攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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 ワームホールを潜れば、どことなく感じる空気感の変化。ところ変われば雰囲気も変わるってのは、当たり前だけどよく考えるとなんだか神秘的だね。

 とりも直さずすぐに持参した外靴を履く、テント内に人はおらず外にオペレータの気配がいくつかするくらいだ。

 

 ソフィアさん達、待ってくれてるのかな? 今は17時前で集合は18時予定と、時間的には結構余裕があるんだけど。

 まあ、ともかくこうして首都圏には辿り着けたことだし急ぐ旅でもない。空間転移による突然の瞬間移動に目を白黒させるうちの家族を見守りつつ、俺はスマホにて連絡を取った。

 こないだの探査者仲間達の間で作った、グループチャットだね。

 

 

『ホテル前のテントに家族達となうです。表に何人か探査者さんがいるっぽいですけど、グループのどなたかが迎えに来てくれてたりしますか?』

『あ、それ私でーす』

『俺と、当然ステラも来てます』

『私もいます!』

『私もー』

『怖ぁ……結構いますね!』

 

 

 さすがと言うべきかチャット内の参加人数が多いもんで、打てば響く鐘のようにひとつつぶやけば複数帰ってきた。

 葵さん、神奈川さん、リンちゃん、アンジェさん。それに加えて気配の数から察するにもう一人いるな。これはソフィアさんかヴァールってところか。

 つまりは5人、テント前で待っていてくれているのが確定した。

 

 いや多いな! 案内役なんだし別に一人で良かったのでは? と思わなくもないけど、まあこういうのはたくさんで行くのも楽しいからね。

 ましてや仕事の絡まない、純然たる打ち上げだもの。みんなももしかしたらテンション高めなのかもしれないってのは、今の山形家もまあまあ盛り上がってるのを見ても納得の行く話ではあった。

 

「このテントを出てすぐのところに、リンちゃんはじめ知り合いが何人か待ってくれてるみたい。用意ができたら行こうか、みんな」

「お、おう……ほ、ホントに関東なのか。関東なんだな、スマホのマップも、現在位置が関東になってるし」

「こ、これはすごいわ……あんた宅配業者だったら一攫千金よ、こんなの。まあ、探査者だから探査以外はアレだけど」

「そりゃ、こんな力を他業種で使ったらトラブルの元だし。だから能力者は探査者以外やっちゃだめなんだよねー」

 

 家族にも情報共有して促すんだけど、うちの父ちゃん母ちゃんは改めて能力者のスキルのヤバさを悟ってか戸惑いも露だ。

 いやまあ、スキルじゃないんだけどそこは非能力者から見たら似たようなもんとして。なぜステータスを得た人間が基本的に探査業以外の分野で働いてはいけないのか、それを芯から理解したっぽいね。

 

 ぶっちゃけ、能力者に職業選択の自由を認めてしまうと、保有スキルによっては非能力者のパイをまとめて分捕ってしまえるんだ。

 そうでなくともレベルによる身体能力への恩恵がすさまじいからね。単純計算でもレベル20以上あれば、その時点で肉体作業面では非能力者の倍以上の活躍ができてしまう。

 

 つまり"能力者一人雇えば非能力者を数人や雇うより効率が良い"なんて考え方が、まあこれは極論にしても成立しかねないのだ。

 バランス崩壊も良いところだよね、そんなの。だからそれが罷り通っていた大ダンジョン時代の最初の頃なんかはもう能力者の便利使いが激しく、その果てに結局行き着くところまで行ってしまったのだ。

 能力者大戦──能力者を軍事利用しての、世界大戦である。

 

 第一次モンスターハザードまで絡んだ、かの大戦争を終結に導いたのがソフィアさんでありヴァールであるんだけどそこは置いといて。

 その大戦後に設立されたのがWSOであり、そこから明確にダンジョン探査を生業とする探査業が構築されて能力者はそこでしか力を振るってはいけないとする法秩序が世界的に出来上がったらしかった。

 ……まあぜーんぶ教科書やらネットの受け売りなんだけどね!

 

「ちなみに芸能界とか学術分野においては、一部制限はあるものの能力者の参画も認められてるみたいだよ。探査者アイドルグループとかちらほら見かけるよね? アレ」

「なるほどなあ……いやはや、公平が探査者になって半年が経つけど、ようやっとその実感が湧いてきた気がする。今までがちょっと、浮き世離れした話が多すぎてなあ」

「システムがどうのコマンドプロンプトがどうの、言われてもねえ。このくらい身近な例で初めて実感が出てきたところはあるかも……もちろんお給料的には、家計が大助かりしてたからそのへんは感謝してるんだけどね?」

「いやーもう、そこはホントごめーんとしか」

「軽っ。兄ちゃんのそーゆーとこはいつも通りだから、なんか安心するけどさあ」

 

 今になってようやく、息子や兄が探査者になったという実感を抱いたとのたまううちの家族だけど……まあ、あまりにもこの半年の間に起きたことがおかしいことの連続だったから仕方ない。

 むしろこっちが申しわけないくらいだ、いろいろアレコレなんやかや小難しい話ばかりいきなりしだしちゃって。

 

 リーベやシャーリヒッタ、ミュトスとも顔を見合わせ苦笑い。俺の肩に乗っかるアイの頭を優しく撫でつつ、家族達も落ち着いてきたことだしいよいよテントの外へ出ようか。

 打ち上げ会場、どこかなー。




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