攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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日常を、侵食していく狂信者……

 そんなこんなで着きました、東クォーツ高等学校。入学して半年になる我が母校にして学び舎である。

 時刻的にはまったく問題ない登校。バスも学生さんでいつも通りぎゅうぎゅう詰めだったし、何もかもがいつも通りの風景だね。

 

「あっ見て、シャイニング山形くんだよ」

「ホントだ。えっ、昨日関東にいたっぽいのにもう関西に戻ってきたんだ。大変ー」

「なんか犯罪能力者の集団と戦ってたんだろ? それが終わったらすぐ学校とか、いくらなんでも忙しすぎだよなあ」

「今日行ったら明日明後日と休みなのに、律儀だわ」

 

 と、のんびりほのぼの歩いているウォーキング山形くんに寄せられる周囲の方々の声、ひそひそ話。

 例によって例のごとく、メディアに露出してるシャイニング山形くんを見かけちゃったのであーだこーだ話の種にしているみなさんの図だ。特に悪口ってわけでもなさそうなのが若干、ホッとするよね。

 

 まあそういうことで、昨日の決戦の前半、採石場でのサークル残党とのぶつかり合いがバッチリとマスコミやら近隣住民やらに撮影され、ものの見事にまたもや全国区になっちゃったのだ。

 当然としか言いようがない。S級モンスター相当のウーロゴスが明け方の空に5体も出現したんだもの、目立たないわけもないよね、さすがに。

 

 で、そんななかで戦う探査者さん達の姿も遠目からだが撮られており……その中にシャイニング山形がまたいたぞ!? ってなことでやはり一部では盛り上がりを見せたんだとか。

 実体とかけ離れた俺ちゃんの姿について、いろいろ話を耳にする。

 

「御堂さんはいつものこととしてフランソワさん、サウダーデさんにコーデリアさんとか……S級が揃いまくってるところにいたんだよな、あいつ」

「チェーホワさんとかとも仲良く並んでる写真も出回ってたし、もうすっかり人気者だなあ」

「活躍もなんかすごかったって救世の光チャンネルで御堂さんがハープ鳴らしてたの見たか? 功績が大きいからとうとうA級昇級も有り得るんじゃないかって話だけど」

「早すぎない? 探査者になって半年くらいでしょ……天才すぎん?」

「ふーん、学ランの袖から覗く手首が艶めかしいじゃん」

 

 ああ、やっぱり周囲の探査者さん達が格上すぎて、そこにぽつねんと紛れる新人な俺ちゃんまで無理筋な盛られ方をしていってる。あとなんか手首に反応してる人は普通に怖いから止めてほしいじゃん。

 人気者かどうかはともかく、A級昇級はさすがにないと思うんだよ。いくらなんでも半年でそれは慣例を無視しすぎているし、いい加減全探組も勘弁してくれってなってるだろうし。

 そもそも現状のB級も相当、異様だからね制度的に考えて。

 

 本来ならば俺は未だF級として見習いの立場であるべきで、師匠的な存在の方からいろいろ実地で学んでいるはずの立場と時期なのだ。

 師匠ポジションには全探組側から誰か、EからC級くらいの方をマッチングしてくれるそうなのでそういう人と二人三脚、あるいは兄弟弟子とみんなで探査のいろはを経験値として積み重ねていく、そういう立場なわけ。

 

 それが俺ちゃんの場合、異様なスキルと称号、そしてシステムさんことワールドプロセッサの存在がすべてをぐちゃぐちゃにした。

 いろいろありえないステータスにWSOや全探組の上層部が注目するなか、狼人間撃破からはじまりリッチの討伐、ドラゴン退治と立て続けに特大の活躍を見せたもんで、特例の扱いをせざるを得なくなったんだね。

 

 具体的にはWSOがさっさと昇級させろや! と圧をかけ始め、いや慣例的なものがあるんやけど……と全探組が嫌な顔をしながらもこれを承認。

 おかげさまで最終決戦が終わった直後には俺ちゃんてばC級にまでなっちゃったのである。本来なら数年はかけてようやく辿り着けるところに、わずか数ヶ月でたどり着いちゃったんだね。

 

 もっと言うとさらにそこから倶楽部案件が勃発。S級探査者に囲まれるシャイニング山形が、S級モンスターと戦うなんてトンデモ絵面がよりによって全国区にて放送されることとなり、全探組は事件後すぐに俺をB級にまで押し上げてきてしまった。

 それこそサウダーデさんやベナウィさん、マリーさんに香苗さん、果てはソフィアさんとまで肩を並べて戦うC級だなんて吹聴されちゃったのだ。事件解決に寄与した功績も含め、世間の声に応える意味でも昇級させるしかなかったんだろう。

 

「認定式の日からもう2ヶ月くらい経つけど、シャイニング山形人気はもうなんか定着した感じあるもんね」

「ネット小説の主人公さながらの活躍と人脈だもんなあ。空飛んで光りながらS級モンスターなんて怪獣と戦われたら、俺だって信者になりそうだよ」

「救世主様バンザイ! 救世主様バンザイ!! 救世主様バンザイっ!!」

「怖ぁ……」

 

 そんなわけで今ここに至るわけなんだが……ここに来てまーたシャイニングくん、いろいろやっちゃったもんなあ。

 認定式の日のフライングシャイニング山形事件。アレから始まるサークルやらダンジョン聖教過激派の事件でもバッチリ目立っちゃったわけで、こうしてひそひそ話されるような事態にまたしても陥っちゃったわけである。

 

 っていうか、ガチ信徒がいるな東クォーツ高校の中にも。怖ぁ……頼むから叫ぶの止めてほしい。

 必死に瞑想して心を落ち着かせながら、心なし足早に校舎に入り教室へと向かう。悪い話でないとはいえアレコレ噂されるのを聞くのはちょっと、居た堪れないなあ!




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