいのはそれはそうだけど、何ごとも方向性次第だって俺ちゃん思うワケ。

 

 満足気に笑うアンジェさんとランレイさんに、そこはかとなく尻込みしつつも笑いかける。基本的には楽しくて愉快なお姉様方だし、気の良い二人だから何も怖くないよ。ぷるぷる。

 一方で神奈川さんとステラもまた、俺に話しかけてきた。

 

「お疲れ様です、山形さん……いえ。立場上はもう山形様と呼ぶべきでしょうかね。ステラと一つになった今、僭越ですが俺もあなたの部下であるようなものですし」

「今まで通りで良いですよ、水臭い……お疲れ様です神奈川さん。ステラも今回は大変だったな、よくやってくれたよ」

『ありがとうございます。でも……本当に頑張ったのはやっぱり私の千尋です。目一杯褒めて上げてください、私と一つになった私の千尋を。うふ、うふふふ!』

「怖ぁ……セーレかな?」

 

 神奈川さんは相変わらず真面目なんだけど、ステラがヤバい。愛しい人と合一したことで地味にテンションマックスなのか、目からハイライトが消える系の笑みの噛み殺し方をしている。

 それ普通に今朝方の悪魔セーレを思い出すからやめたほうが良いよ? 他意はなくシンプルに心底から嬉しいんだろうけど、含みがあるように見えてならない。

 

 そう言うとステラはハッ! となってブルブル頭を左右に振って正気を取り戻した。さすがにアイツと同列は嫌か。

 サークル幹部にして最後の敵だった、瀬川聡太。最初から最後まで他人に流されっぱなしで良いように振り回された哀れな男。そしてそれを良いことに散々なことをしでかした悪魔、セーレ。

 あまりにもあんまりな関係性の二人、その末路を思い返して彼と彼女は語った。

 

『あ、あの悪魔みたいなのはダメ……ゼッタイ。千尋のことを抜きにしてもあの振る舞いはない』

「ああ、まあなあ。結局それを選んだのが瀬川本人だからっても、自業自得だからっても、あそこまで踏んだり蹴ったりになってるのはさすがになあ」

「悪魔ってだけあってまさに悪魔だったわねー、あの女。えげつなかったわ、公平も大丈夫? って、アンタの場合は普通に返り討ちにするか」

「あ、あ、悪魔を5体くらい血祭りにしてるもんね、こ、公平さん……悪魔ハンター……!」

「悪魔ハンター!?」

 

 セーレにドン引きする流れで人をデビルハンターにするのやめてもろて。別に俺は、悪魔の在り方については否定してないよ。

 それに今回の場合は、たまたま成り行きで遭遇した悪魔に対処しただけであって、流れでのことなのに血祭りにあげたって表現はちょっと物騒すぎるよランレイさん!

 

 ええと、セーレにアガレス、オロバス、タンニーン、それとオノスケリスか。うちオロバスとタンニーンはアバターを破壊して本体に還ってもらったけれど、アガレスとセーレとオノスケリスについてはほとんど何もしていない。

 なので血祭り云々はまさしく風評被害なのである。

 

「どのみち流れで5体も悪魔と出くわして、その全部返り討ちにはしてるじゃない。悪魔ハンターとか言われるのも已む無しじゃないかしら?」

「ぐぅ」

 

 みごとに言い返された、ぐぅの音くらいは出せたぞ。

 どうあれ悪魔5体はアイツら喧嘩売って来すぎであるし、それを概ねお帰りいただいた俺もまあ、客観的に見たら大概なんだろう。

 エクソシスト山形くん爆誕? 怖ぁ……




「大ダンジョン時代クロニクル」第一次モンスターハザード編完結!
https://syosetu.org/novel/362785/
第二部はお盆頃にやります!
よろしくお願いしますー

「大ダンジョン時代ヒストリア」100年史編完結!
https://syosetu.org/novel/333780/
よろしくお願いいたしますー

【お知らせ】
「攻略! 大ダンジョン時代 俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど」コミカライズ発売中!
ぜひともみなさまお求めよろしくお願いしますー!

コミカライズ版スキルがポエミーも好評配信中!
下記URLからご覧いただけますのでよろしくお願いします!
 pash-up!様
 ( https://comicpash.jp/series/d2669e2447a32 )
 はじめ、pixivコミック様、ニコニコ漫画様にて閲覧いただけますー!
 
 加えて書籍版1巻、2巻も好評発売中です!
 ( https://pashbooks.jp/tax_series/poemy/ )
 よろしくお願いしますー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。