攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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子供の頃は大人になりたかったのに、大人になると子供に戻りたくなる不思議……

 ソフィアさんからの突然のお誘いを受けて、急遽山形家の本日のお夕飯は探査者仲間の皆さんと宴会ということになった。

 しかもアイのホームビデオまで撮るそうで、統括理事さんてばウキウキした声で楽しみにしていますと言って通話を切っちゃった。

 

 あの人もあの人で、一連の騒動のなかでいろいろ忙しかったんだろう。それで事件が終わったことを受け、ひとまず一区切りがつきそうだもんでテンションが高くなったんだと思う。

 他にも仲間の中には大酒飲みさんとか大食いさんとかもいて、みなさんそれぞれ宴となればテンションマックスかもしれないし……相当、どんちゃん騒ぎになることが予想されるよ。

 

「よし、そうと決まれば夕方までは自由時間だ。今日は探査もオフだし、引き続きのんびり過ごそうか」

「きゅうー! きゅっきゅっきゅー」

「アイアイサー! でもお菓子やジュースでパーティーは控えますね、晩御飯が食べられなくなっても困りますし! うぇっへっへっ、お酒お酒に美味しいごはんー!」

 

 そんなわけで元々、今日は一日フリーだったのだから引き続きのんべんだらりとやらせてもらうべと日曜への意気込みを語ったところ、アイとミュトスがウキウキしながら何度もうなずく。

 アイはともかく、ミュトスも大概酒飲みさんだからねえ。アルコール度数が強い酒でもしこたま飲み干して、我が家唯一の酒飲みこと父ちゃんを唖然とさせたのも記憶に新しいよ。

 

 あれ以降もこの子は折に触れて酒を嗜んでいる様子だ。とはいえ、最初にやったみたいなとんでもない呑み方はさすがに止めるように言ってるけど。

 精霊知能の受肉体でかつ、高レベルゆえに肉体が強化されてるからって言っても限度もあれば節操というものもある。ましてやリーベにヴァールはマリーさんという、行き着くところまで行っちゃった例を目の当たりにしているわけなので余計にキツめに釘を差していたりするのだった。

 

「ミュトスちゃーん、分かってると思いますけどウイスキーの瓶をラッパ呑みとかし出したらリーベちゃんが止めますよー? あとヴァールも怒るかもですし、そこは気をつけてくださいねー?」

「ビールに日本酒、ワインに焼酎、ブランデーにウイスキー! どっひぇっひぇっひぇっひぇ…………あっ、はい。ミュトスちゃん、慎み持ってお酒を呑みます……」

「怖ぁ……」

「あのリーベにここまで言わせるたァすげェですね、父様……」

「きゅう……」

 

 いつもの朗らかな笑みと口調で、けれどそこはかとなく圧が顔に出てるリーベちゃんが怖い。完全に浮かれ切って酒を恋しがっていたミュトスがスン……ってなってるやん。

 シャーリヒッタまでもが気持ち声を抑えて話しかけてくる。こういうとこ見ると精霊知能三姉妹の中でも、長姉がリーベだって認識を持ってるこの子の理屈も分かる気がするね。

 

 ともかく少なくともミュトスについては、あまり無茶な飲み方をしないでくれることはこれで分かった。

 他の大酒飲みの人、たとえばアンジェさんとかランレイさん、葵さんとかについてはまあ、マリーさんやエリスさんが止めてくださるだろう、うん。

 

「ま、まあ酒は飲んでも飲まれるなってことで。俺としては、まだ未成年だしお酒は飲めないのがちょっぴり残念感あるけどなー」

 

 場をとりなすようにそう切り出す俺だけど、実のところ結構本音だ。

 これまでに何度か居酒屋とか宴会とか行ってアレコレ飲み食いしたけれど、その度に周囲の大人達が美味しそうにお酒を飲んで陽気に酩酊している姿を見ては、密かなあこがれを抱いていたりするんだよね。

 

 なんていうか、大人って感じするじゃん? 俺ちゃんは別に背伸びしたりはせず、ゆっくり大人になっていければ良いかなーって思う派なんだけどこの点ばかりはちょっぴり、早く大人になりたーいって思うところはある。

 そう語ると、リーベも続けてうなずいてきた。

 

「あー……正直なところ、リーベちゃんもそこは同感ですねー。シャーリヒッタもですけど、ヴァールにお願いして作ってもらった戸籍的にはあと5年はアルコールは飲めませんしー」

「リーベは15歳でオレは16歳ってことになってるんだっけか。一番下の妹なヴァールがそのへん一番年上扱いになるのはまあ、仕方ねえよなァこれまでの経緯的によォ」

「そうですねー。さすがにそこは、ソフィアとヴァールが頑張ってきた年数そのものですからー」

「ていうか兄ちゃんとリーベ姉ちゃん、シャーリヒッタお姉ちゃんで同い年なんだ。幼馴染みたいなものって言ってたもんね」

「まあ、実質まとめて500歳だしなあ」

 

 年齢的な話になってきたけど、正味なところこのへんはマジでアベコベもいいところなんだよね。

 システム領域側としては俺、リーベにシャーリヒッタ、ヴァールはまとめて500歳なんだけど、現世社会の立ち位置的にはヴァールは推定100歳超えの年齢不詳、俺とリーベは15歳、シャーリヒッタは16歳って塩梅だ。

 

 さらにそこにシャーリヒッタ的な脳内設定が頻繁にあの子の口から語られるからさらに意味が分からない。何しろシャーリヒッタ的には三姉妹──長女リーベ、次女シャーリヒッタ、そして三女にヴァールって順序なわけだしね。

 こんなのまともに理解しようとしたら頭破裂するよ。なのでほどほどにそういうもんかーで思考停止しておくことを、優子ちゃんにはオススメしたいね。




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