攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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普通レベルなんてそんなポンポン上がらないから(正論)

 おかし三人娘や精霊知能達とも別れてその日の午後は結局、いわゆるデートみたいな形で宥さんと過ごしたりなんかしちゃったりした俺ちゃん。

 探査報告を済ませた後は予定した通りに、外食からショッピングモールを見て回り、終いには軽く喫茶店なんかでお茶とか楽しんだわけである。

 

「公平様と過ごす素敵なひととき……この感動、この感激はたとえようもありません。本当ならば五体投地してこの喜びを全身全霊をかけて空と大地と海とこの世界に生きるありとあらゆる万物に救世主様の偉大さ素晴らしさすなわち神話伝説とともに叫びまわりたいほどなのですが────」

「そ、そういうの止めときましょう、ね?」

「救世主様がそう仰られるのであれば不肖使徒宥はそのようにいたしますとも。ですが一言これだけは言わせてくださいませ、救世主様バンザーイ!!」

「怖ぁ……」

 

 とまあ、伝道師に負けず劣らずな狂信者ぶりにこれはデートっていうか何かしらの布教活動では? と一瞬そこはかとない疑問が首をもたげたものの。

 それでも総じてとても楽しく穏やかな時間に、あー変なワル達とのいざこざも終わったんだなーって改めて平話な日常ってやつを堪能し、一日を快く終えることができたよ。

 

 で、その翌日。

 つまりは日曜。特に予定もない完全フリーな日を迎えはしたものの、惰眠を貪るでもなく平日同様に起きて朝食を取った俺は、リビングのソファでリーベやシャーリヒッタに挟まれつつもアイを抱きかかえ、ミュトスに優子ちゃんを交えての他愛ないトークに興じていた。

 

「んでよォ、リーベのパーティメンバーとも会ってきたんだが、まあまあってくらいのメンツだったなァ。悪く言うわけでもねえけど、特段良く言うほどでもねえかなってくらいだったぜェ」

「私が見てきた上澄みの探査者さん達と比べると、やっぱり素人さんって感じが強かったですねえ」

「あはは、気はいい人達なんですよー? リーベちゃん以外はF級さんばかりですから、まだ探査者とか戦う者としての気構えを構築する段階なんです。それぞれ師匠もいますから、そのうちに変わっていきますよー」

「やっぱり探査者って大変なんだねえ。そんな戦う者の気構えーとか、なんか想像つかないや」

 

 話の内容はもっぱら、昨日のリーベ達の全探組訪問についてだ。何しろミュトスの探査者登録に併せ、おかし三人娘との鉢合わせや関西若手探査者の集いのスカウトもあったりしたしね。

 さらに言えばその後、リーベのパーティメンバーの方々とも会ったのだとか。シャーリヒッタやミュトスに言わせればまだまだらしいけど、デビューしたてなんだしそれはそうだろうとしか言えないかな。

 

 探査者としての気構え。大仰に言うけどまあつまりはダンジョンに潜ってモンスターと戦うにあたっての、いろんな面での覚悟とか心構えについてだ。

 優子ちゃんがぼそりとつぶやくように、こればかりはなってみないと分からないところではある。日常的に命懸けの戦いを仕事としていく上で、必要不可欠なところだからね。

 

「そう難しい話でもなくて、ダンジョン探査をしていけば自然と身につくものだよ。リーベのパーティは、そこそこくらいの頻度で探査してるんだったか」

「はいー。ただ、パーティそのものを指導してくれてる人からは、リーベちゃんは見てるだけにしといてほしいって言われてますねー。みんなしてリーベちゃん頼りになるのは困るからーって」

「レベル400オーバーな時点で仕方ねェな、そいつァ……それに《医療光粉》に《破砕光粉》で回復はもちろん攻撃面でも次元が違いすぎるわなァ」

「お一人だけ特例でE級に昇級するのもうなずけますねえ」

 

 苦笑いするリーベにけらけら笑うシャーリヒッタ、納得しきりのミュトス。言ってしまえば素人に毛が生えた段階のパーティに一人、もはや詐欺みたいな強さのこの子が混じっているのを明らかに面白がっているな、この二人。

 まあたしかに……リーベのステータスは当然ながらF級はもちろんE級にだって収まるものじゃない。っていうかぶっちゃけ俺同様、S級の方々にも比肩し得るほどの特異な実力を保有してるからね。 

 

 

 名前 リーベ・山形 レベル420

 称号 癒し手

 スキル

 名称 医療光粉

 名称 破砕光粉

 名称 飛行

 名称 気配感知

 名称 防御結界

 

 

 倶楽部事件が始まってすぐの頃、見せてもらった探査者証明書に記載してあった内容を思い返す。

 今現在だとレベルはさらに高くなっているだろうけどスキルについては据え置きのはずだ。あと《空間転移》だけは当然ながら隠しているね。

 

 でまあ、ご覧の通り一体お前のどこが新人なんだと言いたくなるステータス欄。前も言ったがF級当時の俺より酷い。

 こんなのがパーティ内にいたら、そらこいつ任せで良いかなって丸投げしだす人が出るかもと警戒するのは当然だ。リーベに見学だけするように言ったその指導役の探査者さんの判断と指示は正しいよ。

 俺もまた、リーベに続いて苦笑いを浮かべた。

 

「ステータス上の数値で言えばA級でもおかしくないし、スキルの威力や精霊知能としてのスペックも合わせるとA級トップランカー候補に躍り出かねないもんな。今のレベルってどんなもんだ、リーベ?」

「えーっと475とかですかねー。首都圏のほうでスキルを使う機会はありましたけどー、認定式の時と最終決戦の時とくらいで後は割と呑気させてもらってましたから、そんなに上がってないですー」

「いや、夏に見た時から50もレベル上がってるのも十分おかしい……まさか俺を基準にしてないよな? 普通のオペレータは一年かけてそのくらいが平均的なんだってお前なら分かってるはずだし」

「そういえば兄ちゃん、美晴ちゃんと初めて会った時にレベル70とか言ってたね。あれもデビューして一ヶ月とかそこらだったような……」

 

 ナチュラルにぶっ飛んだことを言ってるリーベだけど、たぶんここについては茶目っ気だろう。

 アドミニストレータ計画とオペレータ計画を主導していたこの子がそのへん、分かってないはずないしな。

 

 なんだかずいぶん昔のことにも思える、約半年ほど前のことを引き合いに出す優子ちゃんさえも含めて、そのへん指摘したらリーベはテヘペロって感じに笑みを浮かべた。

 ほら見ろってー。おちゃめな素振りの裏で努力家なのがリーベだしなー。

 

 これまでの一連の騒動の中でも、この子が常に精力的に動いていてくれたのは俺達の誰もが知っている。

 相当ハイペースなレベルの上がり具合はとどのつまり、まさしくその物的証拠ってことだろうさ。かわいいかわいいリーベちゃんは、頑張り屋さんでもあるんだね。




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