攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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出張!どこでも救世の光

 そんでもって翌日、金曜日。プレーローマ・アンドヴァリとの決戦から一日が経ったわけだけど、普通に学校はあるわけなので俺は普通に支度をして学校へと向かっていた。

 驚くほどタイトというか、ちょうど丸一日前にはウーロゴスやらロナルドさんやらミュトス・トリニティやら《星明りの聖剣》やらなんやらやっていたとも思えない、日常への帰還っぷりである。

 

 とはいえさすがに首都圏に残る仲間達からは、ひっきりなしにあれやこれやとメッセージが届いてるんだけどね。

 仕事の話から雑談から探査者トーク、果ては伝道師による文章による伝道などなど。物理的には離れているものの、心の距離的には結構近いんだよなーって感じのやり取りをいろんな人と行っているのだ。

 

 登校に使っているバス停に並びながら、スマホのメッセージアプリを眺める。

 こっちに戻る際、香苗さんが音頭を取って友人知人探査者仲間のみなさんと繋がれるよう、一つのグループを作ったんだけど……その名前が、ねえ。

 

「"救世の光・出張所"。またずいぶんとこう、おかしなグループを……」

『どうしても宗教関係で通したいんだねえ。いっそ見事じゃないか、本当に"いつもいつでも伝道師"なんだから』

「怖ぁ……」

 

 独り言に乗っかるアルマが、割とマジで香苗さんの伝道師ロードの邁進ぶりに感心してるっぽいのが怖すぎる。こいつをして素直にそう思わせるなんて、ある意味世界に唯一無二なんじゃなかろうか、あの人。

 そう、なんともはや例の宗教とは関係のない人さえ巻き込んでの大きめグループだっていうのに、名前は救世の光の出張所なわけ。

 

 俺と精霊知能、香苗さんはもちろんのことマリーさんやサウダーデさん、ベナウィさん。

 エリスさんに神谷さんに加えて葵さん、リンちゃん、アンジェさんチームの面々。

 さらにはシャルロットさんと愛知さんに後から宥さんやサン・スーンさんまで加入しているんだから、錚々たる顔ぶれと言う外ない。

 

 このメンツに共通してるのはずばり、俺の正体と世界の真実について説明を受けた探査者達だ。

 要はいつでもどこでも、突っ込んだ話を気兼ねなく行うためのグループでもあるんだね。

 

 正直、これについては結構助かる。普段はそれぞれ世界各国に拠点を置く人達だもの、個別ならともかく集まりとして気楽にやり取りする手段は限られているからね。

 その点、グループチャットならば雑談だろうが業務話だろうが定時連絡だろうが問答無用のお手軽さ。リンちゃんやベナウィさん、ランレイさんにエリスさんあたりは大変気に入ったみたいだったよ。

 

 今も何やらサウダーデさんとランレイさん、リンちゃんにベナウィさんが軽く雑談してるもの。

 こんな感じで今後、いろんな知り合いのやり取りを目にする機会が増えていくかもしれないね。

 どれどれー?

 

 

『それではランレイ殿、フェイリン殿。今日の昼過ぎにダンジョン探査を行おう。世にも名高いシェン一族の星界拳、その技の冴えを間近で拝見できることを光栄に思うよ』

『こちらこそありがとうございます! 風間先生に直接のご指導ご鞭撻いただけるまたとない機会、精一杯頑張らせていただく所存です!!』

『姉ちゃんガッチガチ……でも私も同じ気持ちです! 何卒よろしくお願いします!』

 

 

 どうやらこちらの武術家3人、揃ってダンジョン探査に臨むみたいだ。捜査とか業務としてでない、完全に互いの技を見て学ぶためのものだね。

 いわば勉強会ってところかな。特にサウダーデさんを先生とさえ呼ぶランレイさんの熱量は相当なもので、リンちゃんも負けじと気炎を吐いている。

 

 近接格闘を主なスタイルとする探査者にとって、S級の中でもその分野においてはトップクラスとされるサウダーデさんはすなわち世界最強の格闘系探査者と呼べるだろう。

 つまりは己の志す道の頂点に君臨するんだ。そんな人が直々に自分達の現状を見てくれて、あまつさえ指導さえしてくれるんならそりゃ盛り上がるよね。

 

 

『こちらこそよろしく。そう畏まらずに……ああそうだベナウィ、お前もどうせなら付き合わないか? やることがないからと朝から酒というのも良くないからな』

『酒を飲む前提で言いましたね……飲むつもりでしたが。まあ今日は特にやることもないので構いません。アイオーンも誘いますか?』

『うむ、一応声はかけてみるか。星界拳を実際に見る機会は、彼にとっても良い経験になるかもしれないからな』

 

 

 そんな頂点に君臨するサウダーデさんは、一方で弟子のベナウィさんにも声をかけている。怖ぁ……完全に朝のうちから酒盛りするつもりだったベナウィさんもだけど、それを完全に読み切ったこの人もすごいよ。

 さすがは師弟だなあ。当たり前のようにサラッとした、けれど年季が入り互いに理解し合ってるのがよく分かるやり取りを交わしつつも、ロナルドさんにも声をかける段取りになっていくやり取り。

 

 こういうコミュニケーションが今後、俺にも見える範囲で行われるかもしれないんだな。

 なんなら俺もその輪の中に入ることだってあるだろう。なかなかコミュニケーションに二の足を踏みがちな俺ちゃんとしても、話しかけたら応えるくらいはしたいからね。

 

 不安と緊張半分、期待と興奮半分って感じだよ。俺はスマホを懐にしまった。もうバスが来る。

 やり取りは見ているだけで楽しいものの、さておき俺も俺で学校があるからね。こっちはこっちで、友達とコミュニケーションを取るとしよう。




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