攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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山形くん15歳、都合が悪くなるとすぐ500歳に戻るぞ!

「よし! やったな庄田、でも調子乗りすぎだ馬鹿!」

「もう息切れしてる……いいとこ見せようとしてカッコつけてるの、カッコ悪いよ?」

「う……い、いやこんなもんちょっとだけだよ。探査にゃ問題ねえし……」

 

 ダンジョン入ってすぐの戦闘も無事終わり、ひとまずの健闘を讃え合うアタッカーの駒野さん、三木さん、庄田さん。

 ただ、庄田さんがいきなり息切れしちゃったのはさすがにいただけないみたいだ。即座にツッコミが入り、本人もまずいと思ったのか反論しつつも気まずそうにしている。

 

 こうした、探査中における体力配分ってのも地味ながら大切な要素だ。

 毎度それなりの勢いで戦闘しても息切れ一つ起こしません、なんてのはそれこそA級からくらいの話だそうで、B級までの探査者はそれなり以上の優先度でペースを考えて探査することが必須に近い。

 

 むしろA級になるまでの間にそうした塩梅を覚えていく人が多いってイメージかもね。

 そのへんはこのなかで唯一A級を超えてS級にも至った香苗さんが、戻ってきた逢坂さんパーティに向けて教えを授け始めていた。

 

「お見事でしたが、庄田くんの疲労は見逃せない問題ですね。パーティの要とも言える盾役が初戦からこれでは非常にまずい……自覚はあると思いますが」

「…………すみません」

「経験も浅いうちは多少体力切れを起こしても、脅威となる場面に出くわすことはまだ少ないでしょう。ですが級を上げていくにつれ、それは明らかな弱点となり命取りとなります。厳しい物言いになりますが、戦闘に余計な要素を持ち込むだけの実力など今のこのパーティになければあなた個人にも皆無である、ということをまずは受け止めるべきです」

「うっ……! は、はい。悪かった、みんな……」

 

 さすがにプロ中のプロとして、今の庄田さんは多少手厳しくならざるを得ない姿だったんだな。結構珍しくキツめに指摘した香苗さんに、俺は内心でひっそりと同意した。

 戦闘中の言動から見ても庄田さん、目の前の敵や周囲の味方ではなく逢坂さんに意識がいってたものな。気になる女の子に自分の実力をアピールしたいから必要以上に頑張るぞ、といういかにも青春チックな動きだった。

 

 それが必ずしも悪いことだとは言わない。強い動機は実力を向上させるものだし、瞬間的にも信じられないような力を発揮させてくれることもある。

 ただ、今回はそれのせいで逆に次からの戦闘でパフォーマンスを落としかねない事態となってしまった。そこについて香苗さんは真剣に叱ったんだ──戦いの最中に惚れた腫れたを持ち込める立場か、と。

 

 自身の内心まで含めて言及されたことで、さすがに庄田さんも平謝りだ。パーティメンバーみんなに頭を下げて、暴走した自分のミスを詫びている。

 それを受けて仲間達も呆れつつ、けれど仕方ないなあと軽く笑って彼に言うのだった。

 

「御堂さんの言うとおりだぞ、お前。はっきり言ってさっきはすげーダサかったんだし、ちゃんとやれよちゃんと」

「誰に何を見せたかったのか丸わかりな時点でカッコ悪すぎ……次同じことしたら承知しないからね。よろしく」

「ったく、単細胞ったらないわね! ほら怪我治したげるからこっち来なさい! 《医療術》!」

「お、おう。悪いみんな、マジで済まねえ」

 

 文句を言いながらも、なんだかんだみんなで庄田さんを許す。このくらいのミスは誰にでもあり得ると、分かっているんだろう。

 人間関係的にどうかな? ちょっと怖ぁ……と思っていたけど、さすがに同門のパーティってこともあって絆で結ばれているんだね。良い関係性なのが分かってちょっとほっこりだ。

 

 宥さんも逢坂さんもどこかホッとしている。師匠の宥さんとしては、言うべきことを香苗さんに言ってもらったということもあるのだろう。しきりに彼女に感謝している。

 一方で逢坂さんは、今の一連の流れでいい加減少し理解してきたみたいだ。庄田さんが自分をやけに気にかけており、それもあってあんなにハッスルしていたのだと。

 目を白黒させて、なんなら軽く頬を染めて俺に近づいてくる。いやなんで?

 

「こ、公平さん。あの、もしかして庄田さん、私にその、何かアピール的なものをしたかったという感じなのでしょうか? ええと、ええと」

「お、落ち着いて逢坂さん。あー、えーと。まあ、そういうことに、なる……かどうかは分からないけど。最近入ってきた君を、こう、特別扱いじゃないけど意識はしてるかもって俺から見たらそんなこと思ったかなー? いや、よく分かんないやー?」

「は、はわわ……!」

 

 俺に聞かれたって迂闊なこと言えるわけないだろ! まあとりあえず話を聞いてほしい的なやつなんだろうけど、対する俺だってふんわりした見解しか言えないよこんなこと。

 何しろこの手の人間関係なんて高校進学するまでからっきしだったんだよこっちは。そりゃもうよく分かんないもの。

 

 はわわあわわと慌てる逢坂さんは、いつものクールな感じから一転して動揺していてかわいらしいけど、俺はそっと数歩離れて生温かい目で見守る。

 いやー僕コマンドプロンプトくん500歳だからなー。あとはお若い方々だけでってことで、見守らせてほしいかなー。




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