攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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なんだかんだとマイペースに生きてる山形くんです!

 称号欄でのレスバトルの余波を食らった形になる俺ちゃんだけど、どうあれミュトスとの話し合いも終わった。

 そうしてから昼ご飯を食べて午後もネットやらゲームやらに興じたりして一日を大いに楽しく過ごしての、夕方頃。

 

 夏の厳しい暑さもようやく落ち着いてきた10月半ばだと、夕暮れ時なんかは窓を開けると心地よく涼しい風が吹いてとても清々しい気分になるね。

 さてそんな折、俺達は急遽ながらソフィアさんにお誘いを受けて家族一同で、仲間のみなさんとの内々での打ち上げに参加することとなっていた。

 

 というわけで用意をしてからみんな、リビングに集合したわけなんだけど……案の定と言うべきだろうか? うちの家族、みんなしてびしーっとスーツやら学生服やらでキメて来たのだ。

 なんでやねん。

 

「スーツやら学生服は着なくていいよ……フォーマルな場ならともかく単なる打ち上げなのに、なんでそんな堅苦しく行こうとするかなー」

「いやーその、お前の知り合いってば有名人やらお偉いさんがが多いからつい。このくらいじゃないと変な目で見られるかなって」

「っていうか兄ちゃんこそ、変に私服で行ったらみんな正装で大恥かくなんてことないよね? それくらいがむしろ兄ちゃんらしいけど……」

「むごい」

 

 俺らしいって何? 空気読めずに恥をかくのが俺流なの? と、家族のみなさんのお言葉についついツッコミを入れてしまう。

 まあ、別に正装が悪いってわけじゃない。今優子ちゃんが言った懸念を思えば、判断としては少なくとも間違いではないんだろう。

 

 とは言え今回はそんな騙し討ち一切無しの、マジで仲間内での宴会だからね。

 ソフィアさんからも私服で良いってさっきメールが来てたし、それを信じて普通に私服で行きゃー良いのである。

 

 このへん、権威に弱い山形家の血がもろに出た感じがするよ……社会的立場で見れば錚々たる顔ぶれが参加するってのは、うちの誰もが知ってるから。

 まずWSO統括理事の時点で大概だもの。そこに特別理事や事務総長、S級探査者が引退者含めて7人もいて、挙げ句にダンジョン聖教の初代と先々代と当代聖女までいると来た。

 

 パンピーファミリー山形くんとしては、せめて格好だけでもキッチリさせたいってのもうなずける話ではある。

 けれど向こう方からしても、せっかくの宴でそういう身構え方をされるのも本意ではないだろうし、俺はやはり重ねて家族へと言った。

 

「私服にしてきなよ。仲間のみんな、むしろそっちのほうが気安く接してくれるよ? 変に場に浮かなくて済むかもだし」

「っつーかこん中で一番ラフなカッコしてるオレがいる時点で、どんな格好してたってみんな気にしませんよ正彦サン、由紀サン、優子」

「そうですよー? 集合まで時間はありますし、ほらほら支度、支度!」

「ナウなヤングにイケてるナーウ! みたいな都会風ですもんね、シャーリヒッタ様!」

「きゅう〜」

 

 精霊知能達も、アイも続けてフォローに動いてくれている。うん、特にシャーリヒッタがね……

 自身の格好について自覚的だけど、相当パンクファッション的だから。これが通る時点で大概の服装もOKだと思うよね、俺としても。

 

 なんかこう、野暮な俺には形容しがたいオシャレなデザインのダボッとしたシャツに、ダメージジーンズを履いているこの子は伸ばした赤髪をワイルドにキメてることからも、都会チックながらワイルドさも感じさせる。

 リーベ級に整った顔立ちも野性味のある不敵で勝ち気な造形だもんで、正直すごくかわいいしカッコいい。

 

 他にも、白いワンピースに青色のカーディガンを羽織っているリーベとか。ヘソ出しシャツにジャケット、ハイウエストなジーンズを着こなす大人チックなミュトスとか。

 とかく精霊知能側のファッションセンスが私服全開すぎて山形家のフォーマルぶりとは対照的だ。

 

 そしてそれが通るだろう時点で、というシャーリヒッタも言い分には家族達も納得したみたいだった。ホッとした様子でいそいそと、それぞれ私服に着替え直しに部屋に戻っていく。

 ただ去り際に父ちゃんがぼそっと、

 

「でもそれを言うなら公平、お前打ち上げでも仕事着なのはちょっと仕事人間すぎてお父さん、ちょっと心配かな……」

 

 と、何やら気遣わしげな視線と言葉を向けてきたのはシンプルに誤解だよ。

 今日、集合場所である首都圏のいつものホテルまでの道のりは俺の空間転移で行く予定だし……そのために今だけ、神魔終焉結界を展開しているってだけの話なんだからな!

 

「というわけで仕事人間じゃないから誤解なきよう! ほら行った行った、のんびりしてると置いてかれちゃうよー」

「お前その服脱いだら下からプロテクターが出てきましたとか、それこそ怖ぁ……だから止めろよ? じゃ、ちょっと待っといてくれなー」

「行ってらー……なあリーベ、俺ってそんなに仕事人間に見える?」

「なんだかんだと真面目さんだとは思いますよー」

「きゅう」

 

 あらぬ心配をさせてしまった父ちゃんに釈明しつつもリーベに問えば、彼女に並んでアイまでうなずいて来てしまった。

 知らんかった、俺って仕事人間だったのか……いやないな、ないわ。そこまで熱は入れてないし、ワークライフバランスちゃんと考えてるし。

 

 変に心配やら誤解されないよう、折に触れて遊んでますアピールするかあ。

 そこまで考えて、でもそれはそれでなんともはや本末転倒な気がするなあと思っちゃう俺ちゃんでした。




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