攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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役職とか肩書って……いいよね!

 お邪魔みたいだし今回はお暇するけれど、またスカウトには来させてもらうからよろしくね! ──と、言い残して結局、関西若手探査者の集いの方々は去っていった。

 去り際に名刺なんてのを人数分、渡されたんだけど姫城さん、どうも役職とか肩書があるレベルの組織内では上の方みたいだ。

 しげしげと、名前の横に印字されたそれを読み上げる。

 

「"関西若手探査者の集い・Cセクションリーダー兼スカウトプロデューサー"姫城茂……さんかあ。なんだろ、セクションとかプロデューサーとか」

「なーんかごっこ遊び感つきまといますね。横文字並べ立てて実際はあんまり意味のない、名ばかり役職だったりしません? これ」

「えー? セクションリーダーにスカウトプロデューサーってなんかかっこいいと思うけどなー、私。仕事できます! みたいな感じ出てて」

 

 歯に衣着せぬ物言いのガムちゃんだけど、正直言いたいことは分かる。なんかこう、ろくろ回しながらインタビュー受けてそうな会社役員さんを模倣してそうな感じは受ける。

 大仰なこと言ってるんだけど、ぶっちゃけ若手パーティの寄り集まりでしかないからね。大物感を出そうとしたのかなーって印象だ。もちろん、そうした試行錯誤は悪いことではないのだけれど。

 

 一方でチョコさんには結構好評みたいだ。たしかに肩書ってなんかかっこいいし、ましてやよく分からないけど横文字だと余計イケてる感出るよね。

 これについては意外ながら、うちのリーベやシャーリヒッタも同意を示している。彼女の言葉にうなずいているのだ。

 

「分かります分かりますー。ぶっちゃけシステ……もといリーベちゃんの故郷の人達も結構、こういう肩書作って遊んでますねー」

「もちろん機能上の役割分担の都合あってだけどよォ、自分にだけ与えられた自分だけの役割が肩書として明確化されてるってのは、意外にモチベーション上がるよなァ。前ならそんなもん関係無しにただ機能してだけなんだが、心ってのは不思議なもんだぜェ」

「そのうちこのミュトスちゃんにも与えられますかね、そういうの。グレートワンダホービュリホーミュトスちゃんとか」

「センスがねェぜェ」

「がびーん」

 

 

 まるで漫才のようなやり取りをするミュトスとシャーリヒッタ。なんとも仲良しさんで和むけど、それはそれとして今の話は俺としてはなるほどなあって部分が多い。

 精霊知能……システム領域の存在にとっては、肩書一つとっても"今の自分がナニモノなのか"を示す大事な記号なんだな。

 

 単なるプログラムから魂を持ち、意思を持ったがゆえの心理的な動きなんだろう。

 レゾンデートルとでも言うかな。自由意思を持ったからにはどんなふうに生きていっても基本的には良いんだけれど、それでも我々は我々の使命があって。心を持ちえた成り行きと、それゆえの理由があって。

 

 そうした存在の根幹部分に対して愛着があるからこそ、肩書のような形で自分達に着けているのかもしれない。

 たとえばアフツストの精霊知能統括役とか、シャーリヒッタのトラブルシューティング担当とか、リーベの情報連絡役とかね──世界維持機構ワールドプロセッサや、因果律管理機構コマンドプロンプトだってそうかもしれない。

 

 口にするまでもない自らの本来の機能を、あえて口にする……モチベーション維持のためにも、そうした遊び心みたいなものは必要なのは分かるよ。

 納得と理解をしていると、それはそうととリーベが切り出してきた。

 

「……ところで、さっきガムちゃんが言ってた通り公平さんはモッチーとダンジョン探査の帰りですかー? お疲れ様ですー」

「ん、ああ。それで報告に来たところなんだよ。そっちはミュトスの案内だったな。リーベだけは朝からダンジョン探査してたようだけど」

「はいー。まだ登録したて、新規教育を受けてないミュトスちゃんにそこまでさせられませんからお昼前に合流しましたー」

「そんでもってさあ、これから行くぜー! って時におかし三人娘と出くわして、話し込んでたらあんな感じになりました! ちなみに三人娘も探査帰りなんだよなァ」

「はい〜! F級ダンジョンを探査して、問題なく帰還しました〜」

 

 精霊知能達についてはさっき聞いてたけど、おかし三人娘も俺と宥さん同様に探査帰りか。お疲れ様です。

 おかし三人娘の今の実力ならF級ダンジョンやモンスターは問題はないだろう。なんなら背伸びすればE級にさえ届きかねないくらいだけれど……油断大敵ってことで、しっかり地に足をつけて探査活動をしているみたいだ。

 

 チョコさん、アメさん、ガムちゃんの三人は見ればそれぞれ探査用の服装だけど、目立った汚れや傷もない。

 なんなら立ち居振る舞いも結構堂々としていて、以前関口くんに頼まれて様子を見た時とはずいぶん変わったもんだなーってしみじみ思うよ。

 アレからも始原の四体だの《武装化顕現》だのいろいろあったもんな。それを受けての彼女達の成長もまた、巷で見ればかなり驚異的なものだった。

 

「始原様方も快く御力を授けてくださいました! あ、でも山形さんに会ったら"またおかし三人娘に協力してくれ贔屓しろー! "って言っとけって!」

「えぇ……? 相変わらずアメさんのこと大好きか、あいつら」

「結構私らとも話してくれるんで、今じゃアメ姉だけじゃなくてチョコさんに私も気にしてくれてるみたいです。気さくですねー、あの神様達」

 

 始原の四体も前と変わらずのアメさん推し……というか、もう一段深化してもはやおかし三人娘推しになってるじゃねーか!

 よっぽど気に入ったんだなあ、この人達のこと。またそのうちネムレス、ノナメ、ムメ、ゴンベの四体にも会いに行かないとなーって考える俺ちゃんだった。




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