攻略!大ダンジョン時代─俺だけスキルがやたらポエミーなんだけど─   作:てんたくろー

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実際、ポエミースキルを連呼してたら客観的に見た時かなりアレじゃない?

 さてさて、ということで最後の最後は俺と香苗さんのタッグバトルだ。見えてきた部屋内を確認する。

 E級モンスターのアイアンアーマーが3体ほどいるね。名前の通り鉄製の鎧をガッシャガッシャ言わせながら部屋内をうろちょろしている。まだこちらには気づいてないな。

 

「あの、よろしければまた私の《サバイバルマスタリー》で気配から音から姿まで消しますけど、どうします?」

「いや、大丈夫だよ逢坂さん。それをするとあんまり参考にならないかもだし」

「そこまでステルスが機能すると、パーティや探査者の実力に拠らずやることは決まってきますからね……あなた方と同じやり方ではない、私達それぞれのやり方をお見せしましょう」

 

 逢坂さんが気を利かせて提案してくれるのだけれど、俺達は揃ってそれをやんわり断った。

 当然ながら俺にとっても香苗さんにとっても、普通に瞬殺できてしまう程度の敵だ。ぶっちゃけどっちかがビームなり虹なり放てば一瞬で片付いてしまう。

 

 その上に確定で奇襲を成功させられるほどの支援まで受けては、逢坂さん達にとってはなんの参考にもならないかもしれない。

 今回はとにかく彼女達に対して、こういうスタイルの探査者もいるよーって言うのを示す戦いだからね。できる限り動きや戦い方を理解してもらえるように、なるべく分かりやすくやってみせたいところではあった。

 

「公平くん。お互いに《光魔導》も《あまねく命の明日のために》も使用はしないでおきましょうか。肉弾戦のほうが彼ら彼女らも参考にしやすいかと」

「そうですね。加えて俺の場合は《清けき熱の涼やかに、照らす光の影法師》とか《目に見えないけど、たしかにそこにあるもの》も使用は控えます。どちらも範囲攻撃ですし、モンスター相手だと確定で一撃ですしね」

「…………御堂さんのスキルは分かるけど、何言ってるんだあのシャイニングさん」

「ほら、アレよ。例のポエミースキル……声に出して話されてるの聞くとあれね、なんかアレね」

「えぇ……?」

 

 いろいろ制限というか、加減して戦おうかと香苗さんと打ち合わせていると話を聞いていた庄田さんと三木さんが困惑の声をあげた。俺のポエミースキルに対してである。

 怖ぁ……ナチュラルに話してたけど指摘されるとなんかこう、恥ずかしさというか照れを感じてきた。《光魔導》に比べてあまりにおかしいもんな名前、完全に慣れたからたまに新鮮な感想を聞かされると顔から火を吹きそうな気分になるよ!

 

 ま、まあ? 別に本当にこういうスキル名だし? 仕方ないし? これはこれで味があるはずだし? ししし?

 などと自分に言い聞かせて感情を誤魔化す。なんなら久しぶりに瞑想とかしちゃうぞ、ほら気分がフラットになった。ふう。

 

「ていうか複数、範囲攻撃スキル持ってるのか? それも一撃必殺って」

「動画やテレビの映像からでもすごいのは分かってたけど、やっぱシャイニング山形は桁違いね。御堂さんと普通に肩を並べて話し合える新人なんて、この世に彼くらいなもんでしょ」

「ですがそれだけ豊富なスキルを制限して、本当に肉弾戦だけでやってくれるんですねお二人とも。これはしっかり拝見して、勉強したいところです!」

 

 駒野さん、真山さん、逢坂さんはスキルの名前とかより、俺の引き出しの多さとか異様な立場とかに着目しているね。特に逢坂さんは勉強熱心というか真面目だなあ。

 まあ、彼女の場合は運動が苦手だから、あまり真似するとちょっと危ないかもしれない──そもそも彼女が肉弾戦をするようなこと、役割的にあるべきじゃないからだ──けど、見て参考にしてもらえるに越したこともない。

 

 そうだなあ、一応逢坂さんも真似しやすいスタイルにしてみようか。

 香苗さんを見れば、彼女も接近戦の準備万端で懐からナイフを、鞘に入れたまま取り出していた。《光魔導》に頼らないほうのもう一つの戦法、師匠の青樹さん譲りの《暗殺術》スタイルだ。

 

 ナイフもS級モンスターの素材を用いた猛毒ナイフだそうで以前、F級とはいえモンスター相手に、刃の背で軽く撫でるだけなのに倒したというとんでもない威力を発揮していたのを見たことがある。

 おかし三人娘の探査を見学していた時だったかな? こう考えると、結構いろんな人の探査風景にお邪魔してる気がするね、俺達。

 

 まあとにかく話は決まった。

 お互いに接近戦スタイルで今回はモンスターと戦おう。一歩踏み出し、部屋に進入する。

 途端、ウロウロしていたアイアンアーマーがすぐさまこちらに気づき、慌てたように構えてきた。

 

「────!?」

「────!!」

「さすがに反応は早いな。アーマーシリーズのモンスター、その級における上澄みだしなあ」

「何やら懐かしい気持ちになりますね、私的には。駆け出しの頃、それなりに相手をするのが大変でした」

 

 各級に色違いというか材質違いのそっくりさんがいる、通称"アーマーシリーズ"のモンスターであるアイアンアーマーを見て、どこか懐かしげな香苗さんをちらりと見る。

 当たり前だけどこの人も新人の頃は新人だったわけで、やはり今の逢坂さん達みたくいろんなことに戸惑ったり手間取ったりしたりもしたんだろうな。

 

 新人育成とか、後輩への探査者の心構えを結構説きがちなのは、かつて自分も先輩達にそうしてもらったからなのかもしれないね。

 そんなことを考えつつも、俺は戦闘態勢に移行した。




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