攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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インターフェイサー:ドリームチームを結成せよ!(ゲームタイトル風)

「シャーリヒッタ、異分子処断権限の第一種解放なんていつの間に承認されてたんだ? 現世存在のオペレータでも攻撃が通るように悪魔達の位相をずらしたろ」

 

 俺が気になった点、シャーリヒッタの異分子処断権限がいつの間にやら第一種承認されていた件について。

 単純な好奇心というか、他意のない世間話程度のニュアンスで質問をしたところ、彼女は軽く目を見開き、それからああ、と納得して一つうなずき、答えてくれた。

 

「ん……ぶっちゃけ、瀬川が悪魔による過剰強化を受けてた時ですね公平サン。あの時点でワールドプロセッサからのアナウンスがあったんですけど、もう土壇場もいいとこだったんで話すタイミングもなくって」

「瀬川があんなことになってる時点で、最終的にはやつらが俺に奇襲をかけるつもりだったってのを見抜いたか。ワールドプロセッサ、さすがに策謀に関しては強いな……」

 

 いつもながら事態をシステム領域の最奥から見ていたんだろう、ワールドプロセッサの慧眼に呆れるやら感心するやらだ。

 複数の悪魔による強化でボロボロになった瀬川に対し、俺達現場組は揃ってその成れの果てっぷりに憐れみのほうが勝っちゃって、その裏にある悪魔の策謀に気づけなかった。

 

 それをただ一人、俯瞰で見ていたがゆえにワールドプロセッサは先んじて手を打ったんだな。

 シャーリヒッタに概念存在への絶対権限を付与し、やつらの策略への対処を任せたんだ。そしてこの子は見事それに応えたってわけなんだね。

 

 ただ、それだけでもないらしくシャーリヒッタは続けて言った。第一種異分子処断権限まで認可された真意、それはむしろこれから先を見据えてのものでもあるのだと。

 

「承認が下りた時にワールドプロセッサからのメッセージもあったんですけど……どうもあの場限りというよりかは、これから先のオレの使命、つまりインターフェイサーの活動まで見越しての承認みたいですよ。活動の都合上、まず間違いなく概念存在とも相対することが予想されるからって」

「インターフェイサー。シャーリヒッタをリーダーとする、精霊知能を中心とする現世活動部隊だったな……いよいよ本格的に動くのか」

「そのようだ。今もそのあたりの話についていろいろと相談を受けていたところだ。陰ながらの形になるが、WSOとは協力関係を構築することになるだろうからな」

 

 ヴァールも応えるその部隊、インターフェイサー。システム領域が現世に対して介入するために構成する予定の、特別チームだ。

 リーダーにシャーリヒッタ、現世における監督責任者を不肖俺ちゃんことコマンドプロンプトとして運用されることになるだろうそのチームは役割柄、概念存在との接触や場合によっては敵対行動も十分に考えられるだろう。

 

 今回、シャーリヒッタへの第一種承認はその時に備えてのものでもあるんだろう。ドンピシャのタイミングだったのはむしろ、ワールドプロセッサも事態を見つつ、慌てて間に合わせたところはあるのかもね。

 そしてことが落ち着いた今、改めて部隊運用の仔細についてヴァールと話を詰め始めているってことか。現世で活動する限り、WSO統括理事であり精霊知能でもある彼女と足並みを揃えないなんてありえないものな。

 

「インターフェイサーは精霊知能だけじゃなくてある程度、現世側でも素質っつーか適性のあるやつも組み込みてェんだが……ヴァールのほうでめぼしいのいたりすっかよ?」

「適性というのが何を指すかにもよるな。こちら側の事情を詳しく詮索してこない者で、なんらかのスペシャリストというあたりだとは思うが」

「スペシャリストとまでは要求しないぜ、そーゆーのこそ精霊知能なら何体か引っ張ってくるしなァ。オレ達だけじゃ現世に則した振る舞いってやつがどうしても足りないだろうから、そこを補えるようなやつかな? オメーらはどう思うよリーベ、ミュトス」

「そーですねー。とにかくまずは調査能力のある人とか──」

「あ、それでしたらいっそまとめて捜査班とか調査班とか分けるみたいな感じで──」

 

 リーベやミュトスをも含めて喧々諤々の議論を始める精霊知能達。

 一応、ヴァールはともかくリーベやミュトスもインターフェイサーの一員として今後、活動するって話だしそのへんはみんなで相談し合うんだろう。

 

 その理屈で行くと俺も会話に加わったほうが良いのかな? でもまあ、まずはこの子達四人で決めてみてもらったほうが良いんだろう。

 俺はあくまで責任者的な立場であって、現場で動くのは彼女達だからね。とりあえずは現場優先で進めてほしいかなって思うよ。

 

 さてと、俺は寝室を抜けてリビングへ戻る。さっき話していたロナルドさん達やアンジェさんチーム、エリスさん達は変わらずに歓談中だ。

 というわけでこの場に残るあと三人、話していない人達にもせっかくなので声を掛けることにする。

 

 すなわち我らが伝道師たる香苗さん、それに加えて愛知さんとなぜかリンちゃんという結構珍しいトリオだ。

 日本のS級探査者二人と、S級も近いだろうと思わせる天才A級探査者。先程までのメンツもそうだけど、サイン色紙持ってくれば良かったなーなんて思いつつ俺は近づいていった。




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