攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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伝道師はどこにいてもいつでもどこでも伝道しちまう伝道師なんだ

 モンスターの素材をもふんだんに使って雰囲気を出している、内装の凝った店内を進む。

 カウンター席を越えて向こう、いわゆる座敷だね。そこには見知った顔がたくさんいて、ああやっとこ合流できたなあーと一安心できたのである。

 

 見えてきた仲間のみなさんは当たり前ながら誰もが元気で健康そうで、和気藹々と話をしているところに俺達が顔を出したもんだから一斉にこっちを見ている。

 とりわけエリスさんとマリーさんは、すぐさま手を振っていつもより高めのテンションで迎えてくれたのである。

 あれ? この匂いは……

 

「あっ! 来た来た来ましたよー。ハッハッハーお疲れさまですソフィアさんかヴァールさん、公平さんそして葵はじめみなさーん」

「今回の主役達の登場さねえ。さあさ、今の季節の夜風は寒かったろう、みなさんさっさと座ると良いさね。今夜は鍋だよ、ファファファ!」

「エリス、マリアベール……まさかここに来る前に飲んできたのか? 酒の匂いがお前達はじめちらほら、するのだが」

「えぇ……?」

 

 何人か、というか何人もの人から漂ってくるお酒の匂い。座席に敷き詰められたテーブルには未だ食べ物飲み物は置かれていないのに、明らかに一杯引っ掛けてるっぽい人をちらほら感じる。

 これはヴァールの言うように、どうやらこの店に来る前からすでに呑んでる人が結構いるっぽいな。

 

 心当たりはいくらでもいるけどやはり筆頭はこの人だろう、マリーさんの隣で陽気に笑うその人を見る。

 ベナウィさん。サウダーデさんとロナルドさん、サン・スーンさんさえ含めて楽しげに語らっていた様子だ。

 

「やあーミスター・公平! ミス・ヴァール! せっかくのパーティーですからね、いかにも0次会は済ませてきましたよ」

「お疲れさまですみなさん。さすがに決戦を終えてのこの打ち上げだ。普段からこうであってはいけないが、こうしたタイミングでくらいは多少羽目を外すのも大事ですからね。ほろ酔い程度にはお先に昼間、俺達は俺達で楽しんでいました」

「妻と子供も連れてこの国に来てたら呼んでたんですけどね。今頃は太平洋で俺の帰りを待ってるのかな、エマにラスティ、ジーン……」

「話に聞くアイオーンはまさかの家族想いか……おお、我が心の友正彦よよく来てくれた! さあ、ともに今夜は飲み明かそう! 素晴らしい君と、君の御家族と、私は友誼を深めたいのだ!! まあ私は酒が飲めんので、代わりにジャパニーズティーを嗜むがね。ホホホホ!」

 

 みんな明らかにテンションが高いのは、案の定0次会とかいういわゆるひとつの昼呑みですでに酒を入れてるからだろう。

 分かりきっていた宿命の飲兵衛ベナウィさんと、意外と酒にかけては師匠や弟子にも負けないサウダーデさんはともかく。ロナルドさんやサン・スーンさんまで参加してたっぽいのはなんだか意外だけど……まあみなさん古くからの仲みたいだし、積もる話もあったってことだろう。

 

 なんならサン・スーンさんなんかうちの父ちゃんはじめ家族を盛大に隣の席に手招いている。怖ぁ……どんだけ気に入られてるの山形家。

 たぶんうちの家族はこのままあのへんの席に座るだろうなーと、思いつつもさらに隣の席を見る。こっちはこっちで大変、カオスなことになっていた。

 いつもながらうちの伝道師さんが、同世代のお姉様方と座りつつも何やら伝道の風を吹き荒らしていたのだ。

 

「お疲れさまです公平くん! お疲れさまです救世主様! いつもいつでも伝道師、あなたの御堂香苗はこちらにいますよ! 本当であれば私も五体投地とともに御身のお出迎えをさせていたきたかったのですがヴァールから止められてしまいましてこのような形でのお迎えになりましたこと平にご容赦を! しかし代わりと言ってはなんですが今に至るまでより多くの信徒を得られるよう私も粉骨砕身の思いで伝道を行っておりました救世主様バンザイ!! 新たなる使徒としてランレイさんや愛知さんやセーデルグレン、そして異なる形でですが同じ救世主様を信仰する同志と言えるシャルロットさんにまとめて伝道していたのです!! その甲斐もあって無事にめでたく彼女達も信仰に目覚めようとしていますよ救世主様バンザイ!!」

「んんん!? ウェイトだかつてのマイ・ライバル、使徒になんてなった覚えはまったくナッシングなんだけど! 信仰にウェイクしてたりもノンノンですが! 九葉くんと一緒にしないでくれないか!?」

「しれっと私を売り渡すのは止めてくださいよ使徒セーデルグレンさん……シャルロット、少し席を空けようか? 御堂さんの独特のノリについていけなさそうならいつでも助ける、言ってくれ」

「同志のつもりもありませんが、別段特に気にもしていません。むしろあなたのその態度のほうがよほど不可思議だと、再三申し上げているのですが」

「お、おおお、お疲れさまですみなさん! わ、私達もちょっぴり、お昼に女子会なんかしちゃいましたごめんなさい! ……えへへ、じ、女子会、楽しかったぁ」

 

 伝道師さんとともに席を囲って座る、セーデルグレンさんに愛知さん、シャルロットさんにランレイさん。まあものの見事に香苗さんの伝道ムーヴにツッコミなりなんなり反応しつつも、なんやかや和気藹々と話していらっしゃる。

 こちらも近くの席が空いてるけど、アンジェさんや葵さんが座りそうな感じかな? 同年代だし女子会だし、俺が座るのはちょっと怖いよね、いろいろ。

 

 となると。万歳三唱する香苗さんの、さらに奥の席に目を向ける。

 こっちは意外な集まりが見えた。神谷さんに、ダンジョン聖教騎士団の団長さん、たしかオールストレムさんだったかな? に、同じく騎士のオーロラ・ウィリアムズさん。

 あまり接点はないものの、面識自体はあるダンジョン聖教の人達がいて、なんか落ち着いた雰囲気を出していたのだ。




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