攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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探査者に最も大切なこと。それはズバリ、使命感だ!!

 逢坂さんの仲間さん達について、そのスタイルを確認したところで駐輪場に入る。当の逢坂さんの現状についても伺っておきたいところではあるけども、何をするにしてもまずはダンジョンを確認して実際に探査を開始してから、だね。

 駐輪場の入口、受付にはいつも見る人の良さそうなおじいさんが二人いて、俺達の到着を待ちわびたかのように嬉々として案内してくれた。

 

 二階建ての駐輪場で、自走式だとか立体式だとかってわけでない、オーソドックスな空いてるところに自転車を並べる形式の施設だ。

 その一階の通路真ん中、ところ狭しと自転車が置かれた列を左右に見る道の中央に、我が物顔でダンジョンの入口たる穴が発生していた。

 今はダンジョン封鎖用の鉄板が敷かれていて、その上を自転車ごと人が通れるようにしてるけど……いや普通に迷惑なところにできたなー、これ!

 

「いやもう、困ったもんで早いとこ踏破してもらわんとと思っとったんよ! 若い人らはさっすが、頼りになるねえ」

「それもテレビで見たで、あんたら。シャイニング山形くんに御堂香苗さんやないか! 後でサインもろてええ?」

「探査終わりにでしたら、構いませんが……」

「ぼ、僕もまあ、署名みたいな感じでよければ……」

 

 フランクに俺達に話しかけてくるおじいさん達が、助かったとばかりに安堵している。それは良いんだけれどサインかあ……一応こんなこともあるかも? と前から自意識過剰気味ながら危惧していたもんで、練習は少ししているけれども。

 もし本当に書くとしたらこの人が俺の初サインの持ち主になるわけだね。地元の方にそうなっていただくのは、住民としてはなんていうか貢献した感あってちょっぴり誇らしくなるかもだ。

 

「シャイニングさん、サイン求められてる! ……すごいなあ、やっぱりマジで時代が望んだ超英雄なんだな、雑誌に書いてたけど」

「宥さんも彼に救われたんだし、そりゃそうなるわよね。私らもさすがに今すぐは無理だけど、そのうちサインをねだられるようになるくらいになってみせるわ!」

「うん……もっと上、目指さないとね」

「なーんか、持ち上げられすぎな気もするけどなー正直よ」

 

 駒野さん達もそんな俺を見ていろいろ話されているけど、うん。庄田さんの言うように持ち上げ過ぎな気は十分にしてるかな、俺も。

 とはいえこんなふうに言ってくるくらい、このおじいさん達はダンジョンに困っていて。そして利用客の人達も同様に生活を妨害されているということなんだろう。

 

 だったらそれを取り除く。人々の当たり前の生活を、日常を、ダンジョンから守り抜く。それが探査者の仕事だ。

 果てなくとも限りなくとも、それでもやり遂げるべしとすべての探査者に課せられた、これこそが俺達なんだ。

 

 香苗さんと顔を見合わせ、力強くうなずく。

 他の探査者さん達もそれぞれポリシーはあるにせよ、俺と香苗さんは間違いなく同じ想いで探査に臨んでいる。これが俺達の成すべき正しいことだと信じているからだ。

 おじいさん達を安心させるように笑いかける。

 

「どうか安心して待っていてください。必ず今日でこのダンジョンは消滅させます。みんなの生活を支えてくれているこの駐輪場を、これ以上困らせませんから」

「我らが救世主山形公平様が仰ることです、どうか信じていただければ……私も、S級探査者としての矜持にかけて御方と同じ志でダンジョン踏破を完遂します。それが我々、探査者です」

「…………よろしく、お願いします!!」

「立派な若者達や……頼んます。どうか、頼んます……!」

 

 頼み込むように頭を下げるおじいさん達に、改めて使命への決意を強くする。

 いやまあ、基本的には逢坂さん達の活躍を拝見させてもらうんだけど……それでも万一があった時には、持てる力を振るうことも厭うつもりはない。

 

 そんな俺達の姿を見て、宥さんは真剣な表情で教え子達に向き直る。使徒としてでない、探査者の先輩としての凛とした顔だ。

 俺についてはともかく、S級探査者である香苗さんもまた強い使命感を持っていることは、若手の人達にとってとても大きな意味を持つだろう。そこについてレクチャーするんだね。

 

「みんなも忘れてはいないと思うけど、今のお二人のお姿は探査者の基本にして根源的、本質的なものよ──私達のステータス、スキル、称号にレベル。それらすべては人々の日常を護るために存在しているのだから」

「……はい。俺達も心して探査に取り組みます。護るべきものは、必ず護ります」

「改めて気合、入りますね」

「言われなくたって俺達も、探査者ですからやりますけどね」

「憎まれ口叩いてんじゃないわよ庄田。遊びじゃないんだからね」

「そうですよ庄田くん。宥さんや公平さん、御堂さんの姿を見習いましょう」

 

 駒野さん達もそれぞれ、素直だったり素直じゃなかったりしながらもみんな、探査者としての心構えを備えてくれているみたいだ。

 揃ってうなずき、宥さんに応える。彼らならきっと大丈夫だろう。ここからはじまる探査も、しっかりやり遂げてくれるさ。




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